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2016年11月23日22:40

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【当選後、トランプ・タワーでトランプ次期大統領と会談した人の”不可解なリスト”】>ヘンリー・キッシンジャー。筆者から言えば、極めて意外な人物がトランプ次期大統領と会っているといえるといえる>

トランプの研究(番外):当選後、トランプ・タワーでトランプ次期大統領と会談した人の”不可解なリスト”


中岡望 | 東洋英和女学院大学教授 ジャーナリスト


2016年11月20日 23時49分配信



トランプ次期大統領に不法移民政策で苦言を呈したビル・デブラシオ・ニューヨーク市長(写真:ロイター/アフロ)


内容

1.アメリカ社会はコネ社会

2.意外な人物がトランプ次期大統領に会っている

3. 安倍首相とトランプ次期大統領会談の意味は何か

4.最初の外国人政治家、英独立党党首ファラージも面会

5.閣僚候補も相次いで面接で訪問か

6.異色の訪問者たち候補も相次いで面接で訪問か

1.アメリカ社会はコネ社会

大統領選挙が終わってほぼ10日経つ。まだ“トランプ・ショック”は世界を揺り動かしている。ショックの波はさらに大きくなり世界を覆うのか、それとも選挙運動中の過激な発言も現実に対応して調整され、次第に落ち着きを取り戻してくるのか。このところ、メディアはトランプ政権がどのような構成になるのか注目している。予想通りか、予想に反してか、ホワイトハウスのスタッフと閣僚の今までの選考を見る限り、トランプ政権の右傾化は避けられないようだ。
大統領顧問と首席戦略官に任命されたスティーブン・バノンは“white nationalist(白人国家主義者)”と呼ばれる白人優越主義者であり、
司法長官に任命されたジェフ・セッションズは人種差別的発言で1986年に連邦判事の承認を得られなかった経歴の持ち主である。
国家安全保障担当補佐官に指名されたマイケル・フリンは反イスラム、反ユダヤで知られる人物である。今後、相次いでスタッフと閣僚の名前が報道されるだろう。共和党穏健派の前大統領候補のミット・ロムニーを国務長官に推す動きもあり、党指導部との和解の動きが出始めているとの推測もある。

本ブログでは「トランプ研究」と題して、トランプ次期大統領の政策に関する詳細な分析記事を連載する予定である。今までアップした記事はいずれも1万字を越える長文で、必ずしも読みやすいものではないが、極力、歴史的・政治的背景に触れながら問題点を明らかにしてきた。現在、「バノン論」を準備中であるが、これも1万字を越える内容になりそうである。11月21日か22日にアップする予定である。今回のブログは「閑話休題」というか「番外」で、軽いタッチのテーマを取り上げた。

人々は権力に群れるものである。トランプ次期大統領のもとにも、この10日間、多くの人が訪れている。あわよくば良いポストを得られるのではないかと思う者もいれば、心から祝福するために訪れた人もいるだろう。ただ誰でも次期大統領に会えるものではない。アメリカは日本以上に“人脈社会”である。余談だが、アメリカでは推薦状は極めて重要である。推薦状を書いてもらう者から言えば、誰が書いてくれるのかが重要になる。推薦状を書く人もなおざりに書くことはできない。自分が推薦した人物が相手を失望させるような人物である場合、推薦状を書いた人の社会的評価も下がるからだ。人に会う場合も信頼できる人の紹介があれば会いやすい。筆者も記者時代、直接申し込んでも取材できない相手に有力な人物の紹介を得てインタビューしたことが何度かある。要するに、どの社会もある程度は“コネ社会”なのである。ましてや大統領選挙で当選したばかりの人物に会うというのは極めて近い関係でない限り不可能と言っても良い。さらに付け加えれば、アメリカ社会は多民族からできあがっており、相手の氏素性はなかなか分からないもの。それだけ推薦や紹介してくれる存在が重要になるということである。

この10日間にトランプ次期大統領が誰に会ったのかは興味深いテーマである。『Vanity Fair』誌のウエブ「HIVE」は「この一週間にトランプ・タワーを訪れたすべての人のほぼ完全で不可解なリスト」と題する短い記事を掲載している。トランプ・タワーの周りにはジャーナリストの溜り場ができており、トランプ・タワーに出入りする人物は、タワーの周辺にたむろする記者によってすべてチェックされている。HIVEの記事をベースにしながら、筆者の取材と解説を付け加える。



