もうすぐ9月も終わりです。
秋も深まっていきますね。
今日はデュエルの続きをアップします!
遊星vsバクラの前にちょっとした前座とのデュエルをします。
「招かれざる決闘者」その49
愛姫に導かれて霧の立ち込めるハイウェイを遊星はDホイールで走っていく。小一時間ほど走ったあたりで遊星は不気味な気配を感じ取り、Dホイールを止めた。
「うん?霧でよく見えないが前から誰かが来る。物凄い殺気を感じる。あれは?」
霧で見えない空間に何者かの足音だけが木霊する。特徴的な魔力を察知した愛姫がそれを遊星に告げる。
「あの魔力の波動、間違いないよ。あれがバクラだよ。」
「あれが、バクラ・・・」
「・・・愛姫!」
その時、上空から聞き慣れた声がして上を見ると純白の翼を広げた少女が地上へと舞い降りようとしていた。遊星もすでに知っている愛姫の相方である雪鏡だ。
「あ、雪鏡ちゃん!」
「君は?」
「・・・不動遊星、よくここまで来た。貴方ならここまで来れると思ってた。」
雪鏡は不動遊星の前に立ち、感心したような表情で言った。雪鏡が愛姫以外に賞賛の言葉をかけることはとても珍しい。何だかんだで不動遊星のことは気に入っているようだ。
「後はバクラをデュエルで倒すだけ、私達が手助けできるのはここまでだよ。」
「ああ、ありがとう。俺は絶対に負けない!」
愛姫と雪鏡に見送られ遊星はDホイールを走らせた。残された2人は上空へ舞い上がり遊星に続き見守ることにした。数分の後、ついに不動遊星はバクラと対峙した。
「てめえが不動遊星だな?俺様を探していたらしいな?」
バクラは不動遊星の情報を既に守護精霊となった未子から聞かされている。目の前に現れた遊星の気を感じ取ったバクラはその力の強大さを感じ取り心底嬉しそうな表情をしている。
「ああ、そうだ。お前の悪行の数々、絶対に許さないぞ。」
対して遊星は悪の根源であるバクラに対し怒りの表情を見せる。バクラが何のためにこの世界に邪気をばらまいてきたのかを遊星は知らない。それを説明してしまうと興醒めなのでバクラも敢えてそれについて反論はしない。
「けっ!てめえだって別の世界から来たんだろう?この世界がどうなろうがてめえには関係ねえだろう?」
「確かに俺はこの世界とは関係はないかもしれない。だが、目の前で誰かが傷つけられたているのを黙ってみていられるものか!お前のせいで何人もの人間が犠牲になっているんだぞ!」
「ヒャハハハ!!確かに俺様はこの世界で強いデュエリストたちを狩ってきた。だがな、俺様自身は誰も殺しちゃいねえ。街が荒廃したのはあくまで街の連中の意志だ。」
「何?」
バクラはデュエリスト狩りでデュエリスト達をカードに封印してきたが命を奪ったわけではない。カードの中で確かに生きている。街で死者が多数出ているがそれはバクラとは直接関係の無い話だった。
「俺様はこのくだらねえ平穏な世界に混沌のきっかけを与えたにすぎねえ。まあ俺様の思惑通り世界は混沌に満ち、強い邪念を持つデュエリストがあぶり出されてきたわけだ。それを俺様が狩ると言うわけだ。おかげで俺様の退屈しのぎになってくれたよ。」
「退屈しのぎ、そんなことのためにお前は!」
「まあ理由はそれだけじゃねえんだが、今は話す時じゃねえな。さあ、構えな。てめえが本当に俺様とやり合うだけの器があるか試してやるぜ。さあ、受け取れ!!」
そう言うとバクラは遊星に向かい一枚のカードを投げつけてきた。反射的に遊星はそのカードを受け取った。それは1枚の罠カードだった。
「これは・・・?」
「まずは小手調べと行こうぜ。てめえは俺様のしもべとデュエルし、そのカードの効果で勝つことができればてめえを認めてやるぜ。」
「このカードの効果だと・・・?」
そう言われて遊星は受け取った罠カードを確認する。そのカードは「不運なリポート」だ。
不運なリポート 通常罠
相手は次のバトルフェイズを2回行う。
相手が2回バトルフェイズを行うカード。単体ではただ相手が有利になるだけの壊れカードだ。こんなものをデッキに入れているデュエリストはまずいない。こんなカードを使ってデュエルに勝てというのだ。それを聞いていた上空の2人も難しい表情をしている。
「相手は次のバトルフェイズを2回行うってただ不利になるだけだよ?そ、そんな無理だよ!?」
「・・・確かに一見ただのデメリットカード。でもそれを輝かせるのが不動遊星、大丈夫よ。」
自分たちにはこれを有効に使う手段は思いつかない。雪鏡については一応可能性は見えたが、それを実行するのはかなりハードルが高いことにも気づく。これが小手調べとはなかなかにハイレベルな話だが、2人は遊星ならできると信じていた。2人の期待通り遊星は不運なリポートを見つめすでにその戦略を頭の中で組みあげているようだ。
