mixiユーザー(id:1416106)

2016年11月19日01:52

360 view

さるすべりと又吉さん

何だか最近あんまり日記書いてないですね。書けるようなネタもなかったのも大きいのですが。
先日芸人さんピースの又吉直樹さんのエッセイ。第2図書係補佐という本を読みました。
かなり面白かったので、ちょろっとつぶやいたんですけどね。

テレビのバラエティ番組を頻繁に観てるタイプではないので、芸人さんに詳しい訳では全然
ないんですが、又吉さんはまだ今のような超有名人になる前だと思いますが深夜の番組で
ピカルの定理という番組でメインの司会をやっていた時に目に入り、この番組に出てた人は
その後もかなりブレイクしてる芸人さんが結構多いんですけど、又吉さんの強烈なキャラクター
は僕の脳裏に強く焼き付きこの人は絶対後に売れるに違いないと確信に近いものが
ありました。

自分には先見の明があったんだとか言うつもりもないんですけど、もう一人ピカルに出演
していたハライチの澤部さんも売れるような気がしていました。
まあこんな後だしジャンケンみたいことは幾らでも言えるので、どうでも良いんですけどね。


又吉さんは売れるに違いないという何の根拠もない自信はあったりはしたんですが
もちろん作家先生として芥川賞を受賞するとかそういうのはまったく予想の範疇にはなかった
ですよ。


その又吉先生のエッセイ。第2図書係補佐という本なんですが彼が好きな本に付いて解説する
エッセイなのかと思ってたのですが、その本の内容にまつわると言うか、掠りもしないようなこと
ばかり書かれていまして、その本を読んで思い出す彼の過去の出来事や日常をお笑い芸人
さんらしく面白おかしくクスっと笑えるような文章として書かれていました。

こんなエッセイで書かずにすべらない話に出演して話した方が良いのでは?と思うような
ことが中心に書かれているので、所謂文学的な本ではありません。

非常に読み易い文章で、さすが芥川賞は伊達じゃないと思わされる文章なんですけど
自意識過剰で控えめな彼の性格が文章に滲み出ているのがよくわかります。


このエッセイの中で太宰治のヴィヨンの妻を紹介してるのですが、彼は太宰治が一番
好きな作家のようです。
先ほども書きましたが、自分が好きな本を紹介する内容にはなってないので、この回では
太宰治との関わりに付いて書かれていました。

太宰の旧家は三鷹市下連雀1丁目00番だったそうですが、今現在は区画整理され住所が
変更されています。
又吉さんが東京に出て来て移り住んだのが三鷹市下連雀2丁目14番だったそうです。
風呂なしの築60年のボロアパートだったようですけどね。
売れてない時代に住んでらした場所だったので、家賃が激安だったからだとは思われます。


ここはJR中央線の三鷹駅のすぐ近くなんですけど、隣の駅の吉祥寺に行く道順が太宰が
本の中で書かれているのとまったく同じだったので、気になり図書館で調べたら彼のアパート
は偶然にも太宰の旧家の跡地だったそうです!

そんな偶然があるもんなんですね!そこで僕はこの文章を読んで実際にその場所に行って
みました。僕も三鷹市に住んでいるので、ここは自転車で行ける距離です。
太宰がこの辺に住んでいたと言うのは知識としては知ってはいましたが、具体的な場所
までは知りませんでした。僕は又吉さんのようなディープな太宰ファンではないかなりライトな
ファンレベルなので。

その旧家があった場所は今現在ではアパートも取り壊されているようで?ボロアパート
らしき姿は見当たりません。
ここは三鷹駅から徒歩で10分も掛からない閑静な住宅街であり、もっと言うと高級住宅地
という場所ですね。下世話な言い方をするとBMWやベンツなど高級車をあちこちで見かける
今現在は主にかなりのお金持ちが住む場所ですね。

誤解のないように書いておくと僕の家は同じ市内でもここから何キロも離れている極々庶民が
住む田舎街であります。

この辺りは太宰所縁の地ということで街中に説明書きが書かれたプレイトが何ヵ所かに
設置されているんですね。
太宰の旧家の道を挟んだ目の前に三鷹市の和風文化施設、井心亭(せいしんていと読む
らしいです)という非常に風情がある和風の建物があります。お茶の教室とかそういったことを
やっている施設のようです。プレイトが設置されてあり、さるすべりと太宰の旧家の場所の
説明が書かれていました。

太宰の作品のおさんという作品にさるすべりという木が登場するのですが、当時太宰家
の庭にさるすべりが植えてあったそうです。
そのさるすべりを移植したそうなんです。植物に詳しくない自分はさるすべりなる木が樹齢
としてどれくらい持つものなのかさっぱりわかりませんが、今も存在していたので写真を
撮って来ました。

この写真の背中側になる道を挟んだちょうど反対側が太宰の家があった場所のようです。
ちょっと高そうな創りのお家が並んでいる一般の家なので、写真を撮るのは止めておき
ました。

おらが村三鷹には太宰に纏わる場所や物がまだ若干残ってはいるんですね。
今や売れっ子芸人、小説家先生になられた又吉さんはもっと都心部の家賃うん十万円
みたいな場所に住んでいるとは思いますが、彼は隣の吉祥寺が大好きな街だと公言
してましたし今でもこの辺はたまに訪れているそうです。


僕は太宰や又吉さんのような自意識過剰をこじらせているようなタイプは同族嫌悪的で
ちょっと距離を置きたい存在だと失礼ながら勝手に思っていました。大人になり家庭を持ち
子供が出来たら自分の子供に父ちゃんは太宰治の本って読んだことある?と聞かれたら
父ちゃんも凄く若い頃には熱心に読んだけど大人になるとちょっと青臭く感じるから青春
時代に読むと共感する本なんだよと突き放したようなことを言えるのが今の言葉で言うリア充
なあるべき大人の姿なんだとずっとずっと思っていました。

しかし実際自分の子供が成人になってもおかしくないような年齢になってしまいましたが
子供はおろか生涯のパートナーと呼べる存在を得ることさえも未だ出来ていません。。


そして今も又吉さんの文章を読んでわかるわかる凄い納得と思ってしまう自分がいます。
彼のように人を笑わせたり感動させたりする文才や様々な才能に満ち溢れている訳でも
全然ない凡人の自分は傍から見たらエヴァンゲリオンの主人公碇シンジ君があのまま
まったく性格が変わらず大人になったキモイ奴全開のような存在に近いのは自分でも
わかっているので、又吉さんのような繊細な少年の心を保ち続けている芸術家のような方
とは根本的に異なるのは重々承知はしています。


痛い奴だなおまえ!とこの日記を読んでくれた方には思われてしまうのはわかっていますが
僕にはまだ残念ながら太宰も又吉さんもモリッシーも飲料水の如く必要でないと生きて
いけないようです。。



美しい文体としての太宰文学を愛する太宰治のコアファンである方も大勢世の中には
いらっしゃいますから、僕のような寒いこじらせ系はわずかであるのもわかっています。



太宰文学!あれはね〜20歳ぐらいまでの若い子が読む本なんだよと澄ました顔で語る
父ちゃんになりたかった。現実と理想は僕の中ではこの世の果てより遥かなる距離がある
ようです?

マイミクさんにはマルが若い子が読む本なんだよなんて言うセリフを吐いたらマルじゃねーし!
とか言われてしまうかもしれません?ぎゃふん。あははははは。
4 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する