刹那

坂口杏里「トップになりたいなー」と意欲
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独身の頃、所謂性風俗に勤めている女性と付き合っていた事があった。

もう、20年近く前の話だし、その相手も家庭を持って幸せに暮らしているので、あまり詳しくは書けないが、当時の僕の気持ちを少し綴ってみたいと思う。

彼女の仕事のコトを知ったのは付き合ってからだ。
もし、付き合う前にそのコトを知っていたら。
おそらく僕は彼女を好きになったかも知れないが恋愛対象としては見られなかったと思う。

世の中には、そういう職業があって、それを誇りに思って働いている人もいるのかも知れないが、それはその女性の事情。
やはり男としては、自分の好きになった彼女が、自分以外の人と性行為をしているコトを許せることは出来ない。

こう書くと、僕は性風俗に勤める女性を職業差別している批難されるだろうか。

でも、それは僕の本心だ。

自分と関わりのない立場では、どんな綺麗事も並べ立てることはできる。

でも、それが自分の彼女だったら。
自分と関わりのある女性で、それが愛する彼女だったら尚更、そんな綺麗事なんて、とてもじゃないが並べることは出来ない。

何故って？
好きだから、だ。
彼女を好きで、大切にしたいと思うからこそ、自分以外の男と性行為をするコトをどうしても許せなかったのだ。

結果として僕は、彼女を性風俗の仕事から足を洗わせた。
幸い、彼女の生い立ちに問題があっただけで、彼女自身に借金がある訳でなかったので、仕事は辞めるコトが出来た。

当時の僕は、1人暮らしでお金もなかった。
彼女はフリーターとして働き、僕は彼女と同棲するコトで、2人で支えあって生活していた。
本当にお金が無かったが、それでも幸せだった。
きっと、彼女も幸せだったと思う。

付き合った頃より、笑うことも多くなった。

付き合っていたのは2年くらい。
縁なく、別れてしまったが、お互い結婚するまでは、度々電話で連絡を取り合っていた。
今は、彼女もきちんとした家庭を持ち生活され、僕も家庭があるので連絡を取ることはなくなったが、僕の若い頃の貴重な思い出と大人になる為の貴重な経験を得た相手として、僕の胸の中に大切にしまってある。

もっと自分を大切にしろ。

彼女には、そんなことをよく言った気がする。
思うに、当時の彼女には、どこか自棄になっている部分があった。
刹那的に物事を考える部分があった。

もし。
小峠さんのバラエティでの発言を、坂口さんが真に受けているとしたら。

それは間違っていると思う。

何処の世界に、自分の好きになった彼女が、こんな形でAVに出ていることを心から応援できる男が居るのだろう。

それは寛容なんかじゃない。

本心から応援しているとしたら、それは無関心だ。
彼女がどうなろうと知ったこっちゃない、如何でも良い、と思うから応援できるのだ。

1度は自分の愛した女性なら。
そして、決して憎んで別れたのではなかったなら。

彼女には幸せになって欲しい。
そう願うのは、果たして僕だけなんだろうか。

そして彼女が坂口さんのような境遇にあれば。

それこそ

「何やってるんだ！！もっと自分を大切にしろ！！」

そう言って叱り飛ばしたい気持ちになるんじゃないのか。

それが叶わないことでも。
小峠さんの心境は、そんな気分じゃないだろうか。

僕は坂口さんには、かなりの部分で刹那的な所があると思っている。
そして、自棄になる余り、何でも自分の都合の良いように物事を考えて、自分の自棄になっている行動を認めようとしている風な。
これは、彼女の家庭環境を含めた、価値観なんだろうと思う。

誰かが彼女のそばに居て、彼女にとって耳障りなコトでも、確りと彼女に言って聞かせ、彼女を支えてあげなければ。
きっとその刹那的な考えに流され、彼女は落ちる所まで落ちてしまいそうな気がしてならない。

誰か。
彼女のことを真剣に思ってくれる人がそばに居れば…。