「ヒャハハ!まあ、せいぜい頑張りな!さあ、現れろ!闇に堕ちた哀れな骸よ!」
バクラが叫ぶとバクラの前に不気味な魔法陣が形成される。未子の力で複雑な召喚魔法をバクラも使用することができるのだ。
「うおおぉぉぉ・・・」
魔法陣から現れたのは骸骨のようにげっそりとした表情をした不気味な風貌の少年だった。
「こいつは?」
「こいつはゴースト・・・何だっけな。忘れちまった。俺様が闇のデュエルで葬ったデュエリストだ。」
その昔、ゴースト骨塚と言うデュエリストがバクラによって闇の世界へ引きずり込まれた。それ以来、バクラのしもべとして生きている。元々根暗な性格のためバクラの闇世界は彼にとっては案外居心地の良い世界だったようだ。だがバクラには名前も覚えてもらっていないという不遇の扱いも受けていた。
「まあ、見た目は不気味だがそれなりの強さを持った奴だぜ。俺様の力でちょっとパワーアップしているがな。」
「お前なんて俺のゴーストデッキで一捻りだぞぉ!」
目の前に現れた不気味なデュエリスト。今すぐにでもバクラを倒したい遊星だがまずが降りかかる火の粉を払わなければならない。
「くっ、分かった。このデュエル、受けて立つ!!」
こうして遊星の「不運なリポート」の効果で勝利するというチャレンジデュエルが始まった。
「デュエル!!」
不動遊星 vs ゴースト??? LP 4000 チャレンジデュエル
遊星の勝利条件 「不運なリポート」の効果で勝利する
「俺の先攻!俺のターン!!」
遊星 手札×5→6 LP4000
「俺は手札のレベル・スティーラーを墓地へ送り、クイック・シンクロンを特殊召喚!!」
遊星の場にウェスタン風のガンマンロボットが現れる。
クイック・シンクロン 守備力 1400 ★5 自身の効果で特殊召喚
レベル・スティーラー コストとして墓地へ
「さらにレベル・スティーラーの効果でクイック・シンクロンのレベルを1下げ、レベル・スティーラーを墓地から特殊召喚!」
クイック・シンクロンから星が一つ飛び出し地面から現れた巨大天道虫がその星を食べる。その後クイック・シンクロンの隣に鎮座した。
クイック・シンクロン ★5→4
レベル・スティーラー 守備力 0 ★1 墓地から特殊召喚
「さらにチューニング・サポーターを召喚!」
遊星の場に小さなロボットが現れる。
チューニング・サポーター 攻撃力 100 ★1 通常召喚
「俺はレベル1チューニング・サポーターとレベル・スティーラーにレベル4クイック・シンクロンをチューニング!!」
クイック・シンクロンは他のシンクロンチューナーの代わりになる。目の前に現れたルーレットを撃ち抜きジャンク・シンクロンを撃ち抜いた。これでクイック・シンクロンはジャンク・シンクロンとして扱われる。
「疾風の使者に鋼の願いが集う時、その願いは鉄壁の盾となる、光差す道となれ!」
クイック・シンクロンが4つの光の輪となり残る2体のモンスターがその輪をくぐり一筋の光となる。
「シンクロ召喚!」 ★1+★1+★4=★6
一筋の光は輝きを増し大きな光となる。
「現れよ!ジャンク・ガードナー!!」
ジャンク・ガードナー
戦士族/シンクロ・効果 地属性 ★6
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、表示形式を変更する事ができる。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。このカードがフィールド上から墓地へ送られた場合、フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、表示形式を変更する事ができる。
攻撃力 1400 守備力 2600
光の彼方から現れたのは鉄壁の防御能力を持つ緑色のロボット戦士ジャンク・ガードナーだ。相手モンスターの表示形式を変更する能力がある。これを出せば大抵の防御ができる。先手としてはかなり有効なモンスターだ。
レベル・スティーラー シンクロ素材
チューニング・サポーター シンクロ素材
クイック・シンクロン シンクロ素材
ジャンク・ガードナー 守備力 2600 ★6 シンクロ召喚
「チューニング・サポーターの効果でカードを1枚ドロー!」
遊星 手札×3→4
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
