●【事実の法が「・・・すべき(当為)」という価値判断を論理的推論で演繹できなくても、
事実の法を自覚した人間の情緒は、反応する。】
事実の法を認識した人間の情緒は、情緒的価値判断を発生させ得る。
事実の法に人間の情緒が触れることで、それがトリガーとなり、引き金となり、情緒的価値判断をキックさせ得る。
近代社会契約の国家の約束定義の場合も同じだ。
近代社会契約の、国家の約束定義【国家は人民が作った、人民の自然権(たる基本的人権)を守るために人民が国家を作った】とする契約(=約束定義)は、
国家権力という概念を導出し、
憲法という概念を導出し、人民が国家権力を縛る憲法を作り、
立憲主義という概念を導出し、
人民主権なる概念を導出し、
人民支配なるdemocracyの概念を導出し、
抵抗権なる概念を導出し、
革命権なる概念を導出し、
社会科学の分野で人類に多大な結実を実現した。
近代社会契約の約束定義は、論理的推論で、合理的な事実の連関たる論理を作り上げた。
壮大な社会科学の構築を実現した。
だが、壮大な社会科学の構築をしたのは人間だ。近代社会契約の約束定義という一つの事実が作り上げたのではない。
近代社会契約の約束定義に共感した人間の情緒が、人間を動かし、壮大な社会科学の構築を実現し、不完全ながらも現実にdemocracyを理念とする人類社会を作り上げてきた。
人間の情緒が反応することで、「・・・すべき」という当為は発生し、情緒的価値判断に連携する。
事実の法も同じだ。
事実の法を認識した人間が情緒を触発されて、情緒的価値判断を以って、合理的な論理的推論を働かせ、合理的な事実の連関たる理論を発見し、それを現実の社会、歴史で証明して論理に昇格し得る。
事実の法が「・・・すべき(当為)」という価値判断を論理的推論で演繹できなくても、事実の法を自覚した人間の情緒は、反応する。
人間の情緒が反応することで、「・・・すべき」という当為は発生し、情緒的価値判断に連携する。
【了】
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