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2017年01月17日13:01

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体裁ではなく、心の問題・・。

何と表現したらよいのか、役者としての筋が一本ビシっと通った人、
声から何から全てに役者の息吹を全注入されている人・・
っていう印象がひしひしと伝わりましたね。87歳か・・・

またも訃報絡みとなってしまいますが・・
年齢や時期、そして生前残した文言等を観ていると、
先月旅立った父と重なる部分があります。

『葬式無用、戒名不用』。

父も全く同じでした。
何より、無宗教で特定の寺との関連もなく、
檀家でもなければ先祖の墓も満足にあるわけじゃないので、
尚更そうしたしきたりをとことん毛嫌いしていた面がありました。

だから生前「俺が死んだら焼き場へ直送、可能な範囲で適当に散骨してしまえ・・」と。
「無駄な金や余計な金を、誰かのためにくれてやる必要はない・・」と。

とはいえ・・
残された者に纏わる現実性等を諸々考えた時、はたしてその通りで済むことなのかどうか・・。

いざ死を目の当りにした時、何よりも短い時間の中でどう決断するか、非常に悩みました。
母と姉弟との間で改めて意思確認をすると、
「せめて枕お経ぐらいあげてやりたい気持ちも・・」と。

自身も父と同じ感覚でしたが、いざこうして直面しあれこれと考えた時、
それも理解出来る部分ではありました。
それと「一般的な葬儀の形を取らない」とは言っても、
地元田舎に居る親戚縁者らとの関係性を考えた時、残された家族だけでひっそり見送る・・
ということがはたして地域コミュニティの中で、どこまで許容されるものなのか・・
その辺りが田舎を離れてから長い、自身の中での悩みどころでした。
最終的に、叔父の助言によって決断に至った面が強いかもしれません。

「無宗教であり、尚且つ故人の意思が少なからずあったなら、
やはりそれを出来るだけ尊重する・・坊さんを呼ぼうが呼ぶまいが、
結果としてどれだけ故人に対して慈しみの心を持てるか、送ることが出来たかが大事。
形ではなく心の問題なのであって、残されたお前達の心がこもっていれば
訪れた人達は自然とそれに倣うものだ。だから体裁など一切気にするな・・」

結果的に枕お経も一切なし、戒名もなし。
出来るだけ肩肘張らない、送る会のような形態を取りました。
通夜にあたる晩に10数名の縁者と和やかに飲み食い、
翌日の葬儀にあたる日は、時間に出棺するだけという簡素な形。

皆が寝静まった深夜、亡骸の父を前にして
「これでよかったのか、ダメ出しがあったかなかったか」、しばし無言で語らいました。
手厳しかった父のこと、細かな部分や施主として述べた挨拶の内容など、
きっとどこかに次第点を付けたのではないかと思いつつ・・。

不思議なもので、その時の父の表情は明らかに優しい顔立ちになっていました。
どこかうっすら笑みを浮かべているかのようで・・
息子としての贔屓目なのかもしれません。
「まぁまぁ、おまけでギリギリ合格点にしてやろう・・」

悪戯っぽく言う生前の、あの表情がそこにあった気がします。

神山さんの場合、亡き父や自身らとの境遇とはまるで異なると思われます。
ただひとつ言えるのは、あのような著名な方にあっても故人の遺志を尊重された
ご家族もご立派で、さぞかし色々な苦悩もおありの中でしっかり送られたのだろう、と・・

なんだろう・・
巧くいえませんが、男のこうした生前の意思にしても何にしても、
どこかいつも孤高で、ある種の侘しさを漂わせるものだな、と・・

だから女性の場合はみな真逆である・・とまでは言いませんが、
男性の場合、女性のそれとはどこか異なるものを滲ませる気がします。

なんでしょう、孤独で世の中と戦い、そしてひっそり旅立っていく・・
最後まで孤高であるのが男の宿命・・みたいな。

父がそうであったように、神山さんのこの少ない記事の様相からも、
なんとなくそんな雰囲気を感じるのは気のせいか・・

とはいえ、神山さんの場合沢山の方による偲ぶ思いに包まれるでしょうから、
それはそれで実に羨ましくもあり、誇らしいことなのではないかと。

そういえばこれまた不思議なもので、父の古くからの友人でもあり、
仲人をしてくれた遠い親類にあたる方が、父が亡くなる2ヶ月ほど前に急逝されました。
ご家族が私の父の訃報を聞いた時、「きっとうちの父さんが引っ張ったんじゃないか・・」
なんて言ってたそうですが・・

なんでも亡くなる少し前、久方ぶりに私の父と会いたいなと言ってたそうです。
そういう意味では確かに“引っ張った”のかもしれません。
ですが、それはネガティヴなものではなくて、せめてもの“救い”だったのかも、と・・

晩年は疎遠だった二人、少し時間差を置いて二人で旅立った・・
あちらで再会を喜び、父は飲めない酒を喜んで酌み交わしているのじゃないか・・
そんな気がしますし、その点では決して「孤独」ではなかったのかもしれないなと・・。

支離滅裂な内容となりましたが、神山さんのご冥福を心からお祈り致します・・。


俳優の神山繁さんが死去 『ザ・ガードマン』『アウトレイジ ビヨンド』など出演
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=4386762
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