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2016年12月04日21:52

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(日記再掲載) 春香伝

寅@以前この日記をうpしていたはずなのですが
なぜか消えてしまっているので
σ(^^)の記憶力テストと思って
当時の文章を再現できるだけしてみます


・・・・・


うちのお母ちゃんの話なのですが
「冬のソナタ」でペ・ヨンジュンにハマってしまって
ペの出演したドラマ全部集めて
毎日毎日ペのDVDを見ていました

おかげでσ(^^)が毎日おうちに帰ると
いつもいつもペのDVDが流れていて
普通に家の中全部韓国語でした
σ(^^)はいつも「やめてくれー。・゚・(ノД`)・゚・。」と思っていましたorz

ついにお母ちゃんは
「ヨン様の言葉を原語で理解したい♪」
と思い立ちまして、韓国語の辞書と韓国語の本を何冊も何冊もσ(^^)に買ってこさせて
いつも韓国語講座を見るようになって
大阪の韓国領事館でやってる韓国語講座にも通い詰めるようになりました

・・当然そこには、とばっちり・・と言うか、被害者・・と言うかが
約1人いたわけですが
その被害者のことについては、σ(^^)は涙なくして語れません。・゚・(ノД`)・゚・。

・・おかげでうちのお母ちゃんは
2年ほどで韓国語がネイティブ韓国人と同レベルまで使えるようになって
日本語の文章を読みながら韓国語に同時通訳できたり
逆に韓国語の文章を読みながら日本語に同時通訳できるレベルになっちゃいました

おかげでうちの家では
「語学というものは、70歳のおばあちゃんでも
2年でネイティブ並みになれるもの」
という共通認識になってしまいまして(ーー;)

でも自分のお母ちゃんがそこまで気に入ってしまった韓国なので
僕も僕なりに韓国映画のDVDを3本ほど買いました
「シュリ」
「シルミド」
「春香伝」
です

このうち「春香伝」なのですが
日本人が「忠臣蔵」を愛してるのと同様に
韓国朝鮮人に愛されている物語らしいです

ネタバレしちゃいますが
(予備知識:
当時の李氏朝鮮の法律では、娼婦の娘は必ず娼婦にならないといけませんでした)

ある地方を治めるために国王が遣わした貴族の息子が
娼婦の娘 春香と恋に落ちます

その貴族さんの任期が終わって、息子も都に戻ることになりますが
息子は春香に
「必ず迎えに来る」
と約束します

息子は一生懸命勉強して
科挙(中国文化圏で行われていた官吏登用試験)をトップの成績で合格します

一方その頃春香は
後任に来た貴族に
「自分の妾になれ」
と再三言われますが、春香は
「自分には将来を誓った人がいる」
と言って、国の法律に背いてでも貞節を貫こうとします

その理由で春香は拷問を受けて投獄されます

一方その頃貴族の息子の青年は
「暗行勅使」
という密命を国王からもらいます

この役職は、日本人の感覚で一番イメージしやすいのは水戸黄門です

地方を治めている貴族の腐敗を見つけて、自分の権限で処罰する力があります

敢えてみすぼらしい身なりで地方を回り
その地方の庶民と話し
その地方の貴族の腐敗を見つけます

その青年が
春香が処刑される直前にその地方に着いて、春香の境遇を知ります
処刑前夜、敢えてみすぼらしい身なりで春香の母親の元を訪ね
春香の元を訪ねます

春香が処刑される日、その腐った貴族連中が
春香の処刑を肴に飲み会をしようと集まってる中に
青年は敢えてみすぼらしい身なりで現れます

そこでの腐ってる連中と青年のやりとりは
ぜひDVDを買うか借りるかして見てください
韓国朝鮮の文化を知る最高レベルの教材です

そうして青年が腐ってる連中全員を処分して
春香はその青年の前に引きずり出されます

春香は、自分が将来を誓った人は前夜にみすぼらしい身なりで現れていることから
青年に対して
「この屋敷の前に、私が将来を誓った人が、非常にみすぼらしい身なりで立っているはずです
私を処刑したら、私の亡骸をその青年に渡してください」
と、死刑囚としての最期の頼みをします

