mixiユーザー(id:1418555)

2016年11月04日02:04

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国か命か

ものすごく高いけど、効く時は劇的に効く新しい抗がん剤オプジーボの費用対効果が夏に国会で議題にあがった。
ちょっと興味があったので、日曜の深夜にやってたドキュメンタリーを録画して見てみた。
なるほど、これはかなり難しい問題やな。
メラノーマに有効やということで保険認定を受けてたうちは問題やなかったけど、肺がんにも適用されるようになって風向き潮目風当たりが変わったんやて。

年間にこの薬が必要とされるメラノーマは500症例くらい。
ところが、肺がんはその100倍。
そうなると患者ひとりに1年間3500万円、国全体で1兆7500億円が必要になってしまう。
日本の医療費は40兆円で、約7兆円が薬剤費。
つまり、オプジーボを使うだけで薬剤費が2割以上増えてしまい、保険制度が破綻してしまう可能性がある。
さらに適用範囲を広げていったらどうなってしまうのか。

いま、オブジーボを使うか国を滅ぼすかどっちを取るねんと言われてるのはそういうことらしい。
問題は、最初に薬価を高値で決めてしまったところにあるとのこと。
病院で出す薬の値段は厚生労働省が決めている。
海外での流通価格を参考につけるのが普通やけど、オプジーポは国内で開発されたものなので、どうやらご褒美の意味を込めたのと、どっちにしても年間500人くらいにしか使わんやろと思って今の値段をつけたとのとこ。
500人ならひとり3500万円でも200億円行けへんからね。

ちなみに、海外ではかなり安くなっていて、2週間に一度、体重60キロの人に投薬する分である100mgで比較すると、日本73万円(年間3500万円)、アメリカ30万円(1400万円)、イギリス15万円(700万円)。
ただし、アメリカには健康保険制度はないので、個人か個人で入っている医療保険で支払い、イギリスでは健康保険が適用されるのはメラノーマのみ。
どちらも、国家財政とのかかわりは少ない。
日本でも保険適用薬にさえなっていなければ金持ちしか使えないってことで、国が斟酌する問題ではない。
ところが、保険で使えるとなると、実質的にはほとんどを国の負担でやらなければならなくなる。
国民健康保険は3割自己負担やけど、高額医療費の制度を使えば、1ヶ月の負担に上限ができ、およそ8〜10万円を越える分は国が出すことになるから。
1ヶ月分おおむね150万円のうち、140万円は国の負担になるっちゅうこっちゃね。

これからますます老人の比率が高くなり、医療費の負担が大きくなったとき、こんな値段の高い薬を使ってたら国が破綻するんやないかってのはよくわかる。
国も慌てて薬価の25%引き下げを決めたけど、焼け石に水、付け焼刃の対策にしかならない。
それにしても、製造元の小野薬品はいったいこれをどう捉えてるんやろ。
友達で、小野薬品の取締役と部長がおるから、いっぺん聞いてみなければ。


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