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2016年12月29日10:05

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デュエル52

今日はデュエルの話をアップします。
最近、いろいろ忙しかったのでもうできないかと思いましたが、できました。

遊星vsバクラです


「招かれざる決闘者」その52


「どうした!?てめえのターンだぞ!やる気がねえならさっさとサレンダーしな!」

項垂れている遊星の姿を見てバクラは苛立ちを隠せないでいる。だが、バクラの挑発を受け遊星はその顔を上げバクラを睨む。

「サレンダー?誰がサレンダーなどするか!」
「ふん」
「そうだ。俺は最後の瞬間まで絶対に諦めない。次のドローがある限り俺は俺のデッキを信じる!俺のターン!!」

遊星 LP1600 手札×1

「このカードは・・・よし、これなら行ける!!」
「あん?」
「俺は魔法カード『増援』を発動!!」

増援 通常魔法
デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。

「『増援』の効果で俺はデッキからレスキューウォリアーを手札に加える!!」

レスキューウォリアー
戦士族/効果 地属性 ★4
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。このカードが戦闘によって破壊された場合、相手フィールド上に表側表示で存在する 元々の持ち主が自分となるモンスター1体を選択してコントロールを得る。
攻撃力 1600 守備力 1700

「そしてレスキューウォリアーを召喚!!」

遊星の場にレスキュー隊の姿をした戦士が現れる。

レスキューウォリアー 攻撃力 1600 ★4 通常召喚

「ハッハッハ!!てめえがモンスターを召喚したことでてめえの団結の力の効果でスターダストの攻撃力が上がるぜ!」

スターダスト・ドラゴン 攻撃力 2500→3300

「バトル!!レスキューウォリアーでスターダスト・ドラゴンを攻撃!!」
「何!?血迷ったか!?」

レスキューウォリアーがスターダスト・ドラゴンに向かって突進していく。だが、スターダスト・ドラゴンの反撃を受けたレスキューウォリアーは呆気なく葬られてしまう。

「自爆とはつまんねえことしやがって・・・何!?」

スターダスト・ドラゴンの攻撃によって巻き起こされた煙が晴れると遊星は無傷で立っていた。さらにバクラを驚かせたのはスターダスト・ドラゴンの足に何やら金属のロープのようなものが巻きつけられていた。

「何だ、これは?」
「残念だがレスキューウォリアーが戦闘を行う時、俺への戦闘ダメージは0になる!さらにレスキューウォリアーが戦闘で破壊された時、相手に奪われた自分のモンスター1体を俺のフィールドに戻す!!」
「何!?」
「レスキューウォリアー!!スターダスト・ドラゴンを救出しろ!!」

遊星がそう叫ぶとロープの先からレスキューウォリアーが現れてスターダスト・ドラゴンに憑依しているダーク・ネクロフィアを持っていた特別な銃器で打ち砕いた。

『ぎゃああああ!!!!』
「ダーク・ネクロフィアが・・・」
「これでダーク・ネクロフィアの怨念は解除された!よってスターダスト・ドラゴンは俺のフィールドに戻る!!」
「くっ・・・」

ダーク・ネクロフィアがいなくなったことでスターダスト・ドラゴンの洗脳は解け、遊星のフィールドに舞い戻る。その咆哮は怒りに満ちているようだ。

レスキューウォリアー 効果発動
ダーク・ネクロフィア 破壊 洗脳解除
スターダスト・ドラゴン 洗脳解除

「これで終わりだ!!スターダスト・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!!シューティング・ソニック!!」
「ぐわああああ!!」

スターダスト・ドラゴンが洗脳のお返しと言わんばかりに強力なエネルギー波をバクラに浴びせた。その爆風によってバクラの姿は見えなくなってしまった。

「やったか・・・?」

煙が徐々に晴れてくるとバクラの影が見え始めた。そうかと思うとあの癇に障るような笑い声が聞こえてきた。

「ククク・・・ハッハッハ!!」
「何!?」

煙が晴れるとバクラの前に光輝く何本もの剣が盾となりバクラを守っていた。

「残念だったな。俺様は墓地から罠を発動させたぜ。」
「墓地から罠だと!?」
「罠カード『光の護封霊剣』!このカードを墓地から除外することでダイレクトアタックを無効にする!!」

光の護封霊剣 永続罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に1度、1000LPを払ってこの効果を発動できる。 その攻撃を無効にする。 (2):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。 このターン、相手モンスターは直接攻撃できない。

