「前提のズレ」

　日ごろ感じていることに「前提のズレ」があります。そこを問題視せずに議論しても、議論は空回りするだけで、何の成果も得られません。特に最近のように世界中が「自己中心主義＝保護主義＝グローバリズムの否定＝国際協調の否定＝新自由主義」が際立ってくると、ますますそれぞれの認識と言うか価値観と言うか立ち位置を明確にして、その前提のズレを意識して議論しなければ意味を成しません。

　日本人のトラウマに「戦前の日本はエゴイスティックに富国強兵を目指して、清国や露国、米国と戦争をしたのが悪かった。戦争はすべきではない。国際協調が基本であり、日の丸君が代、愛国心、帰属意識、徴兵制度、軍隊、天皇陛下、みんな悪いことだからあってはならない。２６７０年の歴史などと言う大和民族バンザイと言う島国根性は捨てて、世界中の人々と仲良く暮らさねばならない。だから日本に住みたい外国人にもネイティブな日本人と同じ権利を与えるべきだ」と言った考えが多かれ少なかれあって、その前提で国会でもマスコミでも外交問題も防衛問題も社会福祉も労働問題も議論しようとしています。

　ですが、それは大きな間違いであって、現在世界中で吹き荒れている風は「アメリカ・ファースト」「中国・ファースト」「イギリス・ファースト」「フィリピン・ファースト」「韓国・ファースト」「北朝鮮・ファースト」「オーストラリア・ファースト」「ドイツ・ファースト」「フランス・ファースト」「ロシア・ファースト」・・・であって、それぞれが「富国強兵」を目指して、「国旗国歌を称揚」し、「愛国心・帰属意識」を煽り、国際協調を逆行させ、ＴＰＰに反対し、ＥＵから離脱し、自国のエゴを押し付け、東シナ海や南シナ海、クリミヤ半島を乗っ取り、竹島や尖閣を犯してきます。ですから日本人もいつまでも反省と謝罪ばかりするのではなく、「ジャパン・ファースト」を目指すべきなのです。

　「ジャパン・ファースト」となれば、『前提』は「他国の利益よりも自国の利益が最優先」ですから、一気に問題は解決していきます。「他国の言い分は念頭に置かなくても良い」のであって、必要なのは『愛国心と帰属意識』です。「靖国参拝」も堂々とすればよいし、「従軍慰安婦の謝罪も賠償」も不必要なことです。尖閣に侵入する外国の漁船があれば撃破すればよいし、竹島は奪還すればよい。「当然のことを当然に」粛々と進めてばよいのです。これまで大国日本が小国中国や韓国の言いなりになってきたのは、「ジャパン・ファースト」ではなかったからです。「在日ファースト」で大幅な権利要求に譲歩を重ねてきたのであって。その方が異常なのです。あの移民の国アメリカでさえ、「国旗国歌を称揚して、バイ・アメリカン法を作り、メキシコとの国境に壁を作る」と言っているのです。

　さて、一番の問題は、国会議員が「愛国心と帰属意識」を持たず、「ジャパン・ファースト」になって居ないことです。野党の民進党が自民党を押しのけて政権を握るには、自民党以上に「愛国心と帰属意識」をもって、「ジャパンファースト」で自民党の出す政策を攻撃して、外国勢力の影響を排除し、党利党略を回避して、偏ったイデオロギーでない「純粋な日本」を建設する政党なのだと国民に認められた時に初めて「政権」を奪還できるのに、何をトチ狂ったのか、「在日外国人」バリバリの蓮舫さんを党首に据えて、「や〜や〜、我こそは中国名を持った日本人なるぞ」と目をむいてがなり立て、平然と「日本の首相になってやる」と豪語します。これでは到底安心して民進党に政権をお願いしたいとは国民はだれも思いません。「真正日本人」なら誰でも、愛国心と帰属意識はおのずから持っています。

　もっと、おかしなことは自民党の支持者の中にも「愛国心と帰属意識」に欠ける人が大勢いるという事です。「愛国心と帰属意識」さえあれば、一旦緩急ある場合には男も女も大人も子供も、自分の家族を守り、自分の会社を守り、自分の国を護ることは当然であり、中國人や韓国人ですら愛国心があればこそ、日本に向かって攻撃を仕掛けてきているのに、日本人の多くは「徴兵は嫌だ」などと平気で言います。でも、本当に侵略が始まれば、海外に脱出することしか考えていないでしょう。シリア難民と違って日本人は１億２千７百万人もいます。そんなにたくさんの難民を受け入れる国はないだけでなく、現にヨーロッパに押し寄せた難民がどんな暮らしをしているのか？東日本大震災の被災者以下の住むところも食べ物もなく、言葉も通じず、援助もなく「収容所」に明日の暮らしの目途もたたずに生きているだけなんです。

　僕の思いは「国会議員はすべて愛国心と帰属意識」を最低の『前提』として、討論していただきたい」。それが国民の税金を使って国の方向を決めている人間のせめてもの使命ではないかと思います。