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2016年09月19日11:27

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東京二期会オペラ劇場 トリスタンとイゾルデ

2016/9/18日 14:00- 東京文化会館

指揮: ヘスス・ロペス=コボス
管弦楽: 読売日本交響楽団
合唱: 二期会合唱団

演出: ヴィリー・デッカー

トリスタン: ブライアン・レジスター
イゾルデ: 横山恵子
マルケ王: 清水那由太
ブランゲーネ: 加納悦子
クルヴェナール: 大沼 徹
メロート: 今尾 滋

ライプツィヒ歌劇場との提携による二期会のトリイゾ、聴きに行ってまいりました。

なかなかよかったな、というのが第一印象。トリイゾは元々の音楽がとってもよくできてて、感動するようになってるし。そして読響はやっぱり上手い。突然音が外れてびっくりさせられる、ようなことがとても少なくて、安心してワーグナーを聴けるって幸せだなと思いました。

読響のトリイゾといえばほぼ1年前にカンブルランが振るコンサート形式のを聴いていたく感動した覚えがあります。今回はオケピットがかなり深かったのものあり、あのときとは聴こえ方がだいぶ違いました。カンブルランのときはかなり抒情的でうねるような音作りが印象的だったのですが、今回は全体的には冷静できっちりしていて、いざというところだけぐわっと盛り上がるという構成だったように思いました。ロペス=コボスの指揮がそういう意図だったんでしょうかね。

演出は、シンプルだけど美しかったです。床と、継ぎ目が正面にある左右の壁、この3枚の板で舞台が作られていて、そのほかにはボートとオールだけ。舞台を狭く仕切ることで、装置も登場人物が少なくても空間が余ってる感じがしないようになっている。そして3枚の板は、それぞれにもともとついている色+プロジェクションマッピングで様々な印象に。海の青、宮殿は緑、情熱や嫉妬の赤、トリスタンとイゾルデの死はモノトーン。その中で人物が着る衣装は、あるときは背景から浮き立つように、あるときはなじむように、色が決まっている。ボートは、人間関係を表現する手段。一つのボートに乗れば親密な存在であることを意味する、など。上手いなあ。

歌手では、正直素晴らしいな!と思った人はいなかったのですが、イゾルデの横山さん、ブランゲーネの加納さんは日本人でメジャーでなくてもこのくらい歌える人がいるんだな、と感心しました。ブライアン・レジスターは声量はそれほどないけど、綺麗な声。でもトリスタンって本当にハードですね、最後はちょっと疲れたかな。マルケ王の清水さんは、ごめんなさい、ちょっと私には受け入れられない感じでした。経験重ねると、また違うんでしょうけどね。

二期会のオペラは初体験。これだけの公演をできる力は凄いとは思いましたけど、チケットの価格が新国のオペラとそれほど変わらないことを考えると、新国の歌手の充実っぷりは凄いんだなとあらためて実感することにも。

うーん、このメンバーだったら演出なしでいいからオケを上に上げて演奏会形式でオケをもっと聴きたかったなあ、と思いながら帰ってまいりました。

ちなみに、昨年9月のカンブルラン×読響で聴いたトリイゾの感想はこちら。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1946018526&owner_id=2438654
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