「くっ・・・俺はこれでターンエンドだ。」
「見事だったよ。不動遊星、さすがは期待しただけはあるぜ。だが、そろそろ終わりにしよう。俺様のターン!!」

バクラ LP 600 手札×1

「ふっ・・・行くぜ。リバースカードオープン!罠カード『邪神の交霊術』を発動!」

邪神の交霊術 通常罠
自分の墓地から「邪神」モンスターを2体除外して発動する。墓地から魔法カード1枚を発動する。

「邪神の交霊術?」
「このカードは墓地の邪神2体を除外することで墓地から魔法カード1枚を発動することができる!」
「何だと!?」

バクラの場に不気味な魔法陣が現れる。その魔法陣に墓地から這い出てきた2つの魂が吸い込まれていく。

「行くぜ!邪神ドレッド・ルートと邪神イレイザーを除外し、墓地から『邪神の復活』を発動する!」

邪神の復活 速攻魔法
自分のライフが1000以下の時、墓地の邪神モンスター1体を選択して発動する。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

「邪神の復活・・・?」
「このカードの効果で俺様は墓地から邪神アバターを復活させる!!出でよ!この世で最も強力な神、邪神アバター!!」

魔法人が紫色の光を帯び、眩いばかりの光の柱を形成する。その中から現れたのは真っ黒な球体をした不気味なモンスターの姿だった。

「邪神アバター・・・」

フィールドに現れたアバターはスライムのようにうねり出し、ある形を形成していく。

「これは・・・スターダスト・ドラゴン!?」
「アバターはフィールドで一番強いカードの姿を写し取る!その攻撃力を1だけ上回ってな。よってアバターの攻撃力は3301だ!!」

邪神アバター 攻撃力 3301 ★10 墓地から特殊召喚

漆黒のスターダスト・ドラゴンが遊星の前に立ちはだかる。アバターが発する強力な魔力によって普通の人間は正気を保ってはいられないが、これまでの戦いで成長した遊星は平然としていられる。

「これが最強の神・・・だが、特殊召喚された神はターン終了時に墓地へ送られるはず。ならばこのターンを凌げば」

遊星は最初のターンで神の攻撃を防いでいる。神の攻撃を受けても精神がやられることはない。邪神アバター、どれだけ強力な力を秘めていたとしても1ターンだけなら耐えられる。だが、遊星のそんな思惑は簡単に打ち砕かれてしまう。

「残念だったな!アバターはまだ本気を出しちゃいねえ!」
「何!?」
「不動遊星!これからお前に本物の神の力を見せてやるぜ!!」
「本物の神だと?」
「行くぜ!これが神の真の力を引き出す究極の魔法!『RUM−ザ・デビルズ・フォース』発動!!」
「ランクアップ?」
「邪神アバターのレベルを2上げ、アバター自身を素材としてエクシーズ召喚を行う!」
「何だと!?」

アバターの周りに新たな魔法陣が形成され稲光がアバターを包み込む。これでアバターのレベルは2上がり、レベル12のモンスターとなる。

「行くぜ!レベル12となった邪神アバターでオーバーレイ!!」

アバターが光の玉となり形成された魔法陣へ吸い込まれていく。

「神を超えし神よ!今ここに真の力を開放し、この世のすべてを写す魔鏡となりてこの世のすべてを蹂躙せよ!!」

アバターを取り込んだ魔法陣が光の柱を中心に形成されていく。そして魔力と言う魔力がそこへ結集していく。

「エクシーズ召喚!!」

バクラの声と共に雷が魔法陣の中心へと落ち、凄まじい煙が辺りを包み込んだ。

「現れよ!最強を超えた究極の神!待たせたな!今ここに真の姿を現せ!『大邪神アバターmiko』召喚!!」

フィールドに現れたのは艶やかな巫女装束に身を包んだ未子の姿だった。彼女は目を閉じうっすらと笑みを浮かべているが、キラキラと輝く光の粒子が神々しさを演出している。年の頃は10歳程度の小さな女の子。そんな彼女を見た遊星は驚きを隠せなかった。だが、彼女を見て遊星は彼女が内に秘めた絶大な力を既に感じ取っていた。

「あれは・・・小さな女の子?いや、この言いようのない感覚、今までに出会った何よりも恐ろしい気配を感じる・・・これは一体何だ?」
「ククク、さすがだな。不動遊星。この小娘の見た目には騙されねえようだな。」
「何?」

遊星の反応にバクラは感心していた。普通のものであれば未子の姿を見れば普通の子供と見て侮り、後で痛い目を見るというのが落ちだ。だが、遊星は見た目に騙されることなく未子が持つ力をすでに感じ取っていた。これだけで遊星の実力が確かなものだと言える。