不動遊星 LP4000 手札×2 場 モンスター×1 伏せ×2
「俺のターンだぞぉ!」
ゴースト??? 手札×5→6 LP4000
「俺は永続魔法『魂吸収』を発動するぞぉ」
魂吸収 永続魔法
このカードのコントローラーはカードがゲームから除外される度に、1枚につき500ライフポイント回復する。
「さらに魔法カード『封印の黄金櫃』でデッキから『ネクロフェイス』を除外するぞ。」
封印の黄金櫃 通常魔法
デッキからカード1枚を選んで除外する。このカードの発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。
ネクロフェイス
アンデッド族・効果 闇属性 ★4
このカードが召喚に成功した時、ゲームから除外されているカード全てをデッキに戻してシャッフルする。このカードの攻撃力は、この効果でデッキに戻したカードの枚数×100ポイントアップする。このカードがゲームから除外された時、お互いはデッキの上からカードを5枚ゲームから除外する。
攻撃力 1200 守備力 1800
フィールドに巨大な金色の棺が現れ、その中に不気味な顔だけのモンスターが入れられる。
「ネクロフェイスが除外されたことで俺のライフは回復するぞぉ」
ゴースト??? LP4000→4500
「さらにネクロフェイスの効果でお互いのデッキから5枚のカードを除外するぞ!」
「何!?」
ネクロフェイスがその触手をお互いのデッキに伸ばしカードを5枚ずつ異次元の世界へと引きずり込んでいく。
遊星 ジャンク・シンクロン、ロードランナー、調律、シールド・ウォリアー、シンクロン・エクスプローラー除外
ゴースト??? メデューサの亡霊、ドラゴン・ゾンビ、闇より出でし絶望、ゴースト王パンプキング、ワイトキング除外
「全部で10枚のカードが除外されたぞ。と言うわけで俺は5000ポイント回復するぞ!」
ゴースト??? LP4500→9500
ネクロフェイスと魂吸収による大回復。いくら回復したところで勝利が決まるわけではないがここまでのライフ差がつくとかなり厳しい状況となる。
「俺はさらに魔法カード『おろかな埋葬』を発動、デッキからワイトプリンスを墓地へ送るぞ。」
ワイトプリンス
アンデッド族・効果 闇属性 ★1
(1):このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。「ワイト」「ワイト夫人」1体ずつを手札・デッキから墓地へ送る。(3):自分の墓地から、「ワイト」2体とこのカードを除外して発動できる。 デッキから「ワイトキング」1体を特殊召喚する。
攻撃力 0 守備力 0
デッキから骸骨の王子が直接墓地へと堕ちていく。
おろかな埋葬 ワイトプリンス墓地へ
「ワイトプリンスの効果でデッキからワイトとワイト夫人を墓地へ送るぞ。」
ワイト
アンデッド族 闇属性 ★1
どこにでも出てくるガイコツのおばけ。 攻撃は弱いが集まると大変。
攻撃力 300 守備力 200
ワイト夫人
アンデッド族・効果 闇属性 ★3
このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。 また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、 「ワイト夫人」以外のフィールド上のレベル3以下のアンデット族モンスターは 戦闘では破壊されず、魔法・罠カードの効果も受けない。
攻撃力 0 守備力 2200
ワイトプリンスの両親であるワイトとワイト夫人が墓地へ遊びに行った子供を見守るために同じく墓地へと堕ちていく。
ワイトプリンス 効果発動 ワイト、ワイト夫人墓地へ
「まだだぞ。手札のワイトメアを墓地へ送って除外されているワイトキングを特殊召喚するぞ!」
ワイトキング
アンデッド族・効果 闇属性 ★1
このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する「ワイトキング」「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、 自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
攻撃力 ? 守備力 0
ワイトメアは骸骨の貴族、自らが墓地へと堕ちることで異次元にいる骸骨の王を呼び出すことができる。異次元の扉から巨大な骸骨の王が現れた。
ワイトメア 手札から墓地へ
ワイトキング 攻撃力 ? ★1 除外ゾーンから特殊召喚
