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2016年11月26日00:53

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結晶時間

今日はサイボーグ009に付いての日記を書いてみます。
正直誰も読んでくれる人がいないかもしれない微妙な日記ではありますが。。。

amassのニュースで知ったのですが、石ノ森章太郎原作のサイボーグ009の劇場版最新作
CYBORG009 CALL OF JUSTICEが公開されることを記念して2001年に3度目のアニメ化した
際の51話分と以前映画化された009 RE:CYBORGが今現在無料で観れるようになっています。

第1話〜第25話が11月16日(水)から、第26話〜第51話が11月23日(水)から、それぞれ1週間
限定で配信されているので、もう今は後半の26話からしか観れません。


石ノ森作品に度々見られる悪の組織に依って改造された改造人間が組織を脱出して
その悪の組織を滅ぼす為に、改造され兵器となった己の肉体に苦悩しながらも望まずして
得てしまった超人的な能力を用いて対抗するという仮面ライダーや人造人間キカイダーなどと
同系列の物語です。

僕はこのサイボーグ009が大好きなんですが、この作品は子供が観る単純な悪の組織と対抗
する正義のヒーローという設定だけではなく、人としては生きられず兵器としてしか生きられ
なくなったことに絶望しながらも戦いを選択するサイボーグ戦士達の姿が執拗に描かれ
とても子供に向けてだけ発信された作品とは思えないバットマン的なダークヒーロー物として
シリアスさが評価され世界的な人気作品となっているんだとは思います。

最初期は9人のサイボーグを改造した組織を壊滅させる為に戦ったヒーロー物としての子供
向けな漫画的な要素の強い物語として描かれていましたが、サイボーグ009は40年以上も
何度も短編や映画化など続編が描かれその度に苦悩の度合いが増していき大人の鑑賞に
十分耐えられる物語が増えました。

その幾つかある短編には悪の組織と戦う話しではなく、サイボーグ戦士の個々の日常の
物語が語られる回があるんです。
来週の29日までは無料で観れる第33話の結晶時間という物語のことを今日は書いて
みます。

http://gyao.yahoo.co.jp/p/10660/v00046/ ←ここで無料で観れます。


原作もあるお話なんですが、アニメでは少々話を膨らませてはいます。
サイボーグ009。島村ジョーには奥歯を噛むと高速で移動出来たりする加速装置と言う
能力を改造手術に依って得るのですが、その改造された加速装置を使うと使用している間は
ジョー本人とその他の人とは時間軸が変わりジョー本人から見える世界では加速された世界に
いる為、自分の前に広がる世界はゆっくりとしか動かないという設定になっているんですね。

その為加速装置の使用中は当然他人と会話も出来ないのです。この装置を創った共に
悪の組織から命からがら逃げ出したギルモア博士が加速装置のメンテナンスをするという
ヒーローモノの漫画にも関わらず戦闘シーンが一切ない物語があるんです。

加速装置のメンテナンス中ジョーが外界から遮断された世界の住人になるという流れ
なんですけど、まあ漫画なんで荒唐無稽なお話ではあるんですけど、ジョーから見た世界
には自分の前に肉眼ではほぼ動かないギルモア博士がいながらも時間軸の相違から
まったく会話が出来ないんですね。

ジョー本人は現実の世界から取り残され自分一人だけしか存在しない世界に身を置くことに
依って精神のバランスを崩し始め、ジョーの中の時間では1ヵ月を過ぎても誰とも接点のない
孤独な世界の住人になり精神の崩壊を来す寸前まで追い込まれる訳です。

ネタバレになるので結末は置いておきますが、要は人間は一人では生きていけない
小さくて弱い存在なんだというのを漫画という表現手段に置いて子供でも分かり易いような
表現に置き換えて描いている壮絶な物語なんですね。

僕はこれをまだ学生の頃の感性も柔軟な若い頃に読んでかなりの衝撃を受けました。
石ノ森先生は正真正銘の天才だと思った記憶があります。漫画界には手塚治虫という巨大
な天才がいますが、手塚作品にも火の鳥など命の大切さなどメッセージ性の強い作品は
多々存在しますが、この結晶時間の短編の短い週刊誌の漫画1回分のお話で描き切った
力量に感服したのは鮮明に覚えています。

原作にアレンジを施した創りにはなっていますが、アニメなんか興味がない人でもこの
結晶時間という回は何か感じ取れるモノがあるかとは思います。


漫画の形を借りた文学というのが表現として一番近い形のように思います。
今の漫画はこういう文学作品的な漫画は数が減っているので、今時の若い子には内容が
重くて暗くてつまんねーとなってしまうかもわかりません?

この回だけでも観てほしいなあと思って日記にしてみました。誰か一人ぐらいでも観てくれる
方がいると嬉しいなあと独り言をつぶやきながら終わりにしたいと思います。
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