「それじゃご紹介しようか。この小娘こそこの世界の最高神、アバターmikoだ!」
「アバターmiko・・・?」

どこからともなく軽快な音楽が聞こえて来て、辺りが暗くなる。そして未子にだけスポットライトが当てられたと思うと未子は閉ざしていた目を開き、その血のような赤い瞳で遊星を見つめ、巫女服の裾を持ち淑女のような振る舞いで言った。

「初めまして、不動遊星。」
「喋った!?君は一体・・・?」

この瞬間、暗闇は消え元の状態に戻る。厳かな雰囲気はそれまでで未子は見た目の年相応な口調になって言った。

「バクラから紹介されたでしょう?この僕こそがこの世界の最高神。ようこそ僕の世界へ。」

満面の笑みで未子は言った。この数百年ずっと孤独だった彼女は客の来訪がとても嬉しいようだ。

「最高神?君がこの世界を支配しているというのか?」
「うーん、支配って言うか管理しているんだよ。」
「管理?」
「そう、この世界に均衡をもたらすために僕はいるんだよ。」
「ならば何故バクラに従っているんだ!?」
「この世界はね、平和だったんだよ。長い長い間とっても平和だったんだ。だからね・・・つまんないんだよ!」

突然大声で未子が叫ぶと遊星が少し後ずさる。だが、すぐに態勢を立て直す。

「つまらないだと?」
「そう、平和で平和で何にも刺激が無いんだよ。こんなつまらない世界に刺激を与えるために君たちを召喚したんだよ。うん。君たちは僕の退屈しのぎにとっても役に立ってくれたよ。」
「と言うわけだ。俺様達はこの神様の壮絶な暇つぶしに巻き込まれたってわけだ。」

バクラが未子を親指で指さして言う。すると未子の方もにこっと笑う。この笑いだけ見るとただの可愛い女の子だ。だが、遊星の心は穏やかではなかった。

「暇つぶし・・・そんなことで大勢の人たちを苦しめてきたのか!?」
「そうだよ。だって退屈だったんだもん。」

特に悪びれることもなく未子が言う。そんな態度が遊星をより苛立たせる。

「くっ、それが最高神のやることか!?」
「仕方ないでしょう?」

今度はふてくされたように未子は言った。そんなやりとりを上空で見ている2人。

「未子ちゃん・・・遊星のお兄さん、誤解しちゃってるよ。」

愛姫がおろおろとして今にも下に降りそうな勢いだ。未子の事情を知っている2人は一方的に敵意を向けられる未子が不憫でならない。だが飛び出そうとする愛姫を雪鏡が制する。

「・・・待って、愛姫。」
「雪鏡ちゃん?」
「・・・未子には考えがある。この世界の統率者は未子。私達が口を出すことじゃない。」
「うぅ・・・だって停滞期のこと話せば遊星のお兄さんだって。」

停滞期、世界に刺激が無くなりやがては自然消滅してしまうという現象だ。これを防ぐために世界に大きな刺激を与えなければならない。その一環が今回バクラが起こした騒ぎだった。結果、多くの人が傷つくことになったがバクラの働きによって世界は停滞期から脱出することができた。すでに世界は救われたと言っても良い。後はバクラと遊星のデュエルがこの停滞期脱出を完璧なものにする。これですべてが終わる予定なのだ。

「・・・たとえそうだとしても私達にはその権限は無いわ。見守りましょう。私達の従姉妹(いとこ)みたいなものなんだから。」
「うん、そうだね。」

珠魔が創り出した直属の配下である未子、いわば珠魔の娘のような存在だ。血縁上、愛姫と雪鏡は珠魔の姪にあたり、その娘となれば従姉妹に相当するわけだ。

「さて、そろそろ話は良いな。未子!お前の力を見せてやろうぜ!」
「OK!真のアバターの力をあの堅物のお兄さんに見せてあげるよ!!」

そう言うと未子は宙を舞い、上空へと浮かび上がる。そんなことをすればスカートのようになっている袴の部分がひらひらとめくれ上がり下着が見え隠れしているが誰も気にしない。バクラは空に手を掲げ高らかに叫んだ。

「アバターmiko、効果発動!!アバターmikoの攻撃力はこのデュエル中にフィールドに存在した最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力に10%を足した数値となる!」
「何!?」
「このデュエルで最も攻撃力が高いモンスターは今のてめえのスターダスト・ドラゴンだな。つまり攻撃力3300の10%を足した数値、アバターmikoの攻撃力は3630だ!」
「行くよ!アバターチェンジ!!」

