2016/11/19土 シネ・リーブル池袋
撮影時期:2015年8月
撮影場所:イギリス、サドラーズ・ウェルズ劇場
演出・振付:マシュー・ボーン
セット・衣装デザイン:レズ・ブラザーストン
照明デザイン:クリス・デイヴィー
サウンドデザイン:ポール・グルースイス
音楽:テリー・デイヴィス
出演:
ルカ(旅人): クリス・トレンフィールド
ディノ・アルファノ(ガレージ・ダイナーのオーナー): アラン・ヴィンセント
ラナ(ディノの妻): ジジ・ストラレン
リタ(ラナの妹): ケイト・ライアンズ
アンジェロ(雇われ人): ドミニク・ノース
バタバタしている時期に上映されてて見逃してしまったカーマンを、やっと観てきました。
CAR MANというタイトル、CARMENと一字違いです。バレエのカルメンのストーリーとビゼーのあの音楽をベースに、舞台を古い時代のアメリカの片田舎の車の整備場に移し、アメリカのミュージカル風にした感じ。一人の流れ者(男)がやってきたことから、事件は始まります。カルメン役を男にして、彼に惚れるエスカミリオとドン・ホセの役を男と女にしてしまうという読み替え、さすがマシュー・ボーン。人物を単に置き換えるだけでなく、人間関係は更に複雑で、ある意味リアリティのあるものになっています。カルメン役も含め、誰も悪者ではないのに、ちょっとした狂いでどんどん破滅に向かって話が進んでいく。
既に観ているバレエ友達の感想が分かれていたのが分かるな。暴力やセックスの表現がかなり直接的。また、スワンや眠りと比べても、かなりいろいろな部分の表現が具体的、つまり抽象度が低い。そして、踊りも、コンテンポラリーダンスというよりは、ブロードウェイミュージカル調。あえて狙っていると思いますが。
私にとっても、面白かったけど、好きな作品かと言われるとうーんと唸ってしまいます。作品としては、ものすごくよくできているし、一度は観ておくべきだったなと思いますが、、、最近どうも、ちょっと抽象的で解釈の余地があるものの方が、観て面白いと思う傾向が。これは個人の嗜好なので、この作品が高い評価を得ていることは十分納得です。あと、映画で観るより舞台で生で観た方が熱狂しやすい作品だろうなあ、とも。(だから日本に来たらもちろん観るよ!)
と、ちょっと冷めた感想になってしまいましたが、ダンサーは実は眠りよりも個性が出ていて印象的でした。特に、クリス・トレンフィールドがよかった!彼、先日眠りが日本に来た時にレオ役で観たのですが、それよりこっちの方が断然似合ってて素敵じゃーないですか・・・!踊りも上手いし演技も抜群。あと、アンジェロのドミニク・ノース、可愛くていいですねー。彼、よーく観てると踊りもきれい。クラシックの基礎がちゃんとある感じがします。
ゴメスがカーマンに出演してたらしいけど、それはきっとルカの役だったんだろうな。うーん、ルカはどこか人のいいところがある役ではあるけど、ゴメスは育ちがいい感じがしちゃうからこの役はここまではまらない気がする。どうだったんでしょう。
この作品、バレエ・ダンス・ミュージカルのどれかにカテゴライズするとしたら、ミュージカルだなと思いました。体の動きの面白さというよりは、ストーリーの面白さと演劇性で見せていく感じですし。カテゴライズしなきゃいけないというわけではないし、それで優劣をつけようという気は全くないのですが、私の中ではそう思って観た方が評価が高くなります。
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