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2016年10月13日22:29

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ハンブルクバレエ バーデンバーデンツアー (the World of John Neumeier)

ついこの前ニジンスキー再演初日を観にハンブルクに飛んだばかりなのに、2週間後に今度は彼らのバーデンバーデンツアーに行ってきてしまいました。日本公演直後にこのガラのチケットの発売が開始だったというタイミングのよさもあって、今回はあのガラの熱に浮かされたハンブルクバレエファン総勢9名の大グループ(かなり悪目立ちしていたことは間違いない)。さすがにダンサーにもcrazyだと言われましたけど、楽しかったから悔いはないです!

今回の観劇スケジュールは下記のとおり。会場はすべて、バーデンバーデン祝祭歌劇場。この劇場、昔の駅舎に増築する形でできてます。レトロとモダンがうまくミックスされた素敵な空間でした。

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10/7金 19:00- ワークショップ
10/8土 19:00- the World of John Neumeier
10/9日 17:00- the World of John Neumeier

以下、3公演まとめて感想を。

◆10/7金 19:00- ワークショップ

ノイマイヤー御大がダンサーの実演に助けられながら生で様々な講義を行うワークショップ、地元ハンブルクでは窓口に並ばないと手に入らないレアチケットですが、バーデンバーデンでは一般発売があり、2列目で観てきました。

ワークショップが始まる30分前に、ステージ上でバーレッスンがあり、観客は自由に観ることができます。これ、ハンブルクのワークショップのしきたり。ステージ上にはどっさりダンサーがいて贅沢な時間だったけど、私の席からはサーシャが見えなくて超悲しかった(泣)

ワークショップ本編のテーマはロミオとジュリエット。次の週末に、バーデンバーデンでこの作品を上演するので前説といった位置づけでしょうか。1時間40分休憩なし、ステージ上では原稿もなしに流暢にしゃべるジョンですが、舞台袖で眼鏡をかけて原稿を入念に確認している姿が見えておかしかったです^^

ロミジュリに入る前に、the World of John Neumeier冒頭のキャンディード序曲が!ロイドが出てきてあの感動再び!ってところで寸止め。ジョンが、明日も観に来てねと(たぶん)宣伝して本題に入っていきます。

残念ながらドイツ語わからない私はほとんどトークの内容は理解できず。実演があったシーンはこんな感じでした(どなたか抜けや間違いがあったら教えてください)。衣装はなく、基本はレッスン着です。音楽はピアノ一台。

・冒頭のロミオとロレンツォ神父(エドウィン)
・バスタオルのジュリエット(エミリー)
・クッションダンス
・出会いのパドドゥ(エミリー、ヤコポ)
・大道芸人の劇中劇
・寝室のパドドゥ(エレーヌ、サーシャ・トルシュ)
・Distantパドドゥ〜ジュリエットが薬を飲む(エミリー、ヤコポ)
・バルコニーのパドドゥ(エミリー、ヤコポ)

バーデンバーデンのロミジュリは3回公演で、すべて主役はキャストが違うそうです。アリーナ・コジョカル&エドウィン、エレーヌ&サーシャ・トルシュ、エミリー&ヤコポ。最後はまだコールド同士の若いペアで、私は彼らのロミジュリを幸運にも一度全幕で観たことがあるのですが、素晴らしくよかったのでした。もちろんエレーヌのジュリエットは別次元で凄いんですけど、ロミジュリって本当に若い人がやると疾走感があっていいんですよねー。ジョンは、今回ジジの娘のエミリーをバーデンバーデンのお客さんにアピールしたかったんだろうなあ。
(ちなみに去年の5月にハンブルクでロミジュリ3キャストを観たときの感想はこちら。 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941911683&owner_id=2438654

