ノン子は大人だった・・・（前編）

ついにやってきた・・・運命の10月15日の土曜日がやってきた。。永かった。。永い20日間であった。。とうとう10年ぶりにノン子に会える日がついにやってきたのだ。。

オイラとノン子が再会する記念日。。この日は、奇跡的にとも言うべき・・なんとも雲一つない大快晴となり、気温も丁度よく、本当に過ごしやすい素晴らしい天気日和となった。。まるで、オイラとノン子が「復縁」するのを祝福するかのごとく、復縁の前触れであると言わんばかりと、オイラは勝手に想像していた。。

さて、運命の待ち合わせ。。ＪＲ新三郷駅で午後２時の待ち合わせ。。
オイラは、ちゃっかり１時間以上も前に到着し、駅前に出来た「ららぽーと」内を散策し、ふたりでゆっくりコーヒーでも飲みながらじっくり話ができそうな店を不気味な笑みをさらしながら、吟味する。。いつも待ち合わせにはギリギリに到着するオイラであるが、この日は特別とばかり、渋滞も考えてマイカーではなく電車で早めに到着し、真剣になって物見をしたものであった。。

10年前の・・・オイラとノン子が2人で通ってた頃の・・新三郷駅周辺は野原状態であったものが・・・、今ではららぽーとが出来て、人がたくさん行き来している光景を見て驚いた。。10年経つとこれだけ変わるものなのかと驚く。。そうなると・・ノン子もそれだけ変わってしまったのかなぁ〜〜？・・・またその反面、ノン子はここで買い物をしたり食事したりして楽しんでいるのかなぁ、よかったなぁ〜〜と想像しただけで・・・早くも涙が零れ落ちる。。

午後2時前には待ち合わせ場所に戻っていないと失礼になると思い・・オイラは深入りしてしまって迷子になってしまってからでは遅いと・・・午後1時半に早めに新三郷駅に戻る。。それから20分程、駅に向かって歩いてくる女性達をひとりひとり注視し続ける。（まさかここ10年不憫な人生を送り、精神病になり、予想もしていない顔や体形で登場してくるのではないか、という不安も正直あった。。）

・・・そして、ついに1時50分。。10年前と顔も体形も変わらないノン子が、向こうからオイラを不安げな顔で見つめながら1歩1歩確かめるように警戒しながら歩いてきているではないか！！・・・「あ〜〜ノン子だ！！！変わっていない！！（嬉）」と心で叫んで、オイラはノン子が立ちすくむ立ち位置まで、10年以上の空白と、連絡があった日から永かったあの20日間の興奮を抑えながら・・・焦りを抑えながら、ゆっくりと臣節に歩いて行き、ノン子の前に立った。。そして・・・緊張しつつも、嚙まないように気を付けながら・・・

オイラ「どうもご無沙汰しておりました。。今日はわざわざお越しいただいてありがとうございました。。お元気そうで何よりです。。」
ノン子「こちらこそ、ここまで来ていただいてありがとうございました。・・・いろいろとすいませんでした。。」
オイラ「いえいえ、こちらこそすいませんでした。。会ってほしいということで来ていただいて本当に嬉しかったです。。」
ノン子「いえいえ、こちらこそ・・・・・」

お互いがお互い同士で緊張し、お互い何回もペコペコしつつ・・・・そしてついに場が持たなくなってしまったオイラは、暴走した。。
「ノン子、全然変わってないね(笑)。」と、照れながらも昔の呼び名で早くもついついタメ語を使ってしまったからたまらない。。ノン子は少し驚きつつ、そういえば昔そのように呼ばれてた気がしたなぁ〜などという表情をしたので、オイラは早くも寂しい気持ちとなる。。

その後、あらかじめ候補に決めていたららぽーと内の店の名を挙げ、そこでお茶をしながらお話を・・と言いかけてたところ、店の中はごちゃついてるから、近くにある広い公園で外で話ししませんか？と返され・・・早くもオイラの下見の努力が却下される。。

公園に着くまでの歩きの間、緊張して間がもたないオイラは、「ここにららぽーとがいつの間に出来ていて、人がいっぱいいて驚きました。。」「ここで買い物などされているのですか？」などと・・・・いわば、どうでもいい話を投げかけ・・・適当なうなずきをされながら、駅から約1キロ先の目的の公園（公園というか、空き地）に到着。。お陰様でこの日の天気は素晴しい快晴だったし、周囲に人もいないので、これからじっくりと話しをする場所・舞台としては最高の場所であった。。設置してあったベンチに二人で腰掛け、ちょっとした世間話した後、ついに本題へと突入。。

「どうして消息を絶ったのか？」・・・「ここ10年間、何をしていたのか？」・・・「オイラが望む復縁にＯＫしてくれるのか？」

オイラが聞きたがってることをもちろん知っていたかの如く、オイラが尋ねる前に、ノン子は自ら全てを語り始めた・・・・
つづく