後悔先に立たず

ノンスタ井上、接触事故で活動自粛
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僕の母親の友人の旦那さんが、昔、ひき逃げをして捕まったことがあった。
交差点で、歩行者の方に接触して倒れたのを、そのままにして、その場から立ち去ったというのだ。

家に帰ってみて冷静になり、自身の仕出かした事の重大さが分かってきて、慌てて現場に戻ったところを、ひき逃げで捕まったというわけだ。
その旦那さんも、根は悪人という訳ではない。
むしろ、気の優しい家庭的なパパという感じの人だった。

ただ、接触事故を起こした時。
気が動転してしまったらしい。
相手の事どうこうというよりも、自分が起こした事故が怖くなってしまい、気が付いたらその場を立ち去ってしまっていたという。

逃げても自身の起こした事故が消えるわけでもないし、逃げ切れるわけでもない。
そんな事は冷静になれば、いくらでも分かることなのに。
その時は、気が動転していて、その冷静を失っていたせいか、そんな当たり前の事すらも判断できなくなる。
目の前に人が倒れていて、介抱しなければならない。
そんな当たり前の事すらも、気が動転すると見えなくなる。

僕は何も、この旦那さんを擁護している訳ではない。
でも、実際事故を起こすとそんな気持ちに駆られることもあるということ。
それは、誰の心の中にも潜んでいる心の闇だということ。
それを言いたいのだ。

勿論、許される行為ではない。
いくら、普段は優しい家庭的なパパでも、そんな事を仕出かしてしまえば、世の中の見る目は、まるで変わってしまう。
昨日まで善良な市民であっても、交通犯罪者になり、本人だけでなくその家族まで後ろ指を指されてしまう。
今まで、築き上げてきた家族の絆は崩れてしまい、築き上げてきた信用も失ってしまう。
仕事だって失ってしまう。

でも、気が動転していたとしても。
その時はほんの出来心であって、冷静に考えたら、とんでもないことを仕出かしてしまった事に気付いたとしても。
もう、してしまった事を取り消すことは出来ない。
それだけのとんでもない事をしてしまったという事実は消すことは出来ない。

大馬鹿野郎だ。
確かにそうかもしれない。

でも、いくら反省し、後悔したとしても、やってしまった後では遅いのだ。
一度失ってしまった信用は簡単に取り戻せないし、一度付いてしまった世間の見る目は、そう簡単には変わらない。
それだけの事をしてしまったのだ。

井上さんが冒頭の旦那さんと同じ心理状態であったか。
そこまでは、僕には知る由もない。

でも、井上さんだって、本来は決して悪人ではない筈。
どちらかと言えば、本来は小心者で嘘は吐けない性格なのでは。
そんな人は、却って自身の小心を隠そうとするし、優しい良い人に見えるものだ。
いや、実際はそうなんだろう。

その小心さが、今回の当て逃げに引き金にもなったのでは。
人の心にはウラとオモテがある。
普段はオモテに出ている性格が、ウラに回れば、とんでもないことを仕出かす引き金になることもある。

今頃、井上さんも自身の仕出かした事の重大さに、恐れ慄いているのでは。
不安に押し潰されそうになっているのでは。
後悔しているのでは。

あの時、逃げずにキチンと対応しておけば良かったのに、と。

でも、いくら後からそう思っても、仕出かした後ではもう遅いのだ。
いくら後悔しようが、反省しようが、誠意をみせようが、そう簡単に世間の見る目は変わらない。
失った信用はそう簡単に取り戻せない。

自身の身勝手で軽率な行為のせいで、これからどれだけ多くの方に迷惑を掛け、損失を与えることになるのか。

後悔先に立たずとは、まさにこの事。

僕もどちらかといえば、気の小さい方だ。
そして自動車を運転する身。
この事を教訓にしよう。