とても危険な発想です

大前氏、在日米軍の経費全額を払って駐留継続を提案すべき
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=125&from=diary&id=4368133

大前氏は正しい事も言うが軍事に関しては全くの素人ですね。
１兆円と言う金がどれだけの価値かもわかってない。

米国兵器を日本の調達費用で買えば1兆円ではそれほど揃えられないでしょう。
だが世界で見れば1兆円と言うのは年間防衛費に匹敵するのが普通です。
記事にある１．４兆円という金額はイスラエルの年間軍事予算と近い金額です。（１．６兆円）

イスラエルと言えば言わずと知れた核保有国であり、軍事大国としても世界最先端と言えるレベルにあります。中国はその最先端のレーダーが欲しくて打診したが断られたほど。
この国の防衛予算すべてと同額を米軍に供与せよ、と言っている。

忌憚なく言えば、「駄目です」。
確かに本当に米軍が守ってくれるのであれば２兆円でも安いものです。
それなら自衛隊を解体してしまえばいい。

ではどこにそんな保証がある？

「核の傘」なんてものはフランスのドゴールもイギリスのサッチャーも中国の毛沢東でさえ、「茶番劇だ」と一笑に伏して自国核開発を行った。

サッチャーは「我が国が他国より核の恫喝を受けた場合、どの段階で米国が報復攻撃をしてくれるのか、明確にお答え願いたい。」と核開発を止めようとした米国大使に質問を投げかけ、大使は何も答えられず結局押し切られてしまった。

このように核の恫喝（例えば「仲裁に入ればNYに核を打つぞ」と言われたら）を米国が受けたら、それに抗ってまで日本を守るか？と言われたら絶対に守りません。

他国に自国の防衛を委ねるなどと言う発言は国によっては逮捕ものの売国発言ですよ。
１兆円あればICBMの開発と原子力潜水艦２隻は作れるでしょう。
これがあれば米軍が居なくても中国は手が出せません。

通常兵器では現時点で海上自衛隊を打ち破って侵攻するだけの戦力はないし、何より周囲を敵国に囲まれた中国は日本だけに全力を注ぐことは出来ません。
局所戦闘行為ではむしろかなりの確率で海自が圧倒する、と世界の軍事評論家も見ている。

そうなると１番怖いかつ唯一の戦略はミサイル攻撃による軍事拠点潰しと恫喝です。
特に何億円もするミサイル飽和攻撃よりも、後者を選ぶ可能性は高い。
１番いいのは「戦わずして勝つ」ですから。

実際に核ミサイル程度の破壊力では日本壊滅なんて事にはなりません。核弾頭化で搭載している核爆弾の大きさには限度があるので、水爆とかは搭載出来ませんから。
しかし１発で多くの人命を奪う「核攻撃をするぞ」と脅されて、抗える国家元首はいないでしょう、人民を家畜としか思わない中国以外は。

攻撃兵器がない、と書いているが日本は１兆もあれば簡単にICBMだって作れます。
１機１００億円の５世代機を毎年１００機調達すれば中国を簡単に追い抜けるでしょう。
２０００億の原潜を５隻づつ増強したら？１００億のICBMを毎年１００基作れます。
１０億円の戦車なら１０００両配備できる。（当初はこれより高く調達することになるが自国で開発大量生産で大幅に下げる事も可能）

技術力がなくて大金を出して外国から買い漁らなくてはならない中国と違って、日本はその気になれば自国で作れない兵器はありません。現実に部品単位で言えば中国軍も米軍も日本の製品を使っていますから。
更に言えば大量の雇用も生み出すので経済効果も非常に高い。


軍事に無知な人は兵器を「人殺しの道具」だと認識しているでしょう。
だが実際には兵器は身を守るための護身道具だと言うのが現代兵器の考え方です。
米軍はじめ世界の軍が開発している無人兵器も、兵士さえ一人も殺さない為の兵器です。
だが守るためには反撃能力を有していなければ守れません。
MD（ミサイルディフェンス）にしても迎撃と反撃がセットでなければ戦争を起こさせない抑止力にはなりません。

日本が武器調達費用があまりにずさんでバカ高い兵器を買わされている事は知っていますか？
米軍が調達したイスラエル製の銃器は調達費用４０万円ですが、これを日本が予算計上した金額は１台４５０万円です。

日本の政治家も国民も真剣に兵器や軍備に関心を持たないから、１０倍もの金を使っても誰も気が付きもしない。下手をすれば官僚か一部の関係者が金をもらって好き勝手やってる可能性すらあるのです。

第一今は１兆４千億でも来年は？再来年は？どんどんエスカレートして行くに決まっている。
米国にしてみれば日本の金で自国の軍事プレゼンスの強化が図れるのですから、こんな楽な話はありません。大前氏にしては浅慮であると言わざるを得ません。