mixiユーザー(id:3472200)

2016年11月23日23:10

238 view

>この“不可解な”リストを見ることでトランプ次期大統領の一面を知ることができるかもしれない>というのだが、   【了】

【前の日記より】

4.最初の外国人政治家、英独立党党首ファラージも面会

15日にトランプ次期大統領と会ったのは、共和党大統領予備選挙で最後までトランプ次期大統領と争い、最終的にトランプ支持に回ったテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員である。トランプ次期大統領に会った共和党主流派の最初の有力議員である。会談の詳細は明らかにされていないが、クルーズ議員の報道担当官は「クルーズ議員はトランプ次期大統領に協力すること、オバマケアを廃棄すること、保守的な最高裁判事を任命することを伝えた」と語っている。簡単に言えば、トランプ政権の閣僚として入閣したいという猟官が目的であろう。

順序は逆転するが11日にトランプ次期大統領と会ったのはナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)である。彼はイギリス独立党党首でイギリスのEU脱会と主権回復を主張した右翼の政治家である。トランプ次期大統領はイギリスのEU離脱を高く評価していた。イギリスの新聞『ガーディアン』紙は、両氏は「自由と勝利(freedom and winning)」について話し合ったと報道している。彼はトランプ次期大統領が会った最初の外国の政治家である。ファラージは、今回の訪問は招待されたのか、またアメリカの政権移行に協力するのかと記者に問われて、「私たちは単なる旅行者だ」と記者を煙に巻いている。さらに「トランプ次期大統領は偉大な両国が何を一緒にやってきたのか十分に理解している。イギリスを嫌う大統領の時代は終わる」と、両国の関係改善を期待する発言も行っている。だが『ガーディアン』紙は、「米英の特別な関係はアメリカの新政権のもとで維持するのはより困難になる可能性があるとの報道があり、イギリスの金融界は先行きを懸念している」と伝えている。ファラージはツイートにトランプ次期大統領と一緒に映った写真を掲載し、「トランプ氏と会えたことは非常に光栄である。彼はリラックスしており、非常に良い多くのアイデアを持っている。私は彼が良い大統領になると確信している」と書いている。

また16日に実業家で億万長者のフットボール・チームのニューイングランド・パイレーツのオーナーであるロバート・クラフト(Robert Kraft)にも会っている。記者はトランプ・タワーに入っていく同氏を目撃しているが、それ以上の情報は報道されていない。トランプ次期大統領とクラフトは非常に親しい関係にある。クラフトはトランプ次期大統領の3度目の結婚式に参列した仲である。多くのメディアは、同氏のトランプ次期大統領との面談の目的は不明だと書いている。

同じ実業家のウッディ・ジョンソン(Woody Johnson)も会っている。同氏はジョンソン&ジョンソンの創設の曾孫でもある。クラフトと同様にフットボール・チームのニューヨーク・ジェットの所有者でもある。トランプ次期大統領とは30年来の知り合いである。ミネソタ州の共和党の最大の政治献金者で、今回の大統領選挙でもトランプ候補の政治献金集めで活躍し、10億ドルの資金を集めている。まだトランプ候補の勝利が見えない5月段階で、同氏は「トランプ候補は党の大統領候補の指名を受けるだろう」と予想していた。「自分は長年スポーツ産業に携わってきた。スポーツ産業では常に勝ってきた。私はフアンを楽しませたい」と語っている。同氏はトランプ次期大統領の最大のスポンサーのひとりであり、自由に次期大統領に会える立場にいると想像される。

5.閣僚候補も相次いで面接で訪問か

次の人物はピーター・ティール(Peter Thiel)である。彼はトランプ政権移行チーム執行委員会メンバー(Presidential Transition Team Executive Committee)である。一時はクリス・クリスチー委員長に代わって委員長に就任するとの噂もあった。結局、委員長はペンス次期副大統領が務めることになった。ドイツ生まれのアメリカ人で、ヘッジファンドを運用する億万長者のマネジャーである。2014年の富裕層の「フォーブス金持ちランキング」で、純資産は22億ドルで、第4位にランクされている。フェイスブックの取締役も務めている。トランプ候補に反対するシリコンバレーの企業家と対立してトランプ候補を支持し、共和党全国大会の演説でトランプ支持を訴えた実績がある。政治的立場は極右に近い。

