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2016年11月27日22:33

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ヤンソンス×バイエルン放送響 

2016/11/26土 18:00- ミューザ川崎コンサート―ホール

ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
R.シュトラウス:アルプス交響曲

2016/11/27日 14:00- サントリーホール

マーラー:交響曲第9番 ニ長調

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バイエルン放送響×マリス・ヤンソンスの来日公演。東京近辺は3プログラムあるのですが、うち土日の公演に行ってきました。クラシックは永遠の初心者ではありますが、ヤンソンス様は一番大好きな指揮者です。いやー、素晴らしかった・・・!

ミューザの公演、最初はハイドンの軍隊。とても澄んだ音でリズムも気持ちよく、バイエルン放送響のオケの技術の高さに感動しました。でも、この組み合わせなので、堅苦しいところは少しもなく、聴衆を楽しませようという気持ちがいっぱい。曲の最後は、1階客席にパーカッションが出てきて行進するというオマケつき。祖の中にベルのついた不思議な楽器があったのですが、これはシェレンバウムというトルコ軍隊のシンボル的なものなのだそう。

そしてアルペンシンフォニー。これ、全く初めて聴いたのですが、楽しかったです!アルプスの山に登って降りるという情景を描写した交響曲。ミューザの4階という貧民席に座っていたのですが、そこから見下ろす景色がアルプスの山々に見えてきて、しかも山を渡る澄んだ風を感じるような演奏。R.シュトラウスの曲は気まぐれに曲調が変わって、ともすればバラバラな印象になりがちのようにも思うのですが、ヤンソンスとバイエル放送響の演奏ではそれが一つの方向にまとまり、でも自由な感じで堅苦しくない。ヤンソンスの音楽は、本当に優しくて温かくて、そういうところが大好き!どこまでも澄んだ音楽に、気持ちまで浄化されたような気分でした。

さて、日が変わって日曜日、サントリホールのマーラー9番。これが、名演でした。

第1楽章、入りは少しオケもバラっとしているかなという感じがあったのですが、途中からぐっと集中力が高まったのが聴衆にも伝わりました。第2、第3楽章は、さすがヤンソンスという疾走感。

そして第4楽章!

始めの方の美しくそして温かく豊かな音に、天上からの慈愛のようなものを感じて涙腺崩壊。その後は最後まで涙止まらず、演奏の邪魔をしないように嗚咽をおさえるのに必死でした。マーラー9番って美しいのは当然なんですが、もっと個人的な苦しみや重さを感じるのが常で、この日の演奏のように解脱して人の世とは違う高みから、生きとし生けるものすべてに対する限りない愛情を感じるような演奏はこれまで聴いたことがありませんでした。これって、ヤンソンスの人柄から滲み出てくるものなのではないかしら・・・。

第4楽章の最後、信じられないくらいのピアニッシモで丁寧に丁寧に音を置いて、終演。オケとマエストロの凄まじい集中力に聴衆も引き込まれたようで、マエストロが手を下ろした後、身動きを始めるまでホール中が静寂に包まれていました。そのあと、一呼吸おいて、割れんばかりの拍手とブラヴォーの嵐。

今年一番、魂を揺すぶられたコンサートでした。

ヤンソンス様、そしてBRSOの皆様、心に残る演奏をありがとう。また、この組み合わせで、日本で、演奏を聴かせてくださいね。

2014年11月にヤンソンス×バイエルン放送響が来日したときの感想はこちら。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935410403&owner_id=2438654

2012年にヤンソンス×バイエルン放送響が来日したときの感想はこちら。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1882970499&owner_id=2438654

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