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2016年12月15日00:28

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アホノミクス破たんの文書保管

朝日新聞デジタル

アベノミクスよ、どこへ 理論的支柱の「教祖」が変節

編集委員・原真人

2016年12月13日05時01分

エール大名誉教授

写真・図版
日本銀行の岩田規久男副総裁

 人為的にインフレを起こすリフレーション(reflation)はアベノミクスの主軸政策だ。その提唱者である浜田宏一米エール大名誉教授の変節が最近、リフレ論者たちを失望させ、政府幹部や経済学者たちをあきれさせている。

 リフレ派は、日本銀行が空前の規模のお金を市場に投入する政策で必ずデフレから脱却して景気が良くなる、と主張してきた。浜田氏はその指導者であり、安倍晋三首相がアベノミクスの理論的支柱として内閣官房参与に迎え入れた経済ブレーンだ。

 その当人が突然「QE(量的金融緩和)が効かなくなっている」(「激論マイナス金利政策」日本経済研究センター編)と言い始め、「学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない」(日本経済新聞11月15日付インタビュー)と白旗を掲げたのだから、関係者は驚いたに違いない。教祖が突然「信仰をやめる」と言い出したに等しい。

 現実を見ればリフレ論を掲げ続けるのには無理がある。日銀がいくら市場に資金を投入してもインフレの兆候は見えないからだ。足元の消費者物価は8カ月連続でややマイナス。リフレ派がいくら強弁しようと、政策の誤りは隠しようがない。

 日本銀行でリフレを推進してきた岩田規久男副総裁らも事実上の転向を余儀なくされた。9月の政策決定会合で、お金の量の拡大に必ずしもこだわらない新政策への変更に反対票を投じなかったのだ。

 当人たちは現状をどう総括しているのだろうか。

 浜田氏に取材を申し入れたが、残念ながら回答は得られなかった。

 「リフレ派は終わった」と断じるのは中原伸之氏だ。浜田氏とともにリフレ論を唱え、首相の経済ブレーンを務めてきた元日銀審議委員だ。

 「私はリフレ派というよりリアリスト。インフレ目標にこだわって手を広げるより、名目国内総生産を目標にじっくりやればいい」と語り、日銀に路線修正を求める。

 問題は「リフレ派なき日銀」に変わったとしても、金融政策がきれいさっぱり正常化するわけではないことだ。

 市場にたまったお金の量は平時の3倍の415兆円にもふくらんでしまった。今後の金融のリスクを考えれば、これは放置できない。

 しかもこれが年間80兆円ペースで増え続ける仕組みを、日銀はいまも明確には修正できていないのだ。

 経済危機をしのぐため先進各国は異常な金融緩和にのめり込んだ。その危機が終わり米国はすでに利上げに転じ、正常化に動き出した。欧州も量的緩和の縮小を決めた。

 ひとり日銀だけが出口論の議論さえ「時期尚早」(黒田東彦総裁)と封印し続ける。

 アベノミクスの呪縛にとらわれた日銀が生みだす金融政策の異常。それが、こんどはアベノミクスそのものを漂流させようとしている。(編集委員・原真人)
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