インド系アメリカ人女性のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)サウスカロライナ州知事は17日にトランプ次期大統領に会っている。彼女はトランプ政権の閣僚候補に名前が挙がっている。今回の会談は、そのための面接かもしれない。ただ、現在の時点では、特に彼女の閣僚指名の発表はない。同州の広報官は「ヘイリー知事はトランプ次期大統領に会ったことを喜んでいる。二人は良い会話を交わした。彼女は次期政権と、同政権がワシントンにもたらす新しい方向に非常に勇気づけられた」という内容の声明を発表している。
同様に次期財務長官の呼び声の高いスティーブン・ムンチン(Steven Mnuchin)も14日にトランプ次期大統領に会っている。ゴールドマン・サックスのパートナを務めたことのある投資銀行家である。ゴールドマン・サックスを辞めた後、シアーズやソロス・ファンド・マネジメントで働き、映画「Xメン」などを制作した映画会社RatPac-Dune Entertainment社を設立している。ウォール街の金融マンがトランプ候補に背を向けた時も、彼はトランプ候補を支持し続けた。忠誠心を重んじるトランプ次期大統領が、彼を閣僚として登用する可能性は大きい。過去にゴールドマン・サックスから閣僚になった人物は多い。ゴールドマン・サックスの社是に「社会的貢献」があり、元ゴールドマン・サックスのスタッフは政治を含む様々な社会的分野に進出している。


6.異色の訪問者たち

異色なのはファッション・デザイナーのトミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)である。彼は15日にトランプ次期大統領と会っている。同氏が経営するファッション・ショップは日本でも渋谷や自由が丘などにもある。アメリカのメディアは、同氏がトランプ次期大統領に会ったことは確認しているが、その理由は不明としている。また
2番目の妻マーラ・マップルス(Marla Maples)も会いに来ている。最初の妻の話はどこにもない。また右派の論客レオナード・レオ(Leonard Leo)も16日に会っている。彼は弁護士で『フェデラリスト・ソサエティ』の副会長を務めている。同会は保守派やリバタリアンの弁護士の団体で、憲法解釈は建国の父たちの意志に沿って行うべきだとするオリジナリストの立場から法制度改革を求めている。要するに右派に人物である。

『ニューヨーク・タイムズ』紙(11月17日)によれば、今後、トランプ次期大統領が会談を予定しているのは、イラク戦争増派を計画したジャック・キーン退役将軍(Jack Keane)、国家安全保障局のマイケル・ロジャース(Michael Rogers)局長、オハイオ州の前州務長官のケン・ブラックウエル(Ken Blackwell)などである。HIVEは、ボクサーのマイク・タイソン((Mike Tyson)もトランプ次期大統領を訪問すると予想している。どうもトランプ次期大統領はボクサーがお気に入りのようである。

政権移行チームのメンバーは頻繁にトランプ・タワーを出入りしている。タワー以外でもトランプ次期大統領は人と会っている。この“不可解な”リストを見ることでトランプ次期大統領の一面を知ることができるかもしれない。

(文中敬称略)




中岡望
東洋英和女学院大学教授 ジャーナリスト


東洋英和女学院大学教授。マクロ経済学、国際経済学、アメリカ政治思想史などを担当。東洋経済新報社編集者を経て、フリー・ジャーナリスト。アメリカの政治、経済、文化問題、国際金融問題について執筆。フルブライト・ジャーナリスト。ハーバード大学ケネディ政治大学院客員研究員、ハワイの東西センター・ジェファーソン・フェロー、ワシントン大学(セントルイス)客員教授。著書に『アメリカ保守革命』(中央公論新社)など。

・nozomu.nakaoka
official site中岡望の目からウロコのアメリカ



中岡望の最近の記事



トランプの研究(1):「アメリカの有権者との契約」、読めばトランプ次期大統領の政策のすべてが分かる 11月14日 2時23分



米大統領選挙徹底分析(14):なぜトランプは当選したのか―出口調査分析と“ポピュリズム革命”の行方 11月10日 2時46分



米大統領選挙徹底分析(13):投票前に知っておきたいトランプの政策―それは繁栄への道か、破滅への道か 11月7日 11時37分



米大統領選挙徹底分析(12):選挙前に知っておきたいクリントン候補の政策--彼女の目指す世界はどこか 11月5日 17時54分

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上t転載ーー
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaokanozomu/20161120-00064656/



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年11月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930