そこから感動の展開があって
青年は国王に正式に春香と結婚する裁可をもらい、春香と結婚します

この「感動の展開」ですが
韓国朝鮮の人が最も好む展開は
死刑囚としての最期の頼みをした春香に、青年が
「なに寝言言ってんのん(〃^ー^〃)
俺の顔を見て(〃^ー^〃)
約束通り迎えに来てんで(〃^ー^〃)
助けに来てんで(〃^ー^〃)
間に合って本当によかった(〃^ー^〃)」
というものらしいです・・

非常に美しいラブストーリーです

ここで留意してほしいのは
日本人は「忠臣蔵」を愛し、韓国朝鮮人は「春香伝」を愛するということです

ご存知のように忠臣蔵は
権力の理不尽に対して、武士たちが主君の無念を果たそうとして
時には人を欺き、時には人間としての自分を愛してくれる人の心さえも利用し
その自分の姿に、武士である前に人間として苦しみ葛藤し
それでも最後は武士であることに殉じて主君の無念を見事に晴らし
切腹という、武士として死ぬことを認められた死に方で

あら楽し 思ひは晴るる 身は捨る 浮世の外に かかる雲なし

と辞世の句を残して死んでいった男達の物語です

それに対して韓国朝鮮人が愛する春香伝は
国法に背いてでさえ
人間としての尊厳 女性としての尊厳 貞節 愛 に殉じることを選び
処刑されることさえ厭わなかった女性が報われる
という物語です

これらは、上下関係をつけたり優劣を競うものではありません

「背負ってきた文化の違い」
です

・・・・・


日韓併合の後、当時の大日本帝国が朝鮮半島を統治しました

当時の欧米列強と違い
大日本帝国は、今の基準で考えてもありえないレベルの誠実さで朝鮮半島を統治しました

どこの欧米列強が植民地に国立大学を作ったでしょうか?

大日本帝国が朝鮮半島を統治していた36年間で
朝鮮半島の識字率がどれだけ向上し
朝鮮半島の衛生水準がどれだけ向上し
当時の大日本帝国が、
限られたリソースのうちどれだけを朝鮮半島のために使っていたかを調べるだけで
そんなことは誰にでもわかります

僕は、当時の大日本帝国が誠実に朝鮮半島を統治しようとしていた ということに関しては
世界の誰にどう言われようとも、自説を曲げるつもりはありません

ただ、日本人はいい意味でも悪い意味でも日本人でした

当時の日本人は、日本と朝鮮半島の文化的な違いとかを考慮しないで
なんでもかんでも日本のやり方をそのまま朝鮮半島に持ち込んでしまいました

当時の日本の文化的背景は
時代劇を見てもわかるように
たとえ武士という特権階級の娘であっても
家が没落したら、お金のために娼婦にならないといけない というものでした

本質的な原因は、当時の日本社会全体の絶対的貧困です
当時の日本人も、こんな方法が最適解だなんて思っていませんでした
女の子がかわいそうなことは百も承知
でも、結局それが当時の日本社会が最も丸く収まる方法だったんです
それは、当時の日本社会が長い年月の試行錯誤を経てたどり着いた結論だったんです

僕は、当時の日本社会はこれしか方法がなかったんだ ということに関しては
世界の誰にどう言われようとも、自説を曲げるつもりはありません

でも、その文化はあまり輸出向けの文化ではありませんでした
特に「春香伝」に代表される
人間としての尊厳 女性としての尊厳 貞節 愛 に高い価値を認める
当時の朝鮮半島の文化とは、何をどうやっても相いれないものだったのです

僕は
日本語で笑い 日本語で泣き 日本語で夢を見るので
李氏朝鮮の、娼婦の娘は必ず娼婦にならないといけないという法律や文化的背景に対して
「おまえら外道や!!」
と思いますが、逆に
韓国語で笑い 韓国語で泣き 韓国語で夢を見る
朝鮮半島の文化的背景を背負っている韓国朝鮮人の目から見たら、日本のやり方は
「おまえら外道や!!」
になってしまうんです・・



追記:
この「春香伝」には
以下のような漢詩が出てきます

金樽の美酒は千人の民の血にして 
膳の上の肴は一万の民の膏なり 
ロウソクの涙が落ちれば民の涙が落ちる 
歌声高き所 民の恨みの声も高し

どんな種類であっても
「権力」
を持つ人は、
全員この漢詩を座右の銘にして
常に自分を戒めておいてほしいです・・
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