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2016年09月16日23:56

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みてきまして

だいぶ過ぎましたが、写真の映画を観てきたことを少し書こうと思います。
と言って、たくさんの方が色々と述べられた後なので、私みたいなニワカが書けることは、あまり多くありません。
ただ間違いないのは、「映画館で見て良かった!」と言うことですね。
あの迫力とあの音響、あの絶望感は、映画館でなきゃ恐らく味わえません。

私が映画館ではじめて観たのは、三原山で(いちおうの)決着がついた84年版でした。
当時から、すでに三〇年いじょうが過ぎて、いろいろな方向の作品が作られてきました。

そして今回の作品は、そうした中でも特に異色だった気がします。
まあ最善としては、じかに見ていただくのが一番ですね。

ともあれ、私個人の感想としては、「デタラメだ……」でした。
作品のスケールや展開や、一瞬の映像の中に狂気さえ感じられるほどの情報量とか、とにかく一度みただけだと、とても追いきれないんですね。
そして物語の展開と言うかクライマックスとかもう、観ていて「うおおおお!」と熱くなれました。
私は、あんまり特撮や怪獣って詳しいってほどでもないんですが、ところどころで「あ、これ過去の作品から持ってきたかな?」と気づく面もありました。
そこらへんの細かいところは、私なんぞより詳しい方がみっちり考察してますので、わざわざ書きませんが。

「オネアミスの翼」や「トップをねらえ!」もそうでしたが、庵野秀明監督の細かいところに関するこだわりは、ある種の恐ろしささえ感じます。
また今回の作品は、前述したように「過去の作品から持ってきた」と思われる場面や展開が多いので、過去の作品を観た方なら、もっと楽しめると思います。
つくづく、「これまで特撮や怪獣の映画を観てきて良かった」と思いました。

だいたい庵野さんは、学生時代に自主制作でウルトラマンつくったほどディープな(つまり私なんて到底およばないほどに)特撮ファンですから、過去の作品に対する思い入れやコダワリもケタ違いです。
ですから、過去の作品の演出やら手法を使うのも、とても上手なんですね。
さらに庵野監督の親友である樋口真嗣監督も参加しているので、清澄白河で見た「巨神兵、東京に現る」を連想させる場面もありました。
特に「電線越しに見える遠景」は、樋口監督が二〇年前に手がけた「レギオン襲来」でも観られた演出でした。

そうした意味で、この作品って実は、見た目の印象ほど新しく「ない」面もあります。
主役機の顔立ちで物議をかもし、さらに大胆な展開でファンを驚かせた「ターンAガンダム」も、ふたを開けてみると割とオーソドックスと言うか、「ガンダム」らしい群像劇であり大河ドラマでした。
ついでに書くと「ターンA」の世界みたいに「過去の遺跡」から機体を発掘して使用すると言う手法は、初代ガンダムでも考えられていたらしいです。
だからオープニングの歌詞に「よみがえる」って言葉が入っていると聞いたことあります。

話を戻しますね、ともあれ私が見た作品は、とても新しく斬新で(だから題名に「シン」って付くんでしょうね)、でも庵野監督らしく過去の作品に対する敬意(とネタ)を忘れていない内容でした。
ですからこの作品は、ただ目新しいことをつぎ込んで作られた内容じゃありません。
ところどころ、初代を意識していますし(その証拠に、物語のカギを握りながら消息を絶った人物は、初代で舞台になった島の出身でした。島の名前ですか? 「あ〜る」でもネタに使われてました)、効果音とか明らかに「ウルトラマン」してましたしね。
そういや、消息を絶った人物の方向性や動向が、ちっと「パトレイバー(劇場版)」に出てきた(そして、すぐいなくなった)プログラマーを思い出しましたね。
後藤喜一隊長いわく「やつは、そんなロマンチックな男じゃないよ」と評していた人物に。

しかしながら、過去の作品をうまいこと取り込んでいる「だけ」の作品じゃありません。
その程度の作品だったら、こんな熱狂する人がいるわけないし、そもそも興行収入が五〇億円以上と言う、それこそカイブツめいた結果を出すわけがありません。
どうスゴいのか、それこそ観ていただくしかありませんが。

ここまで、さんざか書いてきましたが、核心と言うか根幹に触れることは、あまりないと思います。

ただ、映画館で近くで起きたことだけ書いてみますね。
私が座っていたところのそばに座っていた方が、上映が終わって席を立つ時、うめくような声で告げていました。
「すげえモン、観ちまった……」
はっきり申し上げて、私もまったく同感でしたね。

その「すげえモン」を体験するため、また映画館に行くことを企てています。

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