2016/10/16日 14:00- 東京文化会館 大ホール
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
台本:ピョートル・チャイコフスキー および コンスタンチン・シロフスキー
(アレクサンドル・プーシキンによる同名の韻文小説に基づく)
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演出:アレクセイ・ステパニュク
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
合唱:マリインスキー歌劇場合唱団
オネーギン:ロマン・ブルデンコ
タチヤーナ:エカテリーナ・ゴンチャロワ
レンスキー:ディミトリー・コルチャック
オルガ:ユリア・マトーチュキナ
グレーミン公爵:エドワルド・ツァンガ
マリインスキー・オペラの来日公演。やっぱりロシアものでしょ!ってことでオネーギンに一点張りして観てきました。大正解でした!
最近オペラと言えばワーグナーばかりになってしまっていたのですが(それはそれで好きなんだけど)、チャイコフスキーの演歌っぽい音楽をロシアのオケが思いっきりこぶし利かせて弾いてるのを聴いてると、とっても気持ちよくて!民族的な音楽もてんこ盛り。いいなあこの泥臭さ!
マリインスキー×ゲルギーの組み合わせは何度か聴いていますが、いつも感じるのは職人的だなあということ。こなしている公演数も凄いから(日本でも昼オペラで夜コンサートとかいう超人的なスケジュールの日があった)、一回一回の公演に情熱を注いでいるという感じではないけど、でもあるレベル以上のものは確実に安定的に出してくる。そして今回も思ったけど、リズムのとり方とか、バレエを知ってるオケだなあと。なんか、踊りやすそうなんですよね。
私、オネーギンのオペラの全幕を生で観るのは初めてでした。バレエファンにとってはオネーギンといえばクランコ版なので、それと比べながら観るのが楽しかったです。音楽はバレエ版と全然違う(というか、こっちが本家ですね)。そしてオネーギンという人の造形もだいぶ違う。バレエ版のオネーギンはタチアナのラブレターを目の前で破ったりとかなり酷い男なんだけど、オペラ版はむしろ年上の男性として正しく貴族的に彼女に手紙を返したりしていて。こちらのほうが、原作に近いと聞いたことがあります。でも最後の別れのシーンだけはバレエに軍配が上がるなあと思ったりしました。ストーリーを追うのではなく感情を表現するという点では、ダンスというのは本当に雄弁。
そういや歌詞を聞いて驚愕したんですがタチアナとの再会のシーンでオネーギンってまだ26才なんですね?!バレエだと白髪になっちゃったりしているからてっきり少なくとも40代くらいだと思っていたのに・・・!
ステージングもよかったな。特に1幕のラリーナ家のシーン、床の上にみかんやリンゴなどの果物が敷かれていて、視覚的にとても美しい。タチアナが素敵な奥様になって出てくるところのお屋敷のシーンも本当に美しかった。あと、左右と、それから、上に開く幕を組み合わせて、幕があくときに正方形がだんだん大きくなるようにステージが見えてくるのがとても印象的でgood。
そして、歌手も皆様すばらしゅうございました。期待していたレンスキーのコルチャック、純朴なこの役にとっても合っているし透明感ある美しい声で大満足。タチヤーナ役のゴンチャロワ、スリムな体型で見た目にも美しいけど声量はたっぷり。演技もよかった!オネーギン役のブルデンコもちょっと見た目がおじさんだったけど安定感ある歌声でございました。
うーん、ボリショイもマリインスキーも、ロシアのオペラって何か好き。マリインスキーは行ったことがないので、現地でぜひ聴いてみたい!と強く思いました。
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