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2016年10月18日10:52

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夏目漱石の没後100年にふさわしいドラマでした

NHK のドラマ「夏目漱石の妻」4回シリーズをしっかり観ました。1916年に夏目漱石は49才で亡くなって、今年が100年の記念イヤーでしたので、メモリヤルにふさわしいドラマになっていたように思います。

夏目漱石とその妻の鏡子という超個性的な夫婦を、見事なキャスティング、役者の大熱演で、楽しませてくれました。
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長谷川博巳は、「シンゴジラ」では颯爽と活躍して、想定外の危機に直面した内閣を救っていましたが、このドラマでは、性格破綻モードの漱石を見事に演じてました。この役者は、高等遊民的な変人の役が似合います。

そして、尾野真千子という女優を、悪妻と呼ばれた漱石の妻にキャスティングしたのは実に素晴らしいと思います。5年前の朝ドラの「カーネーション」では、大阪の岸和田出身のファッションデザイナーを個性豊かに演じ、若いのにシッカリ大阪のオバチャンになっていました。そして、今回は漱石の妻という役を生き生きと演じていて、これだけの演技派が熱演したので、とても存在感がありました。

さらに、最終回では、漱石が胃潰瘍で喀血するシーンは、妻の着物が真っ赤になって、映像的に表現されてました。演出面でも良かったと思います。史実と比べてどうとかいうのは、議論は学者に任しておくべきと思います。

そして、ドラマの最後には、信州の緑のなかで、夫婦が語り合うシーンは、それまでの息苦しい室内とのコントラストが映像で表現されていました。

音楽では、シューベルトのピアノソナタ第21番の第1楽章が毎回見事に使われていました。夏目漱石の心象風景をあらわしていて、楽しみに聴いていました。

夏目漱石というと、明治の文豪であり、「我輩は猫である」や「坊ちゃん」などで親しみを感じる作品もありますが、多くの小説は読むのには結構努力がもとめられる古典です。したがって、私にとってだいぶ縁遠い存在でしたが、夏目漱石のメモリヤルイヤーに、あらためて読んでみたくなりました。
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