『聲の形』(＠原作)を読んで自己嫌悪になる(よく有るパターン)

長文で、内容はちょいと重め。
まあ、読んだ作品がかなり重めだから、そこはご勘弁を。

京アニの新作という事で興味の有った『聲の形』の原作を読んで見たが・・・・・。

内容が重すぎるよorz

最後は少し救われる方向に持っていく為に『実際こんなこたぁ、ねぇ!!』と言う展開でしたが、考えさせられる作品でしたね。

ミュラさんの周りには耳の不自由な方がいない為、その方の声にならない声に耳を傾けると言う機会が残念ながら無い為、このお話を深く理解出来ないと言うのがもどかしいですが、良い作品だと思います。

ただ、ミュラさん、残念なことにカバンを持たされる方の時期も有りましたが、カバンを持たせる方の方が多かったように思えて、過去の自分の鳩尾辺りに全力でワンパンくれたくなりました。

小学生の時に、少し知恵おくれの子がいたのですが、その子にかなりひどい事していたのも思い出した。
子供の頃は、健常者と少し違う障害者の子はいじめの対象になる事が多い。
とんでもない事だが、小学生の時は仲間はずれが怖くて参加していた。

そう、その子の気持ちなど考える事も無かった。
自分の事が可愛いと言う事で必死。

ただ、今思えば、それも大人になってからの言い訳に過ぎない。
心の何処かで、その子を認めず、ないがしろにする事により、自分の優位性を確認していたのだと思う。

そんな心の奥底に刺さって絶対抜けない棘をさらに深く突き刺してくる、そんな作品でもあります。

自分のやってきた行為の愚かさと、自分自身の醜さをいやが応でも見せつけられる作品です。

ただ、子供には是非見せて上げたい作品ですね。
相手の気持ち、自分の気持ち、伝える方法は言葉だけではない。
相手の立場に立ち、相手の言葉を聞いてあげる事が大事だ。
それは、声だけではなく、筆談だったり、手話だったり、点字だったり、多くの方法が有る。

作中の『仕方のない事』と言う言葉では終わってはいけない。
仕方は沢山あるんです。
気が付かない事、気が付かないふりをする事の方が罪悪である。

人はいろんな傷を背負って生きていくが、その傷を作る立場に自分が一時でもいたと言う事実は、目を逸らしたくなるような事実である。
謝罪したところで、その人は許してくれないだろう。
傷を負わせた人には、もっと楽しい時間が有ったのかもしれない。
皆で笑って、皆で傷ついて、皆で怒って。
そんな時間を、奪ってしまったかもしれない。
傷を負わせた人の今が幸せであってほしいなんて、口が裂けても言えない。
それは、自分への言い訳でしかないから。

何かの作品を見る度に思い出して、自分を責める。
これが贖罪にならない事は十分承知しているし、自己満足でしかないのも分かってもいる。
しかし、一生背負っていく十字架で有る事に変わりない。

今生きる中で、他人を傷つける事が少ない事を願っている。

今週末から京アニ制作でアニメ映画になります。
原作読んでからだと、2時間ちょっとでは短いかなと思う作品。
アニメで1クール、いや2クールぐらいじっくり描いて欲しいとも思える作品です。

原作は7冊と短めですから、お時間が有る方はネットカフェなどで一気読みしても良いかもしれません。
映画館に足を運んでみるのも、また違う感じを受けて、原作に興味が出るかもしれません。

泣くと言うよりは、色々考えさせられる作品だと思います。