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2016年11月08日07:38

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NHK人形劇の流れでもある(公開版)

 ども清岡です。
 オリジナルの日記は集合写真を使っていて、「友人までの公開」にしていて、それじゃもったいない、ってことで文のみを公開。

 昨日、現地集合で飯田市川本喜八郎人形美術館にネットの三国志ファンと共に行く。幸運にも主催者のTwitterでの繋がりで、NHK「人形劇 三国志」(1982年10月-1984年3月)の人形使い(人形操演者)とスタッフの方、そして今回の展示(演出や人形のポージング)にもメインで関わったお二方がご一緒して下さることになる。

・飯田市川本喜八郎人形美術館
http://www.city.iida.lg.jp/kawamoto/

 こう書くと雲の上の存在のお二方なんで何だか距離を感じるところを連想してしまうのだけど、まず人形たちへの愛ありきで、(多分、)同じ人形劇好きの同士と接してくださったもんだから、とても親身で、見ている側が知りようもない興味深いことをあれこれ教えてくださった(三国志イベントにて別々の団体のスタッフとして顔を合わせているのだろうけど、個人として会うのは初対面かな)。
 そもそもお昼ぐらいに全員集合なんだけど、交通手段の関係で朝一で来ていた私は、一度入場券を買えばその日一日出入り自由なもんだから、美術館内で時間をつぶそうとその建物の前まで来て、そこのいろんな看板の写真を撮影していたら、偶然にもホテルから来ていたお二方が後ろから「もしかして清岡さんですか?」と声を掛けてくださり、その時点でかなり打ち解けてしまった感はあったのだけど。

 それで気を遣っていただき、まず美術館の展示を楽しんでくるよう、促してくださり、そこからお昼までは単独行動となる。メインの展示はみながそろった段階で「一緒に初見」にしたかったので、展示の部屋に入らず、その外にあった、「人形劇 三国志」のDVD1巻全4話をリピート再生しているコーナーでひたすらその番組を見ていた。今回は6巻(パッケージは曹操の写真。同じのを曹操ファンの参加者が持ってきていてそこにサインを貰っていた)の第21回から第24回までで、今回の展示にあわせたのかちょうどそれは「三顧礼」の前後の話だった。そして何かの参考に、と展示に合わせて持ってきていたのが、「三顧茅廬」『三国演義連環画』22(上海人民美術出版社1958年)の冊子だったんで(集合写真で左手に持つ)、それと見比べていた。残念ながら、結果として三顧礼の第23回は見ず終いだったが、映像特典の「ことわざ三国志」第2回(立間祥介先生出演)の番組内でそのシーンがあったので、見比べることが出来た。中国人がイメージする三顧礼ってこんな感じになるね、と思っていたら、何と諸葛亮が昼寝するベッドのデザインが両作品まるっきり同じものだった。
 いや、こう書いても私の興奮は伝わらないだろうけど、前提としてここ数年、近現代の日本における三国志受容を追ってきた身としては(e.g. http://tinyurl.com/Kiyooka2010 , http://tinyurl.com/Kiyooka2015 )、日本の制作者側を通じた受容の重要性に着目していたんで、横山光輝「三国志」(1971年12月-1987年2月)だけでなく、1980年代日本の二大三国作品のもう片方の「人形劇 三国志」も割合の大小は違うだろうけど、『三国演義連環画』(上海人民美術出版社1956年-1964年)を参考にしていたのは重要な発見だった。でも後でこのことをお二方に申し上げても逆に細かい所と感心されるぐらいで、少なくともその時は特にご存知じゃなかったご様子で。
 ちなみに2時間程度、ずっとDVDを見ていたもんだから、館員さんが1度は別室で上映している人形アニメーション作品を勧めに来てくださり、2度目3度目はメインの展示を見るように勧めに来てくださったのだけど、冷たくあしらってしまった。
 あとお昼に美術館前に集合ってことだったんだけど、それより先に主催者に申し上げていた「美術館内に待機しておきますので、到着したら呼びに来てくださいね」という旨の方が私の記憶に強く残っていたもんだから、番組を見るのに専念していた。なもんで、「お昼なのにあいつまだ美術館から出てこないぞ」と軽く顰蹙を買っていたんだけどね(汗)。さらにメインの展示を一切見ずにDVDばかり見ていた旨を告げると、再び驚かれていた。二段オチ。
 さらに後でみんなでメインの展示を見たとき、三顧礼の場面を再現した展示があったもんだから、放送時とベッドのデザインが違う旨や第22回から口ひげが描かれる劉備なのに展示ではひげがない旨をお二人方に申し上げるという、「ありがちなマニア」ネタもやってたっけ(多分、ネタとして伝わったのは対象のお二方ではなく、他の一参加者のみなんだけど・笑)。

 結果として伏線的にいろんな話を伺った、お昼ごはんや、それを挟んでの鑑賞会、その後のお茶会はかなり濃密なもので、ネットに出せる情報から出せない情報、あとこちらの理解不足により記憶が追いつかない部分もあり、この場でうまく書き残せないのだけど、確実に言えるのは、昨日一日だけで操演者用の人形展示を見る目がレヴェル的に1段も2段もアップしたことだろうか。
 何せ、動くこと前提の人形の瞬間を止め、それとは真逆に見ている人に、動きを感じさせる状態にし、背景にある人形間の関係性やストーリーなどの「深み」をも感じさせる(≒感動させる)大変さが前提としてあり、さらには人形には素晴らしく栄える角度がそれぞれに備わっており、そこを探してやりつつポージング(展示)するとのことだそうな。
 ちなみに集合写真にある、来館者の撮影用の諸葛亮(字孔明)人形は正面がブサイクだそうで、アップで撮影しないように言われ、向かって左斜めから撮影するのが美しくとれるポイントだそうな。そこはちょうど孔明越しに川本喜八郎先生の遺影が写り込むポイントでもある。
 今回の展示以外にも、普段、学芸員が解説用に使う人形を実際に用いて、どうやって操演するかを説明してくださって(そして何人かは試しに実際に動かしてみた)、すごく貴重な機会だった。
 ちなみに今回の展示は来年の2月までだそうで、そうやって何かの場面を連想させる素晴らしい展示方法は今回で見納めだそうで、後のお茶会では皆口々に名残惜しいという旨を申し上げていた。さらに主催者に2月までに第2回を開催して欲しい旨をお伝えしたのだけどね。

 一緒に見て回ると、「しゃがんで董太后越しに何皇后を見ると、より恐怖に感じられるよ」という旨を耳にして、皆一斉に、その場でしゃがんで鑑賞していた。その光景は、「写真にとりたかった」と言わせるほど送り手としては感動的なことだったそうで、今、思い返すとその日一日を象徴しているようだった。
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