「ワイトキングの攻撃力は墓地のワイト1体につき1000ポイントアップするぞ。ワイトモンスターは墓地にいる時すべてワイトになる。つまり攻撃力は4000だ!」
墓地にいるワイトたちが王に力を与える。禍々しい力がワイトキングへと宿っていく。
ワイトキング 攻撃力 4000
「俺の手札にはもう1枚ワイトキングがいる!ワイトキングを召喚!!」
通常召喚によってワイトキングがもう1体現れる。瞬時に攻撃力4000のモンスターが2体揃った。バクラのしもべだけあってかなりの実力を持っているようだ。
ワイトキング 攻撃力 4000 ★1 通常召喚
「どうだ、これでお前を1ターンで葬ることができるぞ。」
「それはどうかな?」
「何?」
攻撃力4000のモンスターが2体現れてもなお遊星は余裕の笑みで笑っていた。ゴーストデッキと聞いたあたりからある程度この展開を予想していたようだ。
「俺は手札からエフェクト・ヴェーラーの効果発動!このカードを手札から捨てることで相手モンスター1体の効果を無効にする!これでワイトキングの攻撃力は0だ!」
「何ぃ!?」
エフェクト・ヴェーラーがワイトキング1体の周りを飛びサイレントの魔法をかける。ワイトキングの攻撃力はあくまでモンスター効果によるもの。効果が無効になれば攻撃力は0になってしまう。
エフェクト・ヴェーラー 効果発動 効果無効
ワイトキング 効果無効 攻撃力 4000→0
「こ、これではとどめを刺せないぞ。それなら俺は魔法カード「生者の書−禁断の呪術」を発動!」
生者の書−禁断の呪術 通常魔法
自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚し、相手の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。
「これでワイト夫人を蘇生してお前の墓地のクイック・シンクロンを除外するぞ!これでワイトキングは戦闘では破壊されず、魔法も罠も効かないんだぞ!さらにライフも500回復だぞ!」
このターンでとどめをさせないことが分かり骨塚は焦った様子で無敵効果を持つモンスターを並べた。この明らかな動揺を遊星は見逃さない。
生者の書−禁断の呪術 ワイト夫人 蘇生 クイック・シンクロン除外
ワイト夫人 守備力 2200 ★3 墓地から特殊召喚
クイック・シンクロン 墓地から除外
ワイトキング 攻撃力 4000→3000
ゴースト??? LP 9500→10000
「ワイトキングの攻撃力は下がったがお前のモンスターを倒すには十分なんだぞ。」
「俺はジャンク・ガードナーの効果発動!ワイト夫人の表示形式を変更する!」
「ワイト夫人が!?」
ジャンク・ガードナーには1ターンに1度相手モンスターの表示形式を変更する効果がある。ワイト夫人の守備力は2200だが、その攻撃力は0だ。ただでさえ焦っていた骨塚はこれによりさらに焦る。
ジャンク・ガードナー 効果発動
ワイト夫人 攻撃表示に変更 攻撃力0
「く、くそ・・・これだと次のターン、確実に的にされてしまうぞ。お前だけは許さないんだぞ!バトル!」
「バトルに入る前に俺は罠カード『不運なリポート』を発動する!」
不運なリポート 次のバトルフェイズ2回行う
「バトルフェイズを2回行わせるカード?お前馬鹿なんだな!!ワイトキングでジャンク・ガードナーを攻撃!」
頭に血が上っている骨塚はジャンク・ガードナーに攻撃を仕掛けた。攻撃表示になったとはいえワイト夫人さえいれば罠は怖くない。そう思っていた。
「罠発動!」
「無駄だぞ!ワイト夫人の効果で罠は効かないんだぞ!」
「勘違いするな。俺が発動したのは『立ちはだかる強敵』だ!」
立ちはだかる強敵 通常罠
相手の攻撃宣言時に発動する事ができる。自分フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。発動ターン相手は選択したモンスターしか攻撃対象にできず、全ての表側攻撃表示モンスターで選択したモンスターを攻撃しなければならない。
「俺はジャンク・ガードナーを選択する!」
「そ、そんなことをしてもお前のモンスターは破壊されるんだぞ!?」
ワイトキングの攻撃力は3000。攻撃力が下がったとは言えまだジャンク・ガードナーを破壊するには十分な攻撃力があった。遊星の場にはもう伏せカードは無い。安心しきっていた骨塚だが、遊星にはまだ1枚の手札が残されていた。
「ならば俺は手札から牙城のガーディアンの効果発動!」
牙城のガーディアン
戦士族・効果 地属性 ★4
