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2016年10月08日19:37

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9月の読書記録

先月はケアマネの勉強プラス、中盤あたりから心身の調子が不調で、思うように本が読めなかった。ナイスもここしばらくの好調ぶりに比べると、かなり少ないし。10月はもう少し本を読むようにしよう。

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2856ページ
ナイス数:62ナイス
http://bookmeter.com/u/4147/matome?invite_id=4147

■禅堂生活 (岩波文庫)
我々一般的な日本人からも遠い世界と感じられる禅堂での修行生活。その生活の概要をつづった本書が戦前のアメリカで出ていたという事実に今更ながらに驚かされる。そして、同時に普段の生活から縁遠いはずの禅堂での生活に何とも言えない憧憬を抱いてしまうのが、余計に驚き。本書の随所に引用される禅問答のエピソード。その手のエピソードを目にする度に、煙に巻かれたような気持になるのとともに、やはりそこに何がしか奥深いものを感じさせるのも確か。求めても求めても究極の答えを見いだせない、そんなところに禅の魅力を感じた気がする。
読了日:9月23日 著者:鈴木大拙
http://bookmeter.com/cmt/59213532

■プラトンとの哲学――対話篇をよむ (岩波新書)
本書でも言及されているとおり、哲学の元祖的な扱いを受けるのと同時に、ポパーを始めとする現代の哲学者から白眼視もされがちなプラトン。そのプラトンの作品と対話することによって読み解こうとする画期的な試み。実際に作者が所々で、「プラトンさん…」と語りかけるのが、正直若干気持ち悪くもあるが(笑)、著者のプラトンに対する思いが伝わってくるのも確か。また、ポパーから全体主義者的という批判を受けたりもするが、必ずしもそういう括りでは捉えきれない側面もあるというのは発見だった。これを機にプラトンの作品を読み返してみたい。
読了日:9月19日 著者:納富信留
http://bookmeter.com/cmt/59132153

■対談評釈 イエスの言葉/禅の言葉
禅とキリスト教…お互い似通った要素がありつつも、やはり根本的には相いれない二つの立場。そのお互い譲れない部分を認め合いつつ対話を重ねていく二人の宗教者。対談集で比較的読みやすいとはいえ、それでもかなりのヴォリュームと内容で、ちゃんと読み通すにはある程度の教養と胆力が必要。個人的には有名な十牛図について解説する箇所が一番興味深く読めたか。この二人には更に色々なことを語ってほしかったが、惜しくも上田氏は既に鬼籍に入られている。今、深い見識をもって違う立場から自由に議論できる宗教者がどれだけいるだろうか?
読了日:9月17日 著者:上田閑照,八木誠一
http://bookmeter.com/cmt/59064669

■安倍晋三が〈日本〉を壊す──この国のかたちとは:山口二郎対談集
安倍一人が悪いのではない。ただ、安倍政権が続き、しかも高支持率を獲得しているという事態には、安倍という人間がこの時代の負の部分を象徴しているということは否めないのでは?という気がした。いみじくも、佐藤優が「安倍さんは我々の醜い姿だ」と述べているように。そうした中で必要なのは、「おかしいことはおかしい」と言い続けることであり、地に足のついた形での市民のネットワークであり、市場経済とは別の形での経済活動を少しずつ行っていることであると感じた。とにかくできることから少しずつやっていくほかないのではないか?
読了日:9月13日 著者:内田樹,柳澤協二,水野和夫,山岡淳一郎,鈴木哲夫,外岡秀俊,佐藤優
http://bookmeter.com/cmt/58987068

■佐藤優さん、神は本当に存在するのですか? 宗教と科学のガチンコ対談
宗教と科学、双方の立場からのリアルな…というより身も蓋もない議論の応酬というのが、第一印象。一見、真逆の立場に立つが、その身も蓋もない素の立場に立てば、結構話が通じるものなのか?という気がした。何より興味深く、かつ複雑な気持ちにさせられたのは、佐藤氏がキリスト教はだぶる・スタンダードであり、自分自身クリスチャンであることがしんどいと告白していること。宗派は違うとはいえ、同じクリスチャンとして、「それを言っちゃあ…」と言いたくなる。後、人間と猿との下半身を巡る話は、何だか自分の生の意味に疑問がわいてきた。
読了日:9月12日 著者:竹内久美子,佐藤優
http://bookmeter.com/cmt/58960080

■正念場―不易と流行の間で (岩波新書)
『ソフィーの世界』も二十年前のことになったんだ…前書きを読んでそんな感慨に囚われた。著者が危惧していたように、そのブームも一過性に終わり、文科系はますます隅に追いやられる昨今、本書が扱っているトピックは今でも今日性を持っているということに驚かされる。テクノロジーをテーマにしているエッセイが多いのが印象的だが、恐らく当時のネット普及とシンクロしているのだろう。帯に「身についた哲学の再生のために」とあるが、そんなものとは程遠い現状にあって、それでも草の根的に何かをやっていかねば、という気にさせられる。
読了日:9月10日 著者:中村雄二郎
http://bookmeter.com/cmt/58905121

■新哲学入門 (岩波新書)
これって入門書ちゃうやろ?!というのが正直な感想。これまである程度廣松の作品を読んできた僕でも読了するのがかなり辛かった。ましてや哲学初心者が本書を手にしても、大半の人が挫折するに違いない。とにかく独特の夥しいまでに頻出する廣松語が大きなハードルだし、しかもそれらの語に一切注釈がついていないというのは、いかがなものか?本書は、哲学科の一年生が演習などで教師の解説付きで読むべきだと思う。本当に本書を入門書という体裁にするなら、できる限り噛み砕いた内容で、二倍くらいの分量にすべきではないだろうか?
読了日:9月9日 著者:廣松渉
http://bookmeter.com/cmt/58893333

■太宰治 (岩波新書)
帯に「再入門」と銘打っているだけあって、太宰の主な作品をコンパクトな形で紹介しており、その文学世界を概観するのに便利ではある。概ね興味深く読めたものの、新書という制約もあるが、どこか食い足りなさを感じたのも確か。ただ、これは「もうちょっとこういうところを突っ込んで欲しいな…」というこちら側の無い物ねだりではあるが。個人的にとりわけ共感を覚えたのは、太宰の文体について多く言及しているところ。その文学世界もさることながら、思わず読者を惹きつけてしまう魅惑的な文体については、もっと言及がなされていいはず。
読了日:9月7日 著者:細谷博
http://bookmeter.com/cmt/58847952

■漱石文学全集 第1巻 吾輩は猫である
遠い昔に挫折し、その後なかなか手が出ないままに今日に至っていた本書。思い切って手に取ってみたが、思ってもみなかった程、色々な発見があってちょっとびっくり。昔だったらスルーしていたような、様々な文学作品や哲学者の名前が頻出していて、十代前半でこの本を読んだ人は、一体何を理解していたのだろうか?と思ってしまった。後、苦沙味先生とその奥さんとのやりとりに、実際の漱石夫妻がどれだけ反映されているのだろうか?と深読みしてみるという楽しみもある。また、それだけ漱石が冷静に自分を分析していたことに気づかされる。
読了日:9月4日 著者:夏目漱石
http://bookmeter.com/cmt/58796681


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