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2016年12月31日03:20

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神のきまぐれ?人の意思?

長文、しかし書かなければならないだろう。
眠いけど頑張る。

これはNという男の話である。

私には高校時代からのダチが8人いる。もう20年来の付き合いだ。
各々8人で1グループと認識しており現在まで濃く長い付き合いを延々続けているのだが、親友というよりは腐れ縁と言った方がしっくりくるだろう。
若い頃は連中と喧嘩したり女の奪い合いをしたり色々あったが結局は丸く収まる。
8人の個性が突出しており、しかしそのせいもあり団体としてのバランスは恐ろしく整っている。
イケメン(陰、陽)担当、ムード担当、インテリ担当、お笑い担当、いい加減担当、人畜無害担当、ポジティブ担当、ネガティブ担当、仲裁担当、爆弾(ブス)処理班などがあり兼務もある。
ちなみに私は主に仲裁、イケメン(陰)担当であり総括。
総括ってのは酒が一番強いので最後まで素面でいる奴で事後処理係みたいなもん。

Nはこのダチのなかではネガティブ担当のすげーめんどくせー奴だ。性格は超奥手で根暗、たまに口をひらけば基本つまらない話しかしない。逃げ腰。まぁ負の塊みたいな感じ。
ルックスは悪くないがイケメンではない、少し顔が濃い。
どうしようもない奴なんだがNがいないとネガティブな面を処理する事が困難になる。
Nはそんな性格も相まって長い間彼女もろくに出来ず、ずっと童貞だった。本人もコンプレックスだと少なくとも感じていたし、仲間内で下の話になったときにNがいると非常に気まずかった。
皆Nも早く一皮剥けてみんなで同レベルのバカがやりたいと切に願っていた。
だが現実は厳しく1人、1人とNとの距離を置くようになる。
N自身も身から出た錆だと分かっているのだが、かゆい所に手が届かない。

いつぞや私が紹介したかわいい保育士とイイ所までいったが押しが弱すぎて保育士から相談されたりとかもあった。N君が抱いてくれないんです・・・。不安で不安で・・・。
そうこうしてるうちに愛想をつかされてしまった。

2009年夏、Nは29の誕生日を迎えた。この時点ではまだ童貞。さすがに皆も少しずつNに嫌気が差し始めていた。
その日、私はNと一緒に釣りに行き、そのまま夜は飲み屋で酒を浴びていた。
いい感じに酔いが回ってきたところでNが切り出す。
N「俺、今年は頑張るよ」
私「何をだ?」
N「彼女作って童貞卒業するわ!」
私「まぁ、頑張れ。そこは自力で乗り越えるしかないからな」
N「支援してくれよな」
私「あぁ、わかった。いいか?男に二言は無いな?絶対だぞ?」
N「OK」
私「もし30までに卒業できなかったらソープにぶち込むからな!」
N「わかった」
後日仲間内にこの話は回り、皆Nに期待をした。


2010年夏、Nは30の誕生日を迎えた。
その日、私はNと一緒に釣りに行き、そのまま夜は飲み屋で酒を浴びていた。
昨年のデジャブ。
いい感じに酔いが回ってきたところで私が切り出す。
私「お前さ、1年前にここで何があったか覚えてるか?」
N「・・・」
私「わかってるようだな。では結論から聞こう」
N「・・・」
私「OK、ソープ確定な。金は俺が出してやるから卒業してこい」
N「ていうかな、お前支援してくれなかったよな?」
私「おお、彼女出来たらアドバイスとかあったかもな」
N「そうじゃねーよ、女紹介してくれなかったじゃねーか」
私「は?そんなもん自分で調達しろや。俺は仲人か?ブスじゃ嫌だとか性格がいい子がいいとかよ、そんなん条件満たしてたら俺が彼女にするわ」
N「ふざけんなよ、約束ちげーじゃねーか」
私「てめーが言い出した事だろ、何も努力しないで得られるとでも思ってんのか?1年間てめーは何してた?あ?」
N「・・・」
私「どうでもいいから来週末の夜、きれいにカリ首を洗っておけ。」

