mixiユーザー(id:13658569)
2016年09月06日21:04
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故郷の風景。。〜変わったものと変わらないもの〜
帰省し、久しぶりに元農家の母方の実家へ。
今までも時々触れましたが、幼少の頃はここで生活することが多かったのですが、
機械化が今ほど進んでおらず、人の手数がモノを言う当時、
子供でもよく農作業を手伝ってました。
総面積で3〜4町程度（�如砲如�地元の平均としてはやや少ない部類。
米一本で営農してました。
豪雪地帯で、雪の降り始めも早くて融雪も遅めの地帯。
元は地域一帯が広大な沼地で湿地帯でした。（その当時は流石に知りません）
北海道の開拓時代〜戦後の農業政策によって、北海道を大農業地帯にすべく、
大掛かりな土地改良を行うこととなりました。
母方の一家は元々樺太（現サハリン）出身で、ソ連に拠る占領から難を逃れつつ
北海道へ引き揚げ、土地開墾と農地贈与を引き換え条件に入植。
以後長年営農を続けて来ましたが、実質的に農作業をしていた叔父兄弟二人のうち、
上の叔父が他界、続いて祖母も他界。上の叔父には子供がおらず、
弟方の叔父が一人でどうにか営農をしてましたが、その叔父も独身なために
後継者がおらず、高齢になって来たこともあって離農に至り、居住宅周辺以外の農地は
他者へ転売、今に至っています。
一帯が大沼地だった所をどうやって農地にしたかといいますと、
「客土」といって他所から大量の土を持って来て埋めるという膨大な作業を実施したのです。
当初は近隣の適当な土を持って来たりしてたようですが、後に量が足らなくて
隣の市にある山を削り、そこから馬車で延々と年がら年中運び続けたそうで、
後にトラックが登場し代用されるようになりましたが、台数も充分ではなく、
効率が悪いことから編み出されたのが、およそ20kmほどの距離の中、
スキー場のゴンドラ・リフトのようなスタイルで、バケット型のゴンドラを用いてガラガラと運ぶ・・
という方式に。途中北海道の主要幹線道路である国道の上を、そのゴンドラが行き交う・・
という光景が一時続きました。
農業地帯の一角に集められた土を、各々各所にトラックなどで持っていく・・
という方式を取ったわけですが、その一大作業が概ね完了するまではおよそ20年ぐらいは
掛かったように思います。ボクが生まれて物心ついた時は、
その改良作業の終盤ぐらいで、ゴンドラの稼働は観た記憶がありますが、
その記憶から2年程度で終了したように思います。
しかし、ある程度ぎっしり土で埋めても、時間と共に水が上がってくるのが
泥炭地の厄介な所で、その影響で稲が根腐れしたり、ぬかるんで作業がしづらいなどの
弊害がついて回りました。そこで新たな方策として「暗渠対策」を用いるように。
ご存じの方もおられると思いますが、暗渠とは地中に穴の開いた土管を繋いで
流入した水を近くの排水路に流し、土の水気を抜くことを目的とした工法。
大量の土管を要するので、故郷の郊外には大きな土管製造会社があったほどです。
そうこうしても完全には抜けきらず、定期的に客土や暗渠の改良をしないと
中々稲を栽培するのは難しく、いつもどこかそこかで客土や暗渠を行っているというのが
日常的な光景でした。
ボクが生まれた当時はもう沼地であった面影、名残り等はなく、
何処までも続く平野部、広がる農地は当たり前の光景でした。
ただ、そんな土地だったことが、この地域一帯「マズいコメの産地」という悪評価にも
繋がっていました。水はけが悪い泥炭地でのコメは品質も味も悪くなりがち。
それが今では、この土でよくこんな凄いコメが・・というほど品種改良が進み、
道産米の中でトップ級のコメがこの地で開発されました。その名も「おぼろづき」。
粘りとコシは、ササニシキ・コシヒカリを完全凌駕したとも言われる代物です。
そんなこんなで、この家と土地はどこか第二の家、故郷のような感覚があり、
そのような苦難や推移は、ボクの記憶の中で地域の変貌としての一ページとして、
光景はずっとボクの基礎にもなっていると言っても過言ではありません。
離農する年まで一人で農作業をする叔父を、長女である母が事ある毎に手伝っていて、
ボクが札幌へ出た後数年までは、時々帰省して農繁期には散発的に手伝ったりも。
今ではその農地、他の農家によって栽培が続いていますが、
売却したすぐ後に再び大規模な土地改良事業が成されました。
国策に拠る「大規模・効率農業政策」の一環で、そこには転作政策も絡み、
小麦や畑作への転換を視野に入れた、大きな圃場にする計画。
かつて水田用に田んぼが細かく分かれて、各々畦道で囲まれていましたが、
それを撤廃し一枚、ないしは少ない枚数で一枚の面積を大きくし、大型機械化の中で
定植や収穫を効率的にしやすくする・・という目的です。
このことで、かつて細かく分かれていた田んぼは、畦道の多くを潰して
大きな田んぼ、畑へと変貌。間を通る道は少なくなった代わりに、大型機械が通れるほどの
広い道が築かれていきました。
それがこれ。
「広い」といっても、一般道路のそれと比べると広くないんですが、
かつてあった畦道の間と比べると断然広く、ダンプが入っていけるほどの幅と
整地がされていて、昔あった光景とはだいぶ違いますし、このようにカーブを描く曲線はなく、
