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2017年01月02日16:52

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漱石はなぜ三角関係を書いたのか?

■「高校時代に読むのは早い」姜尚中が語るおとなになってわかる漱石の魅力とは?
(dot. - 01月02日 07:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=4368113
いやいや、高校時代に読まなくてはいけない。なぜか?高校の教科書に載っているのは、夢十夜かこころだろうが、これらを高校生が理解するには、国語教師の力量が問われるのだ。そのときにショックを受けるか受けないかで、その高校生の、大袈裟にいえばその後の人生の教養の豊かさが左右されるだろう。

なぜ漱石は三角関係ばかりを書いたのか?明治の日本が目標、手本としたヨーロッパとはなにか?漱石が見たイギリスとはなんだったのか?

産業革命によるヨーロッパの近代化とは、エゴイズムにほかならなかったのだ、自分たちに都合のいい理屈で世界を分割するヴィクトリア朝イギリスは、軍備の近代化によって世界を制圧した。それまで世界の辺境にすぎなかった西ヨーロッパは、近代化という暴力によって歴史を逆転した。

日本が知らなかった愛、自由恋愛とは、エゴイズムの究極の形態にほかならない。

それを漱石はわかりやすい三角関係へと転調することで、新聞小説へと昇華したのだ。

もうひとつ、大江健三郎さんの指摘だが、漱石の小説のなかの女性はみな魅力的だし、現代的だ。その新しさは、志賀直哉の小説のなかのステレオタイプな女性像と比較すれば容易にわかるだろう。

100年たっても漱石は面白い、それはみずからの孤独と世界と日本のリアルと格闘したからこその面白さなのだ。



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