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2016年12月19日13:56

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【これ間違えると】メンタルのスポーツ 【死ぬヤツだ】

「船が沈んでも生き延びれるように」
という子供心にもしっくりこない理由で5歳からスイミングスクールに通わされた。




母親の思いとは逆に、本人は水中に沈んでるのが好きだった。



プールの水底で、自分の吐く息が上っていくのをみてるのが楽しい。
水面が反射でゆらゆらしてるのが楽しい。


ただ、それだけのためにスイミングスクール通ってたようなものなので。

並んで泳いで一番早いヤツが優勝。
そんなことはまったく考えたことは無かった。

水上で早く泳げるのは ついでだったのだ。


そのついでのせいで小学校の頃、市内の水泳大会に出場することになった。


水温が低く、足の付かない競技用プールに興奮して、本番前日の予行で自己ベストタイムをたたき出したものの。


翌日はその筋肉痛という。まあ私らしいといえば私らしい、4位敗退というどうでも良い結果に終わる。



試合に臨むメンタルの調整や、体調の管理など教わっていないし もともと備えていない。


スポーツからっきしダメの自分が コースに上がったときに、名前を叫んで応援されるという初めての経験にあわてたのもある。
体育系のノリがまったくわからなかったのだ。


練習の時もひたすら 一人で泳いでただけなのに。

やはり翌日になって

練習の時のタイム出せてたら優勝だったのに と、結果論でなじられる。


練習のタイムでは優勝してるんだからまぁいいじゃないか。
と自分は気にしていない。自分は勝った気で居たのだ。


「オマエが昨日と同じタイムを出していたら うちの学校が一番になれたかもしれないのに。」

なら君が泳いだら良い。

スポーツできる君たちを尊敬してやるかわりに、私には干渉しないで。

やはり勝負事は苦手だ。



---------

勝ち負けの無いスポーツは嫌いでは無い。
自転車やら水泳やら ゆるゆると自分の体に負荷をかけるのは楽しい。

ダイビング!そいつはいいね なんせ勝負が無い。

水底にとどまれる。

そう思って、即行動でこの夏、ダイビング免許を取ることにした。

装備を背負ってプールで実習。
マスクに浸水したさいの対処や、レギュレーターが口から外れてしまった時の回復法や、非常時海中でどうにもならないときの緊急浮上の手順までを教わった。


あとは4本 海で実習で免許となる。
早い人だと2週間くらいで免許は取れるのだが、リハやら会議やらで3ヶ月を開けて昨日海に行った。


つまり ほとんど全部を忘れたのだ。



レギュレーターが外れたときの対応。プールでは出来ていたのに。

この間と違う分厚いスーツでレギュレーターの感覚が無い。
見つけるのに手間取る。



水底4m。


一番近くにある空気は背中に背負ってるヤツしかない。

見かねたインストラクターからレギュレーターを差し出されるが、レギュレーター内の海水をパージするのを忘れてた。

忘れてたというより、覚えてたけどやり方がとっさに出てこなかったというのが正しい。



少し考えればなんてことはないんだけど。
呼吸を止めた脳みそは何も機能しない。



空気を得るために レギュレーター内の海水を全部飲み込むという暴挙に出る。
肺にも入る。

ああ、これ、個人競技のスポーツだけど手順間違えると死ぬやつだ。


天国はきっと落ちていった先にあるんだ。


今 手順思い出した。
レギュレーターのボタン押して空気を出して排水するんだった。


やっと空気にありついたけど、呼吸が元に戻せない。
そして勝手に浮上してしまう。
水中にとどまれない。


肺の中の空気量がトリムになるので浅い呼吸をしてると肺の体積が浮力になってどんどん浮上してしまうのだ。

ほうほうの体で一度  陸に上がって休憩となる。
一息入れたところでインストラクターの方曰く。

「ダイビングは勝ち負けのないスポーツですが、メンタルのスポーツです。常に深い呼吸が必要になります。熟練ダイバーでも、スーツがきついだとか、外的な要因でも浅い呼吸をしてしまうと交感神経が優位になって結果として焦りが出ます。」


「だからこそいつもと同じ機材を、入念にチェックして不安事項を取り除いてからスタートする必要があるのです。」


この日のドライスーツは 袖口から若干浸水していた。

マスクに違和感があった。

そして、何より自分自身が3ヶ月空きというブランクに不安があった。



ああ、これ人前で楽器やるときと一緒か
仕込みの不十分、苦手な客、不必要な気負いで、不安箇所から一気に浸水して崩れる。


失敗するときはいつもそうだ。


演奏に失敗しても恥をかくだけだが
ここでは手順を間違えたり パニックになったら死ぬ。


ああ、これ 間違えたら死ぬヤツだ。と痛感したものの。


もしやしたら、ライブ、仕事 メンタルの保持、強いて言えば、人生のスタンスにまで。

水底から持って帰れるものがあるかもしれない。

これは挑む価値がある。





なお、この日はこの後 持ち直して 12mまで潜水。
死にかけて習った全部手順を思い出しました。

人生で初めてですね 水深12m。

どういうわけか水底に線路が水没してたり 楽しゅうございました。
講習中につき、写真なんかは撮ってる余裕ないので ありません。

そのうち写真付きで日記が書けるようになったら

facebook にアップします。
だって超リア充っぽいでしょ?









 








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