ジョンの軽妙なトークを雰囲気だけ楽しんだワークショップが終わったあと、ホワイエでジョンのサイン会があるというので、ちらっと楽屋口に顔出した後で列に並ぶことにしました。日本公演が素晴らしかったからこんなに大勢で日本から来ました!と伝えたら、Oh!と私達のグループを眺めてにっこり。また日本に来て下さいねと伝えたら "I will." と目を見て力強いお返事!どうやら来日交渉は進んでいる雰囲気、早期の来日が期待できそうです。サインはこの公演のポスター(アリーナとサーシャ・トルシュの白のパドドゥ、東京公演の写真だそうです)に入れてくれるのですが、「あなたの名前入れなくていいの?」とわざわざジョンが言ってくれたりと大サービス。ハンブルクではジョンとお話することはほとんどできないので、嬉しかった!そうそう、このポスターを劇場の人がくるくるきれいに丸めて輪ゴムをつけてくれるサービスまでありました。この劇場のホスピタリティ、素晴らしいな。

写真はサイン会でのジョン。
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◆the World of John Neumeier
10/8土 19:00-、10/9日 17:00-

Bernstein Dances - "Candide" Overture
Riggins, Heylmann, Arii, Tselikov, Friza, Azatyan and Ensemble

Shall We Dance? - I Got Rhythm
Azzoni, Riabko and Ensemble

The Nutcracker
Mazon, Riggins, Bouchet/Laudere(9.10.), Trush and Ensemble

Death in Venice
Riggins, Aguero, Azatyan

intermezzo - with Mythic Figures from the ballets "Orpheus", "Sylvia", "Odyssey" and "The Saga of King Arthur"
Riabko(Orpheus), Heylmann(Diana), Bouchet(Sylvia), Revazov(Odyssey), Riggins(King Arthur)

Peer Gynt
Cojocaru, Jung

Saint Matthew Passion
Riggins, Franconi and Ensemble

Christmas Oratorio
Riggins, Rios/Friza(9.10.), Heylmann, Evans, Wang and Ensemble

-Pause-

Nijinsky
Riabko, Bouchet, Martinez, Friza, Riggins and Ensemble

Hamlet
Laudere, Revazov

Lady of the Camellias
Cojocaru, Trush

Opus 100 - fro Maurice
Riabko, Urban

Third Symphony of Gustav Mahler
Azzoni, Jung and Ensemble

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日本公演がプレミアだった「ノイマイヤーの世界」ガラ。ほぼ日本公演と同じ内容、キャストでまた2回観ることができました。やっぱり楽しかったー!!!

日本公演と違ったのは、構成では、ペール・ギュントの前に「間奏」としてオルフェウス、シルヴィア、オデュッセイア、アーサー王伝説からのほんとにちょっとだけど抜粋が入ったこと。もともとジョンのナレーションにはこれらの作品の名前が入っていたのですが、日本公演では言葉だけだったところに実演を加えたってことですね。あと、ナレーションは当然ながらドイツ語でした(ただしステージ上方に英語の字幕あり)。キャストでは、日本公演時には怪我で来なかったカレン・アザチャンが復帰してヴェニスに死すのコンセプトを踊ってました。そして残念なことに円加ちゃんが体調悪くてツアーに来ていませんでした。彼女のいないクリスマス・オラトリオをみて改めて、そのパワーに気づかされました。早く回復して元気な姿を見せてくれますように。

作品詳細については日本公演のときにがっつり書いたので触れませんが
(日本公演のときのガラの感想はこちら↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1951066508&owner_id=2438654
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1951066537&owner_id=2438654
ロイドがあのとき以上に全力で踊りまくっていたのが印象的でした。実はガラ2日目の10/9はロイドの47回目のお誕生日!もちろんHappy birthdayのメッセージを添えてお花を投げました。

あと、間奏部分でサーシャのオルフェウスを観られたのが嬉しかったな。黒のタキシードとシルクハット+ヴァイオリンを持って踊るサーシャは素敵でした♪(ノイマイヤーのオルフェウスは竪琴ではなくヴァイオリン弾きの設定)。これ、もとはボッレに振付けられたものですが、私は一度だけサーシャで全幕を観ています。ただし、全幕作品自体の印象は今一つ薄かったなー。