2.意外な人物がトランプ次期大統領に会っている

同記事が最初に挙げている訪問者の名前はフロイド・メイウエザー(Floyd Mayweather)である。彼は17日にトランプ次期大統領と会っている。彼はアメリカのボクシング界ではレジェンド的な人物である。フェザー級、スーパーフェザー級、ライト級、スーパーライト級、ウエルター級など多くの階級でチャンピオンになっている。トランプ次期大統領は息子のドナルド・ジュニアとメイウエザーの3人が並んだ写真をツイッターに掲載している。トランプ次期大統領は、ツイッターに「過去最高のボクシングのレジェンドの一人である」と、メイウエザーを称賛する文章を書いている。昨年、メイウエザーがフィリピンの英雄マニー・パッキャオと対戦したとき、トランプ次期大統領は妻メレニアと一緒にリングサイドで対戦を観戦していた。トランプ次期大統領が格闘技が好きかどうか分からないが、当選後すぐに訪れた人物の一人に元ボクサーがいたのは興味深い。

同じく興味深いのは、オーストラリア生まれの世界的な“新聞王”と言われるルパート・マードック(Rupert Murdoch)の名前があることだ。多くの人はマードックが18日にトランプ・タワーでトランプ次期大統領の娘のイヴァンカと一緒にロビーを歩いているのを目撃している。政治専門誌『ザ・ヒル』は、マードックがトランプ次期大統領に直接会ったかどうかは確認できないと書いているが、会ったことは間違いないだろう。マードックは記者団に何も語らずタワーを後にしている。選挙運動中、マードックが経営する「フォックス・ニュース」はトランプ候補を批判し、対立な関係にあった。
バノン大統領顧問もマードックに対して批判的だと言われている。トランプ陣営からすればマードックは歓迎すべき客ではないのかもしれない。しかしマードックがトランプ次期大統領に会ったとすれば、その意味するところは大きい。マードックは保守派のメディアを多く所有する人物で、極めて大きな影響力を持つ人物であるからだ。所有する会社には、映画会社の「21世紀フォックス」、ケーブルニュースの「Fox News」、「Fox Business News」などのフォックス系列の会社。さらにテレビ局「Fox Television」、「Fox Broadcasting Company」、新聞社の『ニューヨーク・ポスト』、『ウォールストリート・ジャーナル』の持株会社「ダウ・ジョーンズ」、イギリスの『ザ・サン』、『ザ・タイムズ』、ネオコンの週刊誌『ザ・ウィークリー・スタンダード』などがある。
同氏は伝統的な保守主義者で、トランプ次期大統領の極右的発言に批判的であった。今回の訪問は、ある意味では保守主義者のマードックが早々と極右的なトランプ陣営の軍門に屈したということなのかもしれない。あるいは両者から何のコメントも出ないということは、和解ではなく、決裂したことを意味するのかもしれない。

HIVEが次にあげているのが、ジェニー・ピロ(Jeanine Pirro)で、12日にトランプ次期大統領に会っている。ピロがトランプ・タワーのセキュリティを通るところがYouTubeに載っている。彼女はフォックス・ニュースの「Justice with Judge Jeanine」という法律関係の番組のコメンテーターを務めており、同時に地方検事の職にもある。2006年にニューヨーク州司法長官に指名されたこともある。彼女は、保守系の雑誌『ザ・ナショナル・ジャーナル』がトランプ候補を批判した時、トランプ擁護に回ったことで知られている。
離婚した夫アル・ピロは有名な不動産関係の弁護士で、トランプ次期大統領と密接な関係にあった。彼女がニューヨーク州司法長官に立候補したとき、トランプは2万ドルの政治献金をしている。そうした関係を通して両者の間に緊密な関係があると予想される。付け加えれば、彼女は美人で、女性好きのトランプ次期大統領を十分に魅了するものを持っている。


3.安倍首相とトランプ次期大統領の会談の意味は何か

3人目に挙げられているのがヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)である。筆者から言えば、極めて意外な人物がトランプ次期大統領と会っているといえるといえる。キッシンジャーは現実主義の立場に立つ安全保障問題の専門家で、共和党主流派を代表する論者である。ニクソン政権の安全保障担当補佐官を務め、フォード政権では国務長官を務めた人物である。冷戦時代、“デタント政策”でソビエトとの共存政策を主張したことでも知られている。ネオコンのように体制転換を目指すのではなく、力のバランスを前提に現実を安定的に維持することを主張した学者である。キッシンジャーはトランプ次期大統領の外交政策には厳しい態度を取っていた。そのキッシンジャーが自分の方からトランプ次期大統領との面会を求めたとは想像しがたい。トランプ次期大統領が外交・安全保障政策で同氏の意見を求めるために呼んだと考えるほうが自然だろう。とすれば、トランプ政権の外交・安全保障政策は選挙運動でのレトリックとは違った現実的なものになるかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーーー
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaokanozomu/20161120-00064656/

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