成人式は誰のもの？

ボクは結婚してないし、少なくとも認識してるとこに子供もおらんから、ほんまの親の気持ちはわからんのかも知れへん。
でも、かれこれ１０年ほど前から、毎年まわりにいる誰かの息子や娘が成人式を迎えるのを見ていて思ったことがある。
成人式は新成人のためのもんとちゃうんやで。

２０歳なんか、ちゃんと飯食って危ういとこに近づけへんかったら、たいていの子供は寝てても屁こいててもなれる。
ただ、忘れたらあかんのは、その飯は、その寝場所は誰が用意してくれたんかってことやねん。
早くに自活してる子もおるやろけど、それにしたかて、生まれたときからそうできてるわけやないし、ほとんどの親は、自分の欲しいもんややりたいことを我慢してでも子供のためにと頑張ってきてる。
すべてがとは言えへんし、そうやない親をリアルでひとり知ってるからほとんどなんやけどな。

そんな親たちは自分が育てたひとりの個人が成人し、社会的にも一人前の人間として認められる日が来たことをどれだけ嬉しく思うことか。
また、ある意味では、保護者たる存在から解放される卒業式でもあるわけや。
これからはいろんなことに責任を持たなければならない社会的人格になります。
それを社会と親に対して宣言する会が成人式やと言うてもええんやないかな。

つまり、親に見せるため、親を喜ばせるため、親に安心してもらうための一大イベントが成人式やっちゅうこっちゃ。
そこをわかってないから、わけわからんおかしな恰好したり、飲んで暴れたりしてしまうやつが出てきてしまう。
自分の親が今の自分を見て喜ばしく思うか、もっと言うなら、誇りに思ってもらえるか。
それを念頭に準備をし、集まりに臨むのがあるべき形なんやないか思うねん。

親に感謝、その機会を与えてくれた社会に感謝、そしてなによりいま生きている自分自身、命そのものへの感謝の気持ちを全身で表現するべき場所が成人式会場なんやで。