あ、あと、コジョカルの白のパドドゥは東京公演のときもいいなと思ったのですが、そのときより更にいい印象。美しくウェーブした長い髪がよく似合っていて、コジョカルを初めて美しいなあと思ったり。彼女、一時期の、気を許した特定のパートナー以外には心を閉ざすような頑なさが少し消えてきた気がする。40手前になって精神的に大人になったのかな。彼女とトルシュの椿姫はとてもよさそう。来シーズンあたり、椿をハンブルクで再演してくれないかな!

第一部は群舞のパワーに圧倒され、そして第二部はニジンスキー〜Opus100〜マーラー三番、と感情の波が次から次へと襲ってくる構成、最後はジョンが愛に手を伸ばして終演。今回あらためてマーラー三番を聴きながら、ジョンは本当に愛の人なのだなあとしみじみと思いました。この天才振付家と同じ時代に生きて彼の活躍を目撃できることを本当に幸せだと感じます。ノイマイヤーさん、ありがとう。

会場の観客はスタオベ。ハンブルクから遠征してきた地元ファンも、傑作だと本当に喜んでいました。

この公演、1日目は2列目、2日目は1列目かぶりつきで観てまいりました。録音音源での上演で、オケピをつぶして少し低いステージが作ってあり、ダンサーがかなり近くで踊ることも多くてドキドキ。ただ、バーデンバーデン祝祭歌劇場は1階は段差がほとんどなく、ハスにもなっていないので、とても見にくいです。2階、3階は段差が大きくて見やすそうですが、舞台からはかなり距離がある。バレエやダンスの公演を観るときは、1階1列目か2列目がベスポジだと思います。

2日目は1列目だったので、サーシャ、シルヴィア、ロイド、ジョンに私達のグループからお花を投げることにしました。ハンブルクではカーテンコール時の花投げは恒例行事なのですが、バーデンバーデンでも許されているのか一応劇場の人に確認。実はジョンにお花を入れるのは初めての経験。友人の一人がステージぎわまで走って行って足元にお花をお供えするとジョンはちゃんと拾ってくださいました。しかも楽屋口で私達の方にその花束を上げて見せてありがとうとジェスチャー、抱えてタクシーに乗ってくださるというサービスっぷり!サイン会での交流含め、日本のファンからのメッセージをとても喜んでくださったように思います。少しでも早期来日の役に立てているといいな!

写真は、ノイマイヤーの世界のカーテンコールより、
満足気な表情のジョン。
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次のハンブルクを担う期待の新プリンシパル、カレン・アザチャン。
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怪我から完全復活、Opus100の笑顔がたまらないイヴァン。
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サーシャasニジンスキーとエレーヌasロモラ。
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そしてロイドasノイマイヤー!
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おまけ。楽屋口のサーシャとシルヴィア。
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最後に、バーデンバーデンという街についてちょっとだけ。小さくて緑が多く、ドイツというよりはイタリアのような、坂と小道の多いとても可愛い街でした。スパがあって裕福な高齢者の保養地という位置づけで、ハンブルク以上に治安がいいイメージ。あと、レストランがどこもとても美味しいです。祝祭歌劇場は世界中から有名なオケ、バレエ団などが入れ代わり立ち代わり引っ越し公演に訪れていて、その公演を目当てにこの地を訪れる人も多いようです。ハンブルクバレエは毎年この時期にバーデンバーデンツアーを行っていて、第二の本拠地みたいなものだとサーシャが言ってました。街が小さいので、例えば終演後にレストランに入ったり、日中道を歩いてたりスーパーに入ったりすると、ダンサーにばったり出会うこともしばしば。ファンにとっては幸せな体験でした!
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