前記でも書いた通り『「ドクター・ストレンジ」は1964年7月、『ストレン
ジ・テールズ（Strange Tales ）#110 』で初登場する。
そこまでのバックグラウンドを記述すると
・19世紀、ニューソート運動や神智学協会により、キリスト教的価値観を東洋思想で覆そうとする。
〜
・1923年、神智学者のアーサー・ラマースがエドガーケイシーに催眠術中に神智学を吹き込み予言者に仕立て上げる。（ヒッピー文化に影響をあたえる。）
・1931〜1935年、ラジオドラマ『魔術師チャンドゥ』第一シーズン開始
.・1932年、『魔術師チャンドゥ』映画化
.・1948年〜1950年、『魔術師チャンドゥ』リバイバル
・1957年に『肩をすくめるアトラス』（著者アイン・ランド）が出版（超客観主義により、非現実的なものの否定）
なんの説明もなく「魔術師 チャンドゥ」というワードを出したが、これは「ドクター・ストレンジ」に影響を与えた作品（と、スタン・リーは自伝で言っている）
設定もそこはかとなくドクター・ストレンジに似ている。
チャンドゥ ストレンジ
修行地 インド チベット
師匠 ヨガ僧 魔術師
能力 テレポート、催眠術、アストラル投射 黒魔術、占星術、魔術
しかし、チャンドゥ以外にも似てるキャラクターがいるのである。それが「ブラヴァッキー夫人」です。
ブラヴァッキーはインド滞在時にアドバイスを送っていたクートフーミー（実在しるかは不明）こそがドクター・ストレンジの師であるエンシェントワンの元ネタではないだろうかと噂された？
夫人とストレンジの共通点はアストラル界に概念も共通している。
そんなオカルティズムのおもちゃ箱のストレンジさんだが近年は陰謀論要素も加わっている。それが「イルミナティ」である。
構成メンバーは世界の危機を事前に察知して危険を取り除いていく組織だ。
メンバーは各方面のオピニオンや有識者がそろっている。
・アイアンマン（複合企業のトップ）
・ネイモア（海の国アトランティスの支配者アンチヒーロー）
・プロフェッサーX（ミュータントコミュニティーの代表）
・ブラックボルト（地球外に進出した元奴隷の改造人間達のトップ）
・リード・リチャーズ（世界一の科学者）
・ドクター・ストレンジ（魔術師）
このマーベル世界に影響力をもつ人間達が集まった超派閥的集団である。
宗教、オカルト、陰謀論すべてが玩具箱にぶち込まれてミックスされたのがドクター・ストレンジである。
スティーブン・ディッコが非知覚的なキャラクターを世に出したのは、否定したものを汲み取り敢えて肯定する事で新しい視野を見出そうとしたのではないか、
その人間にとって「理解できないモノが現代のニューヨークに実在したら？」というのを当初は想定してたのかもしれない。
知覚や視覚で認識できないオカルト的なものはアイン・ランド信奉者のディッコにとって真逆の思想のはずだからである。
しかし、そのオカルティズムにハマった60年代の若者に熱狂的に支持をされたのも事実である。
以上、4回に分けて投稿したドクター・ストレンジ考を終わります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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