12月に入って突然届いた故郷の友からの小包。富有柿。「ウワー、嬉しい!」と思わず声を上げた。幼いころから馴れ親しんだ味。
☆柿食えば金がなくなり本能寺…正ヶ岡 新規(まさかおか しんき)
東京ではあまり見掛けない。たまに見掛けると岐阜の富有柿は高価で、ビンボーな私は、これ以上金がなくなっては困ると、ついつい後ずさりしてしまう。
柿を作っていた別の友人もいて、何度か送ってもらったこともあるが、彼の両親が他界して、数年前に柿農家を止めてしまい、最近は遠ざかっている味だ。季節になると、連日夜明け前から夜の11時近くまでの収穫作業が続き、大変だと言っていた。一部を残してバッサリ伐採したと聞く。
柿の木の何本もある家で育ったせいで、柿が実る季節には毎日おやつ代わりに食べていた。買うなどとは思いも寄らない。柿の木に登ればいつでも食べられた。
ウオーキングをしていると、農家の庭に鈴なりになった柿の木をよく見掛ける。「食べないのなら頂戴」と言いたい気持になる。
少子化で子供の数が減り、柿の木に登ることもなくなったのだろうか。
もっとも最近の親は「危ない」からと、子供の木登りを止めることも少なくない。タマに公園で木登りをする子供を暖かく見守っている母親などを見ると、ふと心休まる。
☆ふるさとの香りをのせた富有柿 友から届きて 味懐かしむ…みよちゃん
小包を開けるなり、思わず齧りついた。
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