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2017年01月09日19:17

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『将軍様、あなたのために映画を撮ります』

映画『将軍様、あなたのために映画を撮ります』を鑑賞。

 1978年に起こった韓国の国民的女優チェウニ(崔銀姫)と映画監督シンサンオク(申相玉)元夫妻の北朝鮮拉致事件を追ったドキュメンタリー。好きな女優さん・監督さんなので観てみた。韓国映画趣味。



 あらすじ。ネタバレあり。

 二人の馴れ初めから、北朝鮮に拉致され、北で何本も映画を撮り、ウィーンで米大使館に駆け込み脱出した後、現在までを描く。

 申の浮気で離婚に至ったこと。その後、1978年に崔がまず拉致され、続いて申が拉致されたこと。申は逃げ出そうとしたため収容所(刑務所)の独房に5年も入れられるハメになったこと。そのため申は北朝鮮に歯向かうのを恐れ、確実なチャンスが来るまでは北に従順なフリをし続けたこと。

 崔は、比較的大人しく、招待所(収容施設)の庭を畑にし作物を作ったりしていた。

 独房から出た申は崔と再会。痩せこけた申に驚く崔。金正日の望みは映画を作ること、と知った2人は、収容所送りにならず脱出のチャンスを待つため、申が監督・崔が助監督で何本も映画を撮ることになる。彼らの撮る思想性の無い映画は北では極めて珍しい。金正日が自由に撮らせてくれたらしい。

 (約3年で?)17本もの映画を撮ることで、次第に彼らの行動の自由は広がる。ついにウィーンで監視の目が緩む。ホテルを抜け出しタクシーに飛び乗り、米国大使館に駆け込む。

 米国に亡命後(1986年5月15日にワシントンで記者会見)、しばらく米国で暮らす2人。映画監督としては成功しなかったものの、ディズニー映画の製作で成功する。

 1999年に2人は韓国に帰国。2006年に申は疑われ続けたまま亡くなった。



 感想。

 存命中の崔ら関係者の証言と、申の映画の中から証言内容に合う映像シーンを抜き出し組み合わせたもの。申は既に亡くなっているので、彼の証言はテープの音声のみ。それが何故か?日本語なのが不思議。本当に本人の声?まぁ金正日に媚びる音声テープも残っているから、本人なのかなー。

 また、自分たちが本当に拉致されたのだ、という証拠にするため、拉致を指示したことを金正日語るのを盗み録りしたテープも出てくる。これも、金正日に会う前には身体検査されないの?本当に本物の盗み録り?という疑問が湧く。

 実際、申は韓国に帰国後も、ずっと「共産主義者では?」との疑念をもたれ続けたんだとか。可哀想、だけど、韓国民や韓国当局が疑心暗鬼になるのも無理は無い。

 案外、金正日が、映画を多数撮ってくれた二人に感謝し、韓国への帰国を許し、帰国しても逮捕されないよう、あえて「自分が拉致を指示したのだ」というテープを作って渡してくれたのかもしれない。

 それにしても、金正日の声が甲高い。彼のカリスマ性の無さは、声も一因かなー。


 キネ旬では星5・2・3評価。私は星4つ評価です。
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