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2016年12月25日22:30

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土曜ギリギリ(本当は充実Xmas)日記228:ババアに地雷に息止めろ

今日は劇場3本。
まずは銀座で二本です。


1970年ロンドン・カムデン。劇作家のアラン・ベネットは、家の前の通りにバンを路駐し、その中で生活している老婆ミス・シェパードと知り合った。あるキッカケでそのバンを庭に引き入れてしまったことから、アランとシェパードさんの奇妙な「同居」生活が始まっていく。頑固で音楽嫌いで恩知らずのクソババアに手を焼きながら、なんとなく惰性で彼女の世話をしてしまうアラン。気がつけば、二人の関係は15年もの歳月を重ねていた…

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という風変わりな実話「ミス・シェパードをお手本に」。イギリスらしいコメディでまずまず面白いのですが、シェパードさん=マギー・スミスのキャラの濃さが凄すぎて、「こんなババアは絶対ヤダ!」な気持ちが高ぶるばかりでして、感動もヘッタクレもない感じ。アランにもシェパードさんにも、どちらにも感情移入できないのがイタイ。


で、お次は…

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1945年デンマーク。かつての占領地から引き揚げていく無力なドイツ兵に対し唾を吐き、殴りかかる男がいた。デンマーク軍軍曹のカールだ。ナチスへの憎悪を煮えたぎらせる彼の任務は、海岸での地雷処理監督。ナチスが連合軍上陸に備えて砂浜に散布した地雷を処理するのだが、実際処理に当たるのは捕虜になったドイツ兵だ。テメェらが撒いた地雷をテメェらで撤去するのは当然で、失敗して爆死しようが自業自得だとカールは考えるが、彼の隊に回されて来たのは、まだ15にも満たない少年兵だった…

「ヒトラーの忘れもの」。
んまぁこれね、爆弾処理映画にハズレなしと今更ながら思わせる、なかなかの作品。ドイツ憎しの鬼軍曹が純真なドイツの少年兵たちと共同生活する中で、次第に感情が揺らいでいくというドラマを軸に、地雷処理のサスペンスも織り込んでいくというエンタメのツボも心得た映画になっていましたね。ハートウォーミングな邦題とは裏腹で、中身は死と隣り合わせな過酷な現実。戦争の負のレガシーを描いた作品としてオリジナリティもあるので、観て損のない一本です。超オススメ!


最後は、話題のホラー「ドント・ブリーズ」。

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デトロイト。家宅侵入を繰り返して金品を盗み出す若者三人…ロッキー、アレックス、マネーたちの最後のヤマは、郊外のイラク復員兵の家。ボロ家だが、復員兵は娘を交通事故で亡くし、多額の賠償金を手に入れている。しかもこの復員兵、老齢で盲目なのだ。これならチョロいと三人は深夜、家にこっそり忍びこむのだが…

ホラーというよりホームインベーションスリラーですが、攻守逆転しているのが面白い。狭い家が迷宮に思えるほど、いろいろ場面ごと趣向が凝らしてあるのがいいですね。クルマのトランクやてんとう虫など、伏線の効かせ方も良い感じ。盲目男が、あの女の亡骸を抱いて「ベイビー…」と嗚咽する理由が、後で判った時の恐怖!オススメですな。
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