自分フィールド上に守備表示で存在するモンスターが攻撃された場合、そのダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、その戦闘を行う自分のモンスターの守備力はエンドフェイズ時まで1500ポイントアップする。
攻撃力 0 守備力 1500
「何!?」
「このカードを手札から墓地へ送ることでジャンク・ガードナーの守備力は1500ポイントアップする!!」
「な、何だってぇ!?」
ジャンク・ガードナーの前に巨大な岩でできた城を支える戦士が現れ、ワイトキングの攻撃を阻む。跳ね返ったダメージはプレイヤーを襲う。
牙城のガーディアン 効果発動
ジャンク・ガードナー 守備力 2600→4100
ワイトキング 攻撃力 3000 攻撃 反射ダメージ1100
ゴースト??? LP10000→8900
「立ちはだかる強敵の効果で残りのモンスターはジャンク・ガードナーに攻撃しなければならない!!」
「そ、そんなぁ・・・」
ジャンク・ガードナーの目が鋭く光り、骨塚の場の攻撃表示モンスター、ワイト夫人と効果が無効になっているワイトキングが誘われるがまま攻撃を仕掛けていく。
ワイトキング 攻撃力 0 攻撃
ジャンク・ガードナー 守備力 4100 反射ダメージ4100
ゴースト??? LP 8900→4800
「うわああ!!」
ワイト夫人 攻撃力 0 攻撃
ジャンク・ガードナー 守備力 4100 反射ダメージ4100
ゴースト??? Lp 4800→700
「ぐわああああ!!」
攻撃力0のモンスターがとてつもない鉄壁のモンスターを攻撃したことでその反動となるダメージが骨塚を襲いプレイヤー自身に多大なダメージを与えた。
「ぐぅ・・・あ、危なかったんだな。ギリギリ生き残ることができたんだな。」
幸い先の大回復により骨塚のライフはわずかながらに残った。これで骨塚はホッとしたようだが、重大なことを彼は忘れていた。
「それはどうかな?」
「え?」
「俺はバトルの前に『不運なリポート』を発動していた。つまり、お前はバトルフェイズを2回行わなければならない!!」
「なっ!?と言うことは・・・」
不運なリポート、相手にバトルフェイズを2回行わせるカード。本来ならば相手の攻撃のチャンスを増やすだけのただ相手が有利になるだけのカード。だが、今のこの状況においてはバトルフェイズを2回行わなければならないことは決定的な致命傷となる。
「立ちはだかる強敵の効果でお前はもう一度ジャンク・ガードナーを攻撃しなければならない!!」
「そんなぁ!!止めろ!ワイト達ぃ!!うわああああ!!!」
命令に反して骨塚のモンスター達はジャンク・ガードナーに突進していく。返り討ちに遭うことが分かっていても攻撃を強制されている今はどうすることもできない。反射ダメージを受け敗北した骨塚は大きく吹き飛び光の粒となって消えた。
不運なリポート 2回目のバトルフェイズ強制
立ちはだかる強敵 攻撃強制
ワイトキング 攻撃力 3000 攻撃
ジャンク・ガードナー 守備力 4100 反射ダメージ 1100
ゴースト??? LP 700→0
勝者 不動遊星 不運なリポートの効果で勝利達成
「俺の勝ちだ。」
不動遊星のデュエルの様子を上空で伺っていた2人は驚き感心していた。
「ほえぇ・・・さすが遊星のお兄さん。たったの2ターンで決めちゃったよ。」
「・・・さすがだわ。不運なリポート、あんなカード使いこなすのはほぼ不可能よ。」
このデュエルを見てバクラもまた遊星に対して賞賛の言葉を送る。予想以上の結果にバクラはとても嬉しそうだ。
「ヒャハハ!!まさかこんなに簡単に突破できるとはな!気に行ったぜ。さあ、俺様とデュエルと行こうぜ!!」
・・・・・
今日はここまで。
不運なリポート、どう足掻いても使い道がこれくらいしか思いつかなかった。
たまに強欲な贈り物とかギフトカードとかデメリットカードがありますけど、いろいろ使い道はありました。
けれど、不運なリポートだけはさっぱり使い道が分からなかったのでちょっと形にしてみました。
こんなデュエル、遊星クラスの主人公格じゃないとできないだろうな。
精霊の鏡の罠版、罠の対象を移し替えるカードが出れば一気に禁止カード級になるのにね。
と言うわけでつなぎの話でしたが次回遊星vsバクラで行きます!
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!
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