mixiユーザー(id:13668040)

2017年01月14日20:36

227 view

すみだ北斎美術館『北斎の帰還』展・・・風景が見栄を切るとは?

今年はどうも葛飾北斎の浮世絵をたくさん見られる年になりそうだ。今後「北斎とジャポニスム」という企画展もどこかでやると聞いた。私はもうずいぶん前に長野県小布施にある北斎美術館を訪れたことがある。それ以来、あまり浮世絵の方面はピンと来るものがなかったので、足しげく通うこともなかったと思う。今年は少し見てみようと早速葛飾区の「すみだ北斎美術館」(妹島和世設計)に出かけた。

この美術館は寄付を募って市民のために開かれたようだが、関東大震災で焼失した絵の復元を含めてとてもおもしろい展示をしていると思う。ただやや手狭で今日はかなり混雑していた。チケットを購入して出かける方がその混雑に巻き込まれないですむように思った。「北斎の帰還」展は明日までになっている。

今回、あれこれと浮世絵を見てみたが、人物画ではなくやはり北斎は風景画(小さな人物を含めた)の方が目をひくことがわかった。なぜかなといろいろみていると、たいへん独特の構図で描かれており、有名な大波が舟に覆いかぶさるような構図の「神奈川沖浪裏」などでもそうだし、富嶽三十六景の富士が反り返るような構図で描かれたもの、突き出した突堤に人が危うく馬に乗っていたり、魚を釣っていたりする構図、さらには大きな桶を作っている職人の姿を描いtがもの、斜めに雨が降り無数の傘が橋を渡る姿のものなど、書き出せばきりがない。
フォトフォト

こういった具合でこれはなんだか印象に残るなあと思っていると、写楽の役者絵にも通じるような気がしてきた。つまり、人ではなく風景が見栄を切るとどうなるか、風景が「決まる」ようにするにはどう描くかを葛飾北斎はどうも描いて描いて考え抜いていたように思う。北斎漫画も描きまくっている。また忠臣蔵の挿絵なども展示されていたが、ほとんど現代の劇画だった。むしろ劇画は北斎が起源なのかもしれない。また蕭白とか。
フォトフォト

北斎の画力と多様性を目撃できるいい年になるかもしれない予感を感じた。

11 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する