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2017年01月18日02:05

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チキではなくてティキだったのね

12年のノルウェー映画「コンティキ」を見て、子供のときからずっとヘイエンダールが漂流した
いかだの名前はコンチキだと思ってたのが、じつはコンティキであると知った。
そして、ティキがアロハの柄にもあるティキのことやとも。

小学校3年生のときやったと思う。
図書館にあった堀江健一の「太平洋ひとりぼっち」を読んで以来、航海記や漂流記を読み漁った。
デフォーのロビンソンクルーソー、ヴェルヌの十五少年漂流記は言うに及ばず、スイスのロビンソンや、吉村昭先生の漂流などなど、それはもう目に付くものから片っ端に。
そんな中の一冊が「コンチキ号漂流記」。
細かい内容は覚えてないけど、フランス人かなんかのおっさんが南米からポリネシアまで101日かけて無動力のいかだで漂流実験したって程度には覚えてる。

映画は、ノルウェー人のヘイエンダールが子供のときからバカだったところから始まる。
バカと言っても、いわゆるバカではなく、おバカのバカやけどね。
大人になり、第二次大戦直後にポリネシアの島で民俗学の研究をするヘイエンダールはふと思いついた。
ここにあるティキは南米のそれと同じなのではないか。
だとすると、ポリネシア人のルーツは南米にあり、遠い昔に舟に乗って渡ってきたのかも。
バカにかけるブレーキはない。

思い立ったヘイエンダールが向かったのはナショナルジオグラフィックス。
南米からの実証航海をするので資金援助をお願いしたい。
しかし、けんもほろろに断られ、個人で資金を集めて実行に移すことにする。
ある日、酒場で水兵から漂流体験を聞いていると、横に居た男からいかだの設計についてアドバイスを受ける。
あんた、エンジニアなのか。
いや、冷蔵庫のセールスマンさ。
その男の名前はヘルマン、ふたりはすぐに意気投合し、ヘルマンも仕事をやめてヘイエンダールの冒険に参加することを決める。

じつはこの映画の中でいちばん心が震えた場面がここなんよねえ。
見ず知らずの他人がふとしたことで知り合い、あっと言う間に夢を共有する仲間になって歩き出す。
こういうことをやってしまえるのって、やっぱりバイキングの血なんやろかね。
古代にアメリカ大陸に到達していたのではないかとも言われてる人たちやし。

3人の仲間たちとペルーに乗り込み、いかだの建造に取り掛かるものの、途中で資金不足に陥ったヘイエンダールは思い余ってペルー大統領を訪ねる。
ポリネシアを発見したのがペルー人だと証明できたら、お国の自慢になるんとちゃいますか。
ころっといかれた大統領、資金を出すのみならず、アメリカ海軍の協力まで取り付けてくれる。
そして、スウェーデン人のカメラマンを途中で加えて、5人の旅が始まった。

ここまでが映画の前半で、後半はほぼ太平洋を漂流する様子のみ。
むさくるしいおっさん5人を乗せたいかだがひたすら西へ西へと流れていき、やがて101日目に目的の地にたどり着く。
リアリティを出すために、撮影はほんまに海で行ったんやて。
このときの様子はコンチキ号漂流記として、記録映画になってて、ずいぶん昔に見たことがあるけど、さすがに映画になると演出や撮影技法が段違いでおもしろい。
ただ漂流してるだけの1時間やのに、ちっとも退屈せんかったし。

いまでは、南米からの航海者がポリネシアに移住したって説はほぼ否定されてるけど、それでこのおバカな男たちがやった偉業が色あせるものではない。
一生に一度でええから、こんな冒険に出かけられたら、それだけで人生は意味のあるもんになるんやろな。
とても羨ましく思ってしまった。


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