未子が手を上げるとキラキラと光る粒子が未子へと集まり、未子の体が変形していった。未子はその戦闘力を保ったまま自分が知るありとあらゆるものに変形する力がある。また未子の戦闘力は自分が記憶した戦闘力をコピーし、10%パワーアップした数値となる。この辺り創造者である珠魔の能力と酷似している。最も珠魔に比べると性能は格段に下がってはいるがそれでも遊星にとっては脅威以外の何物でもない。

大邪神アバターmiko 攻撃力 3300+330=3630 ☆12

「さて、未子。どんな姿になってくれるんだ?」

バクラ自身も未子のアバターチェンジはかなり気に入っている。何しろ未子は相手の記憶を読み取り一番精神的ダメージを与えることができるモンスターに変形することを好んでいる。それはサディスティックなバクラに取っても心地よい刺激だ。そうこうしていると未子の変形が終わり光が静まっていく。そこに現れたのはスターダスト・ドラゴンだった。だが、遊星のスターダスト・ドラゴンとは違い漆黒の鎧のような装甲を体中に纏った姿だった。バクラにはこれが何か分からなかったが遊星にはすぐにこれが何なのか分かり、目を見開いて驚いていた。

「あ、あれは・・・Sinスターダスト・ドラゴン!?」
「ハッハッハ!!流石だな、未子!!」
「うん、不動遊星の記憶を読みこんでみたらこのモンスターが一番のトラウマみたいだからね。」

遊星の驚愕ぶりに満足気にバクラは笑っていた。Sinスターダスト・ドラゴン、不動遊星がパラドックスと言う相手と戦った時、彼に奪われたスターダスト・ドラゴンが闇に堕ちた無残な姿だ。この時遊星は「俺のスターダスト・ドラゴンをよくもこんな姿に!」と憤慨している。

「さてアバターmiko!行くぜ!スターダスト・ドラゴンに攻撃だ!!」

「ふっふっふ、行っくよぉ!!Sinシューティング・ソニック!!」
「ぐわああああ!!!」

Sinスターダスト・ドラゴンの姿をした未子が放つ漆黒の衝撃波がスターダスト・ドラゴンを襲い、スターダスト・ドラゴンは呆気なく倒れてしまった。邪神アバターとの決定的な違いは未子は一度フィールドに存在したモンスターをコピーするのでコピー対象がいなくなったとしても攻撃力が変化しない。

大邪神アバターmiko 攻撃力 3630 攻撃
スターダスト・ドラゴン 攻撃力 3300 戦闘破壊 戦闘ダメージ 330
団結の力 破壊
遊星 LP 1600→1270

「さて、これでてめえのフィールドはがら空き。不動遊星、残念だが真の力を発揮した未子を倒す手段はねえ!諦めな!」
「うん!君は十分戦ったよ。たとえ君が負けたとしてもこのデュエルが終わったらちゃんと君だけは元の世界へ返してあげるから。さっさとサレンダーしなよ。うふふ。」
「くっ・・・俺は、まだ諦めない!」
「そっか・・・どうやら残酷な目に遭わないと分からないみたいだね!!バクラ、僕の力もっと使って良いよ!」
「ああ、ここで終わらせてやるぜ!アバターmiko効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、邪神ゲオフィルスの効果を得る!」
「何!?」

未子の周りに回っていた光球を未子が口に入れる。すると異次元の彼方から双頭のムカデが現れ、そのムカデすらも未子は体内へ取り込んでいった。おどろおどろしい魔力がフィールドを包み込み、未子のSinスターダスト・ドラゴンの姿が変化していく。何ともう一つ頭が生えてきて双頭の龍へと変化した。

「悪いな。これが未子の能力。フィールドに存在したモンスターの効果をコピーできる。」
「これはゲームだからオーバーレイユニットの数という限りはあるけど、これで僕は2回攻撃できるわけだね。」
「くっ!?」
「じゃあ、行くよ!!これでとどめだよ、不動遊星!!プレイヤーにダイレクトアタック!!Sinシューティング・ソニック!!」

新たに現れたSinスターダスト・ドラゴンの首が動き出し、大きく翼を羽ばたかせ漆黒の衝撃波を遊星に向かって放ったのだった。

・・・・・

今日はここまで。今年はこれで終わりです。
不動遊星、絶体絶命のピンチです。
未子、性格はこんなですが一応最高神なのでめちゃくちゃ強いです。
邪神アバターをさらに強くした未子を遊星に倒す手段があるのか・・・
来月はちょっと試験があるのでお休みします。
次回は2月に。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!
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