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2016年09月26日00:30

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いって、よかった

さて「つぶやき」で書いてましたが、二四日の日曜に新海誠監督の「君の名は。」を観てきました。
「シン・ゴジラ」を日本橋で観た時、まだ上映前でしたが広告が出ていました。
その時「数寄屋橋?」と「つぶやき」に書いたことを記憶しています。
なんで数寄屋橋かと言うと、この作品が上映されるより六〇年くらい前、ラジオドラマ(のちに映画化、テレビドラマ化、リバイバル多数)で作られた「君の名は」で舞台になっていたところなんですね。
まあ私が知ったのは、「パタリロ!」でネタにされていたからなんですけど。
たしか単行本一〇巻に掲載された話で、作中でも特に印象的な物語だった記憶があります。
そうですね、「パタリロ ロビー 宇宙 ロケット」とかで検索したらすぐ出ると思いますね。
で、その作中でタマネギ部隊の一人が「君の名は」って言ったらパタリロが、「まち子」って岸恵子さんのカッコして「真知子巻き」した姿で答えるんですね。
「これ、どういうネタ?」と詳しい方に聞いて、ようやく知ったんです。
確か、小学六年生くらいの頃と思いましたが。

さっそく話がそれました、戻しましょう。
ただ、今回の映画の内容を観るに、新海誠監督じしんも、こっちの「君の名は」のことを知っていて、意識していたフシがあります。
まあ当然ですね、だいたい新海誠監督くらい勉強熱心な方が過去の名作を知らない(または、調べてない)なんてことないでしょうし。

近くの映画館で、朝九時すぎに上映される回を予約したので、朝に観ている「プリキュア」も早々にきりあげて出発しました。
で、携帯電話やiPadをいじって事前の情報を得たり内容のことを調べたりしていました。
絶賛されている方もいる一方で、辛口の評価の方もいらしていたんですね。
まあ、「シン・ゴジラ」だってそうでしたし、こうした評価って参考になりますけど最後に決めるのは、自身です。
だいたい観てもいねェやつが偉そうなこと言っても、まったく価値がありませんしね。

あとは、とにかく観るしかないな、と思いながら駅に着くのを待ちました。
そして駅に着いたら、映画館に向けて駆け出しました。
上映開始時間が近い上に、駅から歩いて一〇分弱のところにあるショッピングモールのさらに奥にある映画館なので、到着まで時間がかかるんですね。
しかも着いた時が午前八時五〇分くらいなので、まだショッピングモールも営業しておらず、裏口と言うか通用口からいくことになります。
そんなこんなで映画館に急ぎ、先にパンフレットを買ってから席に着きました。

で、映画が始まるまでに少しパンフレットを読みましたが、宣伝にあったような内容と、新海誠監督が手がけた美術のこと、田中将賀さんが手がけたキャラクター描写などが書かれていましたが、物語のことは、あまり詳しく書いてありませんでした。
だから私は、映画が始まるまで内容というか……まあ、知らずに済みましたね。

で、他作品の宣伝などが流れた後で本編が始まりました。

以下 感想と雑感 ネタバレ注意につき 空欄がつづきます。



































で、映画が始まって美しく流れていく彗星と、彗星のかけらが割れて落ちていく描写が出てきました。
私の年代と言うか私だけかもしれませんが、こうして天体が落ちてくる時に何か独特の高い音階が出る笛みたいな擬音が聞こえてきます。
そして物悲しげな女性のスキャットが流れて、地球が赤く染まって行き、舞台が冥王星の……また話がそれました。

内容は、宣伝だと「入れ替わり」のところが強調されていて「新海誠監督、コメディ風の展開に挑戦したのかな?」なんて思いましたが、じっさい観たら数多の面で裏切られました。
もう途中から涙腺に来てしまって、泣けてきましたね。
あと、前に作られた「君の名は」も、会えそうで会えない二人の男女のすれ違いが続くんですが、こっちの「君の名は。」も、そうしたところがありました。

美術と背景の美しさに定評がある新海誠監督だけに、とても美しい描写が光っていましたね。
また、独特の色調というんでしょうか、うっすら青と言うか紫っぽい感じの配色も素敵でした。

