18940621 NO804 日本軍の派遣は軽率でも不必要でもない
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駐韓日本公使館記録 3巻 三. 東学乱と 清日関係 二 (3) 英・独・露・仏公使の意見、並びに李鴻章の意中などに関する往復電信（写）差し出し、その他英・露公使の出入り報告の件
文書題目 (3) 英・独・露・仏公使の意見、並びに李鴻章の意中などに関する往復電信（写）差し出し、その他英・露公使の出入り報告の件
文書番号 機密第二六号信
発信日 明治二十七年六月二十一日 ( 1894年 06月 21日 )
発信者 臨時代理公使 小村寿太��
受信日 (二十七年七月六日接受)
受信者 外務大臣 陸奥宗光
(3) 英・独・露・仏公使の意見、並びに李鴻章の意中などに関する往復電信（写）差し出し、その他英・露公使の出入り報告の件
機密第二六号信
(二十七年七月六日接受)
英国公使オコノル氏の意見、ならびにその芝罘（チーフ―）より当地（＊北京）に帰任途中、天津で李鴻章に勧告した次第は、ドイツ公使シエンク氏、露国公使カシニー氏、仏国公使ジェラルド氏などの意見と一倂兼て（＊四字不明）電訓もありますので、去る六月十七日別紙甲号の通り電報を送り、このほか李鴻章は英公使の勧告（＊も受け）、また本年清暦十月（日本の十一月）には当国皇太后の還暦祝賀、即ち一世一代の大典を挙行されようとしている時に日清の衝突を避けようと望む考えであるようだとの主旨で同日乙号の通り電報を送っておきました。
李鴻章は前述の事情あるにもかかわらず、この上どんな動きがあればその決心を推測できますでしょうか。
別紙丙号は去る十八日到達の貴電で、訓令の内容は承知いたしました。
英公使オコノル氏は去る十三日、当地（＊北京）に帰任。
露国代理公使ウエーバー氏も亦同日当地に着任に付、露国公使カシニー氏は去る十七日当地を出発致しました。
もっとも同氏は最初陸路で内・外蒙古、西伯里（＊シベリアか）に道を取る予定にでしたが、健康上医師の勧告によって海路帰国の事となりました。以上御報告します。
明治二十七年六月二十一日
臨時代理公使 小村寿太��（北京）
外務大臣 陸奥宗光 殿
[別紙 甲号]
文書題目 [六月十七日付 小村公使の陸奥外務大臣宛 日本軍派兵に対する 英•独•露•仏 公使の意見報告 電信]
Komura
to Mutsu
British minister considers the despatch of Japanese soldiers as not prudent and necessary. He fears Russian is aggressive and therefore very anxious to avert collision between Japan and China. He advised 李鴻章 to take every precaution to avoid collision. He hopes Japanese Government will do the same. German Minister shares views of British minister. Russian Minister and French minister approve action of Japan as necessary for the protection of her subjects and commercial interest.
Peking, 17/6 '94 10. 00 a.m
（私訳）
英国公使は日本軍の派遣を、軽率でも不必要でもないと考えています。
彼はロシアの侵略を恐れているので、日本と清国の間の衝突を避けることを強く願っています。
彼は衝突を避けるためのすべての予防措置を取るように李鴻章に忠告しました。
彼は日本政府が清国とともにこのような予防措置をとることを願っています。
ドイツ公使の見解も英国公使の意見と一致します。
ロシア公使とフランス公使は日本の行動を朝鮮内の自国人と商業的な利益の保護のために必要だと認めています
[別紙 乙号]
文書題目 [六月十七日付 小村公使の陸奥外務大臣宛、李鴻章意衷報告の電信]
Komura
to Mutsu
李鴻章 appears to be very anxious to avoid a collision owing to extreme fear of Russia, advice of British Minister, and sense of gravest responsibility in this year of anniversary.
Peking, 7/6 '94 7.10. p.m.
（私訳）
李鴻章はロシアに対する極度の恐れと、英国公使の忠告、そして今年記念祭での非常に重大な責任感のために、衝突を避けることを大変切望しているようです。
[別紙 丙号]
文書題目 [六月十八日付 陸奥外務大臣が北京の小村臨時代理公使に送った電訓]
Mutsu
to Komura
Your telegram of 六月十七日 received.
You may impart to those Ministers that in spite of assurances to the contrary by Corean government,
there is every reason to believe that disturbance has not yet been quelled,
that taking into consideration frequent occurrence of disturbances, the despatch of Japanese soldiers was neither imprudent nor unnecessary, that there is no fear of collision, because Japan is taking every precaution to prevent it.
Inform British Minister alone confidentially
that Japanese Government are not only anxious for speedy pacification of present disturbance, but also with the hope to place in future peace and order of Corea on secure basis, proposal is being made to China to enter into some understanding with Japan.
Tokio, 18/6 '94 2.50 a.m.
Peking, 18/6 '94 12.30 p.m.
（私訳）
貴官（＊北京の小村臨時代理公使）の6月17日付電信を受け拝見しました。
貴官は
（1）朝鮮政府の保証にもかかわらず、騒擾は相変らず鎮圧されていないと信じる理由が十分にあるということを各国の公使に知らせなければなりません。
（2）また、騒擾がしばしば発生したのを考慮する時、日本軍の派遣は軽率でも不必要でもないという点、
（3）日本は清国軍との衝突を防止するためのすべての予防措置を取っているので、この衝突に対する心配はないという点などを各国の公使に通知しなければなりません。
日本政府は現在の騒擾の迅速な鎮圧を熱望しているだけでなく、今後朝鮮の平和と秩序がしっかりした土台の上に置かれることを願って、日本とある程度合意が成り立つように清国に提案を提出しているということを、秘密裏に英国公使にだけ通知してください
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