真珠湾

安倍首相が、オバマ大統領の広島訪問と引き換えに、
真珠湾へノコノコと出ていってしまった。


広島の原爆投下は、民間人を標的にした大量殺戮であって、
日本人への差別意識や、戦争後の他国への威圧などの意図もあり、
非人道的な残虐行為で、戦争犯罪。


真珠湾攻撃はアメリカの軍隊を標的にした戦闘行為で、
日本側は宣戦布告を行ったのだが、駐米の役人のミスで戦闘開始までに連絡が届かず、
結果的に宣戦布告をせずに行われた卑怯な作戦となった。


その全く性質の違うものなのに、
安倍首相は広島と取引してしまった。


wikipediaで改めて真珠湾攻撃について読んだ。
当時の日本・アメリカ両政府の資料から抜粋したのだと思うが、
とても細かく記載されているし、
途中、分からない単語を更に調べたりしていたら、
読むのに３０分以上かかってしまった。


真珠湾での安倍首相の演説を聞いて、ジャーナリストの笹幸恵という人は、
「 　広島訪問時のオバマ大統領の「空から死が舞い降りた」に匹敵する、
　　いやそれ以上に陳腐な――というか、
　　どこの国の純情な少女のセリフかと思うような、
　　感傷的な安倍首相の演説。」
「 　それだけ詩的な想像力があるのなら、
　　国内で生活に苦しむ人々に目を向けてくれ。」


本当にそう思う。
国内で生活に困窮している人たちを見て見ぬふりしておいて、
日本のために戦った先人たちが眠る靖国へは行かずに、
アメリカで何を言っているのだろう。


wikipediaを読んで思う。
当時は、軍国主義で情報統制されていて、
政府や軍部は無能で、多くの日本人は騙されていて・・・と、
現代の人は散々な言い方で批判するが、
アメリカの分析、真珠湾の分析、
強大なアメリカと戦うために真珠湾攻撃を決める過程、
天皇が宣戦布告をするよう指示した事実、
戦闘までの演習や戦闘前日、当日などの詳細な行動・・・など、
全て細かく記録が残っている。

あれを読むと、とてもまともな政府であり、有能な人たちの集まりに見える。


もし今の日本で同じようなことが起きた場合、
日本政府は同じように会議の記録や、行動の記録などを残すだろうか？
責任逃れを優先し、ほとんど記録を残さず、
残したものは特定秘密保護法で世に出ない。

今の方が、戦時中より悪質かつ無責任な政府で、
とても不安になる。