ただ「秒速5センチメートル」もそうでしたが、新海誠監督がじょうずなのは、個々の人々の「間」の作り方だと言う気もします。
三葉の友人であるてっしーこと勅使河原克彦、サヤこと名取早耶香、そして祖母と妹。
それぞれの会話と展開が、とても小気味良く伝わってきました。
そして遅れて出てきた立花瀧、彼の声が神木隆之介さんだったので、「また夏ごろの作品に出ているんだな」とか思いました。
奇しくも今年、大河ドラマで舞台になって注目された有名な旧家を舞台にした、「夏の戦い」の物語を。

あ、製作者も展開もぜんぜん違いますが、彼(神木さんが演じる主人公)が奮戦して多くの人に関わっていくって意味じゃ、ちょっと近いですね。
新海誠監督は、かの真田家が(一部を)治めていた信州の生まれでもあるそうです。

ともあれ先に書いたように、途中まで割と軽妙と言うか楽しいノリになっていたので、コメディな展開が続くのかと思いきや、夏祭りを境に大きく変わりました。

そのあとは、もう怒濤の展開で、ひたすら驚かされました。
iPhoneに記載されていた日記が消えていく場面は、すごく悲しく恐ろしく感じました。
隕石が市街地に落ちるなんて? とか前なら言えましたけど、すこし前にロシアで市街地の近くに落っこちたりしてましたから、「まさか」と言えないんですよね。
それにロシアは、かの有名なツングースカの例もありますし。

それに物語の舞台になっている糸守町の湖も、不自然なほどきれいな円形だったから「ひょっとして?」と思ったら案の定でしたし。
ここらへんじゃ隕石が作ったクレーターの湖なんてありませんが、カナダやアメリカ大陸の一部にあるらしいです。

メキシコのユカタン半島の上半分も、でかい隕石が落ちた後があるって言われていますし。

三葉の祖母の一葉さんが、謎めいた「むすび」って言葉を使うのも、大きな伏線だったわけですね。
そもそも「むすび」って字も「いとへん」つきますから、あとから「なるほど」と思いました。
いえ、ひととの「縁」や「絆」って字にも「いとへん」がつきます。

こうして考えると私たちは、たくさんの糸の上を、蜘蛛のように恐る恐るしずかに進んでいるのかもしれません。
でも、それじゃ助けられないんだ! と瀧は、記憶にあった場所(この「ご神体」も、なんか神秘的と言うか、まるで「どこかから落ちてきたように」無造作に平らな所になるんですよね)に行って「口噛み酒」を飲みました。


「シュタインズ・ゲート」風に言えば、世界線を越えたわけですね。
あ、そういや「線」って字にも「いとへん」付いてました。

とにかく過去に戻った瀧(三葉の体を使って)は、ものすごい勢いで町の人を助けようとしてました。
これで、周りの人に理解されないで閉じ込められたら藤子F先生の「ノスタル爺」みたいになっちゃうな、なんてヘンテコなこと考えながら、瀧(体が三葉)の奮戦ぶりを手に汗握って観ていました。

三葉と瀧が、三年の時を越えて出会う場面とか、もうボロ泣きでしたね。
この会えそうで会えないもどかしさ、そしてやっと会えた時の高揚感、確かに「君の名は」だな、なんて泣き笑いしながら観てました。
でも会えたのが一瞬、さらに時の流れは、無情にも互いの名さえ押し流してしまいます。

しかも、そのあと二人は、互いの名を口にすることがありませんでした。
それでも町を救うことを託された三葉(元に戻っています)は、まなじりを決して関係の良くなかった父の許にも行き、最後の手段に出ました。

時が流れ、二人の時空を超えたタッグで糸守町の人々も助かり(でも、あの被害ですから「自治体としての」糸守町は、たぶん消えてしまったでしょう。だから、てっしー達も……です)、互いの名を思い出せないまま、瀧と三葉も歳月を重ねていました。
想い人と結ばれないパターンは、「秒速5センチメートル」でもあったな、とか思いながら観ていると、最後にドンデン返しが待っていました。
でも瀧の場合、憧れだった奥寺ミキ先輩と結ばれなかったので、先に挙げた作品に近いのかもしれません。
しかし、広いというかものすごい数の人がいる都内で、良く会えたもんです。
ま、これこそ「縁」と言うんでしょうね。

最後に逢えた時は、本当に良かったと泣けてきました。

つくづく、本当に良い作品に会えたと思いました。
あと、食わず嫌い良くないですね、先入観に惑わされず観に行って良かったです。
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