ドガッ!
Nはビールジョッキをテーブルに叩き付けて店を出て行った。

カウンターごしにマスターがヘラヘラしていた。
私「ねー、マスター。1年前さマスターもうちらの話聞いてたよね?どう思う」
マ「俺だったら喜んでソープ行くね!」
私「wwwwwwwwwwwwwww」
マ「まぁNはそういうの受け付けないって俺もわかるけどさ、プライドって難しいねぇ」
私「とりあえず童貞捨てたら一皮剥けるじゃないすか。同じ土俵で話してもらいたいんすよ」
マ「エロの境地はプライドの向こう側だからねぇ」
私「ですねぇ、女にいろんな意味で丸裸にされるとたまらんすよね」
マ「もぐら君はバカだね・・・w」
私「しかしN帰ってこないっすね、まだ頭冷えないのかな」
マ「そっとしておいてあげなよ、Nなりに傷付いてるんだよ。もぐら君は頭いいけど無神経だから」
私「俺なりに気を使ってるんですがねぇ。本当はクソ童貞野郎って言ってやりてーっす」
マ「親しき仲にもって言うだろ?」
私「親しくないと言えないですよ。俺だってNを信じてやりたいけど、何度も裏切られてるんですよ。しかもすぐ逃げるし」

以来、私はNとは会っていない。
その話を聞いた仲間達も完全に愛想を尽かせて誰一人としてNと連絡を取らなくなってしまった。







2016年12月30日
私はいつもの仲間達と毎年恒例の打ち収めに出掛けた。
スコアはイマイチだったものの天気は最高だったし楽しく回れた。
最近では仲間も家庭持ちだったり諸事情で集まりが悪いが「これだけは」といい皆でラウンドするのだ。
ラウンド後は各自解散なのだが晩飯でも行こうと、運転手の私含め3人で飲み屋へ。

運転手付きなので浴びれると仲間内のイケメン担当Iの暴走が始まる。
こいつとは昔よく女を取り合った仲で、合コンなんかすると私かこいつが華である。よって兄弟であるが基本的には私が長男になることが多かった。下世話な話ですまない。

年末挨拶と称して共通の知り合いに片っ端から電話をかけまくる。
友人から始まり、昔よく遊んだ女や、終いには奪い合った女までに電話する始末。
各5分くらいだが皆共通の知り合いなので3人で電話を回しながら2時間ほど過ごした。
これで最後ね!だけどスゲー勇気いるんだよね。掛けていいかな?
Nに・・・。

まてーい!!!!!!
と、間髪いれずつっ込むお笑い担当S。
こいつはこういう時だけ仕事をする。

これまでの経緯から掛けるほうも気まずいが、Nはさらにきついはず。
そこから更に1時間話し合った結果Nをここに呼び出そうという話になった。
絶縁から6年。この間ことある事にNの話は仲間内であるにもかかわらず「めんどくせーし」「空気悪くなるし」「あいつ何してるかな?」「何も変わってないだろ」とこんな感じ。

逆にNにとっての絶縁から6年。これはどうだったのだろうか?
「さびしい」「つらい」「仲間に戻りたい」「変わりたい」「変われない」「今更どうなる?」「どうせ俺なんか」といったところだろうか。
Nの性格を熟知しているため呼んでもこないのではと私は思った。
来る確立5%、来ない確立95%と読んだ。来ないな。1万賭けてもいいわ。
するとイケメン担当Iが言う。乗った、来るに1万!




1万負けたわ。
本来のNの性格上100%来ないと言い切っても良かったのだが、神の気まぐれなのか。
またはNが変わったのか、仲間に戻りたいと6年間思い続けた意思の強さなのか。
答えは見つからないがNが来たという事実。

相変わらず口数は少ないが笑顔も見せたN。
会計を済ませた時に私はNに聞いてみた。
「今日、この場に来たって事が答えでいいのか?」
Nは何も言わず静かに頷いた。






いい歳こいて不覚にも泣きそうになったわ。
イケメン担当Iも酔った勢いとはいえファインプレーだったな。
みんな心の底で何か思ってるんだなぁと実感した。そしてすげー充実した1年だったと思える。
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