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2016年12月11日14:07

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(思い出日記)嘘

うちのお父ちゃんの命日は4月19日です・・

お父ちゃんが遠い所に旅立った年の9月くらいから
お母ちゃんは
「どうしても四国に行きたい」
と言うようになりました・・

仕方がないので、僕が時間を作って
お母ちゃんを四国(つまりお遍路さん)に連れて行ってあげました・・

まずはお数珠から手配しないといけなかったので
坊主やってる友人M君に相談して
M君と一緒にお数珠を買いに行ったのですが
M君曰く
「自分たちはお数珠はぶっちゃけ消耗品だと思ってるけど
おまえのお母さんは迷信深い人やから
もし道中とかでお数珠が切れたりしたら
もうそこから前には歩かれへんようになってまう
これにしとけ」
と言って、頑丈なお数珠を選んでくれました

・・

で、出発の日
(当時僕はエルグランドに乗っていました)
きちんと屋根もシャッターもあるガレージに停めているのに
なぜか後ろのナンバープレートに
大きな女郎グモが巣を作っていました

お母ちゃん曰く
「そのままにしておきなさい」
でした・・

・・で四国の旅が始まりました

四国のお遍路さんは
徳島→高知→愛媛→香川
という順番で巡礼します

徳島だけでも数百キロ走らないといけない旅だったのですが
徳島を超えても 高知を超えても
そのクモはずっと巣を張っていて、車から離れませんでした

・・

とにかく毎日兄弟の誰か1人か2人に電話して
お母ちゃんの無事を全員にわかってもらわないといけない
と思っていた僕は、毎日携帯で兄弟に電話したのですが
3日目くらいからお母ちゃんは、電話で
「お父さんがついてきてくれているのよ・・
お母さんと寅を守るためについてきてくれているのよ・・」
と毎日号泣するようになりました・・

・・

要はそのクモのことですね・・

・・

そのクモは、愛媛県に入って、宇和島ではもういなくなっていたのですが
お母ちゃんには「クモきちんとついてきてるよ(〃^ー^〃)」
と言っておきました・・

そして旅は進み、愛媛の松山に到着しました
松山では、道後温泉本館のすぐ近所のビジネスホテルを予約してありました

エルグランドはそのホテルの立体駐車場には入らないので
そのホテルの人の案内で
そのホテルから坂を上ったところにある
舗装もされていない 車の後ろはもう草むら な駐車場に車を停めました

予定外のことだったんですが、
お母ちゃんはもう疲れ切っていたので
その宿で数日休養することにしました

(予備知識:
うちのお父ちゃんは、1代で財を成した立志伝の人ですが
お金でものすごく苦労した人で
晩年Lewy小体型認知症を患ってしまってからは
いつも10万円入った財布を持っていました・・

お父ちゃんにとって、その10万円が最後の心の拠り所だったのでしょう・・

また女遊びと風俗遊びも大好きでした・・

お父ちゃんの棺桶には、その10万円が入っている財布も一緒に入れてあげました・・)

・・

行かれたことがある人なら分かると思いますが
道後温泉本館の周りは風俗街です
ソープランドが軒を連ねていて
商店街から50メートル離れたコンビニの隣に
壁前面にデリヘルの看板が10個くらい並んでいる所です

・・

そこでの滞在が数日続くと、お母ちゃんも
「ここは風俗街なんだ」
ということはわかっていました・・

松山を出る日
僕はお母ちゃんにこう言いました
「あのクモ、車から離れて、草むらに大きな巣を張っているよ(〃^ー^〃)
お父ちゃんのことやし、減れへん10万円もあるこっちゃから
きっとここらへんが気に入って
今頃はおねーちゃんの尻追っかけまわしてんねんやろw」

・・はい、嘘です、大嘘です・・

でもお母ちゃんはものすごくほっとしたようで
それまで張りつめていた心もものすごくリラックスしたようで
お寺でもお経を

心を込めて雑に読むw

状態になって
σ(^^)意外の兄弟みんなへの土産・・と言うか「いやげもの」を
ユーモアたっぷりに考えるようになって
四国84番屋島寺は 夫婦狸のお寺で、売店にタヌキの置物がいっぱいあったのですが
そこで5個同じ小さなタヌキの置物を買って
兄貴2人用に大きな箱を用意してもらって
そこに新聞紙いっぱい詰め込んで、その中にたぬさんを入れるという極悪非道まで
お腹を抱えて笑いながらするようになって
挙句の果てには
四国から帰った時に、家に帰るより先にお墓参りに行ったのですが
そこで
「お父さん(〃^ー^〃)
道後温泉で遊んでばっかりいないで
たまには帰ってくるんですよ(〃^ー^〃)」
と言うようになって・・

大嘘ですが
あの嘘は神様仏様も赦してくれると思っています
そうじゃなかったら僕はとっくに
雷に打たれるか隕石に当たるかとかで死んでいるはずです・・

生きている・・生きていた人の気持ちのほうが大事です・・

あの世というものがあるんだったら
σ(^^)があの世とやらに行ったら
きっとお父ちゃんから10万年くらいグチグチと言われると思いますが
(・ε・)キニシナイ!!「


後日談:

お母ちゃんから四国の話を聞いた姉貴連合軍曰く
「お母ちゃんバイト(四国のお遍路さんの先達)したらええやん♪」
とのことだったので、σ(^^)も
「ええぞもっとやれw」
って感じでお母ちゃんに言いました

「もしお母ちゃんが、ビルでトイレ掃除のバイトせなあかんとかやったら
兄弟6人の総力で止める
俺1人でもどないにでもしたる
でも、お母ちゃんがそれだけ気に入った四国に行って
お母ちゃんが好きなお寺参りをして
大きな声でお経を読んだら健康にもええ
それで給料もらえんねんやったら、やったらええやん♪」

・・

お母ちゃん曰く
「だってそんなに頻繁に四国に行ったら
お父さん意固地になって帰ってこないやん(〃^ー^〃)」
でした♪

その割にはよく
「そろそろ四国に行ってお父さんの首根っこつかまえて連れて帰ってこないと
お父さんずっと道後温泉で遊び歩く♪」
と言ってましたw




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