NO803 朝鮮に対し日・清協同の件 その1 甲号、乙号、丙号、丁号
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駐韓日本公使館記錄 3巻 参. 東学乱と 清日関係 二 (2) 朝鮮に対し日・清協同の件に関する来復電信、並びに口演書、その他対話筆記を添えてご連絡の件
文書題目 (2) 朝鮮に対し日・清協同の件に関する来復電信、並びに口演書、その他対話筆記を添えてご連絡の件
文書番号 機密第二五号信
発信日 明治二十七年六月二十一日 ( 1894年 06月 21日 )
発信者 在清国・臨時代理公使 小村寿太��
受信日 (二十七年七月六日接受)
受信者 外務大臣 陸奥宗光
本件に関し、
さる六月十七日別紙甲号の通り貴電が到達して以後、
その翌日十八日乙号の通り電訓に付き、
即日啓文で丙号口演書を総理衙門に発送、これと同時にその翌日十九日面会の件を申入れ、
貴方へは丁号の通り電信を送り、
そして当日午後三時半総理衙門に参りまして、該大臣と対話の内容は戊号筆記の通りですが、この行動は先方の意志を探り、かたがた局外に漏らされることを予防しようとの考えから出た事ですので、こちらからは別段なにも話しませんでした。
もっとも徐用儀の言葉に、李鴻章からの電報に「三カ条は我が政府より在天津・日本領事を経て申入れた」とあり、「汪公使より電報との事はいっこうに承知していない」とあり、閣下よりはっきりと汪公使に御申しいれられた件は在天津・荒川領事を経て李鴻章に御申し入れがなかったのであろうと思いましたので、
念のため帰館＊真様（すぐさま）己号の通り電報を送っておきましたところ、
昨二十日庚号の通り重ねて電訓がありましたので、
即日総理衙門に参り該大臣と会いその対話の次第は辛号の通りで、
帰館後すぐさま壬号の通り電報を出しておきました。
以上御報告します。
明治二十七年六月二十一日
臨時代理公使 小村寿太��印
外務大臣 陸奥宗光 殿
＊真様（真ぐ様＝すぐさま）
[別紙 甲号]
文書題目 [六月 十六日に陸奥外務大臣が北京・小村臨時代理公使に送った電信]
Mutsu to Komura
The following is strictly confidential.
I had long interview with Chinese Minister 六月十六日 with a view to arrive at some understanding with China for preservation of peace and order in Corea in future.
Even if present disturbances be suppressed, I proposed to Chinese Government ＆ Chinese, important points are as follows;
Japan will ask conjointly with China, first, to suppress revolt and restore order.
Secondly, to appoint joint Commission from both countries to reform administration and finance,
thirdly, to organize efficient army for self protection.
Tokio, 16/6.'94. 7:30 p.m.
Peking, 17/6.'94. 10:30 a.m.
（私訳）
陸奥より
北京・小村へ
次の事柄は将来の朝鮮の平和と秩序を維持するため、清国とある程度合意に到達する目的で 本官が6月16日、清国公使と長時間会談を持った機密事項です。現在の妨害が抑制されたとしても、本官が清国政府と清国に提起した重要な事柄は次の通りです。.
日本は
まず一番目に、清国と協力して騒擾を鎮圧し秩序を回復する事,
二番目に、行政と財政を改革するために両国出身の共同委員会を構成すること,
三番目に、自衛のために効率的な軍隊を組織する事
などと要求するでしょう。
東京 16/6‘1894
北京 17/6‘1894
[別紙 乙号]
文書題目 [六月十七日付 陸奥外務大臣が北京・小村臨時代理公使に送った電訓]
Mutsu
to Komura
Referring to my telegram of 六月十六日, you are hereby instructed to send verbal note to 総理衙門 as follows:
Japanese Government being desirous that not only present disturbance in Corea be speedily and effectually suppressed, but also in the hope that in future peace and order in Corea be placed on firm and lasting basis so as to prevent recurrence of disturbance tending to endanger amicable relations of Japan, China and Corea, Japanese Minister for foreign affairs proposed to Chinese Government through 在日本 清国公使 六月十六日 that Japan will act conjointly with China (to effect?) the following objects: First, to suppress present revolt and to restore peace and order as speedily as possible, Secondly, to appoint joint Commission from two governments for the purpose of investigating means of reforming Corean administration and finance, Thirdly, to organize an efficient Corean Army for her self (protection). It is believed that 在日本 清国公使 has already communicated the above to his government and Japanese Government is very anxious that Chinese Government would without any delay answer in acquiescence to the proposal through 在日本 清国公使.
Tokio, 14/6 '94. 3:55, p.m.
18/6 '94. 8:00, a.m.
（私訳）
陸奥より
北京・小村へ
本官の6月16日付電信をもとに、貴公使に次のような文の覚書を総理衙門へ送るよう訓令を下します。.
「日本政府は朝鮮の現在の騒擾が早く効果的に鎮圧される事を願っているだけでなく日•清及び朝鮮の友好的な関係を危険に陥らせる傾向がある騒擾の再発を防止するため、朝鮮の平和と秩序が今後確固とし、持続的な土台の上にあることを希望している。
日本のが言う大臣は日本が次の事項を（実現するために？ ママ）清国と協力して行動するつもりだと6月 10日日本駐在清国公使を通して清国政府へ提案しました。
第一に, 可能な限り迅速に現在の騒擾を鎮圧し、平和と秩序を回復する事、
次に、朝鮮の行政を財政を改革する手段を調査するため両国の政府官僚で合同委員会を構成する事、
三番目に,朝鮮の自衛のために効率的な朝鮮軍隊を組織する事、
日本駐在の清国公使が既に自国政府にこの件を伝達したので、日本政府は清国政府が少しの遅れもなく日本駐在清国公使を通じてこの提案に同意してもらえることを心から望んでいるという事実も報告していることと信じます。」
[別紙 丙号]
文書題目 [六月 十八日 北京・小村臨時代理公使が清国・総理衙門へ発送した啓文]
日本政府不啻愿朝鮮現在變乱速有勦滅之功亦望將来平安該国基礎鞏固綿長儻再有變乱之事其帰致傷日清朝鮮之和好不可不絶之未萌即於本月十六日日本国外務大臣與清国欽差大臣相晤將日本愿與清国戮力同心之意由該欽差大臣転達清国政府其要如左
一. 彈圧現在叛徒出可及之力速復平安整齊
二. 日清両国政府互派委員將朝鮮国行政理財之道応如何更正之処会同講究
参. 俾朝鮮整頓精兵自護其国
想清国欽差大臣当経転達其政府清国政府依以上所開由其欽差大臣迅速答復日本政府実有厚望焉
（＊上の乙号の中国語文）
[別紙 丁号]
文書題目 [六月 十八日字 北京 小村 臨時代理公使의 陸奥 外務大臣 前 電信]
Komura
to Mutsu
Your telegram of 六月十七日 received,
Note will be sent immediately.
Remit by telegraph amount asked
for in my telegram of 六月十一日.
18/6 '94. 1, 10. p.m.
（私訳）
北京・小村
陸奥へ
貴官の6月17日付電信を受け拝見しました。覚書は即時発送するようにしました。本官が6月 11日の電信で要請した内容を電信で送ってください。.
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