直線直角でデコボコでした。
また、当時は何処を見渡しても水田だけで、畑は家の周りにある自家用の小さなものぐらい、
一部近隣農家でイチゴ栽培を始めた、アスパラを栽培し始めた、なんて先進的な農家が
出て来たのは相当後になって、僅かあったかなかったかぐらい、でした。
しかし今は、上の写真にあるように、右側は大きな大豆畑、左側が水田・・
というような複数の構成に。これがいわゆる「減反政策」の姿です。
大豆畑を含め、向こう側にある赤い屋根の家の手前まで、
反対の左側は正面に見える青い屋根の家の手前までの幅で、
手前砂利道の所までの四角一帯が祖母の家の圃場でした。
こうしてみるとわかるように、水田畑がほぼ一枚のようになっていて、畦道が間にありません。
厳密には間に僅かの区切りはあるものの、畦ではなくあくまでも人が一人通れるほどの、
作業用の「隙間」といった感じ。面積管理を大きくし、大型の機械で効率的に作業出来るよう・・。
こんな機械でダイナミックに、手早く作業するために。
ここまでの大型となると、チマチマした畦道がかえって邪魔で
非効率になってしまうからですね（笑）
こうしてみると、広大で何処までも続く平野の田園・・北海道のスケール感とか、
農業地帯の豊かさみたいなものを改めて感じるわけですが、
畦道があって、そこに日雇いのお手伝いさんや農家さんが腰を掛けて一休みする、
3時の休憩で畦道に敷物敷いてお茶を飲み、軽食を取る・・なんて光景は逆に
あまり観なくなりました。
いや、休憩やおやつの時間は取ってるんです。
その場所がどこか特定のエリアで、何処でもその場で・・というのが観られなくなった。
何より、多くのお手伝いがおらず、農家のご主人と奥さん二人ぐらいでやれているので、
そこに農繁期特有の賑々しさってのがないんですね。
ボクがまだ小さくて、ろくに農作業も手伝えない時は、祖母が用意したお茶菓子や
飲み物等を田んぼまで運び準備したもので、休憩の時はおばちゃん達に混ざってお菓子を頂き、
世間話や笑い話で田園が賑わったものです。
また、畦道は登下校の際、時に近道として他所の田んぼの畦を通ったりもしました。
そこで蛙やあめんぼ等の小動物を見つけては遊び、自然に生えている草花で遊びながら・・
他所の田んぼであっても、農家さんは大抵何処の子か遠くからでもわかるので
いちいち怒ったりもしません。
畦道にはそんな長閑さ、優雅さみたいなのがあった・・と。
国策によって景観は微妙に変わり、効率化や広大さは観られるようになったものの、
逆に失ったものは多々あるなあと、かつて自分が走り回り、
どろんこになりながら時に手伝って来た、この土地を今目の前にして強く思います。
同時に、この土地で、この土で自分が育てられて来たんだなあとも。
ここで鍛えられ、ここで色んな免疫をつけられて来たんだなあと。
機械化はまだ途中段階で、手間暇が随分掛かって大変だったけれど、
その分収穫が終わり冬支度に入る頃になると、一年がようやく終わり過ぎていく・・
そんな体内充足・・みたいなのも感じ、それが人間の素朴な営みの基軸でもあった、と。
それと・・
周辺の部落の圃場を見渡すと、随分と蕎麦を蒔いている畑が多かったです。
聞いてみると、その圃場を持つ農家は後継ぎがいない等で、安くても売却したいものの
買い手がおらず、そのまま放置すると荒れ地となりもっと売れなくなってしまうので、
低コスト&低労力の蕎麦を、他の農家に代金を支払って蒔いてもらってるという。
一応、農地維持・荒地対策としての補助費が幾らか出るので、それで賄っているとか。
とかく農家は土地を高く売りたいがため手放さないとか、補助目的で国費を食い潰すしている・・
等との適当な内容で農家を悪者にするかのような言説が都会に蔓延ってますが、
実情は全然そうじゃない、売れるもんならとっとと売って整理したいんです。
それはともかく・・
変わっていないのは、写真の左側に立ち並ぶ防風林の出で立ちと、
そこに生息する野鳥達のさえずり、生命の宿り・・そして吹き渡る、
草木をかすめた心地よい夏の風。そして、遠く彼方に見える山「ピンネシリ」。
祖母が生前いつも言ってたのは、
「秋、あの山が薄っすらと白んだら霜に気ぃつけんば・・」って。
霜が降りたら稲がダメになっちゃうので。
で、あの山には恵みの神様がいる。山の表情でその年の出来がわかる・・ってなことも。
そういやあ、田んぼの周囲にあった用水路や下水には、かつてドジョウもいましたっけ。
朝に叔父が籠を仕掛けておくと、夕方のご飯前にはびっちりドジョウがピチピチ・・
掬いあげて泥を吐かせて、どじょう汁によくしたものです。今じゃもうあり得ないですけど・・
田んぼはもう他所のものとなってしまったけれど、周辺には変わってしまった部分と、
ン十年も経て今も変わらないもの・・そのコントラストに、色々な感慨を深くしました・・。
今までも時々触れましたが、幼少の頃はここで生活することが多かったのですが、
機械化が今ほど進んでおらず、人の手数がモノを言う当時、
子供でもよく農作業を手伝ってました。
総面積で3〜4町程度（�如砲如�地元の平均としてはやや少ない部類。
米一本で営農してました。
豪雪地帯で、雪の降り始めも早くて融雪も遅めの地帯。
元は地域一帯が広大な沼地で湿地帯でした。（その当時は流石に知りません）
北海道の開拓時代〜戦後の農業政策によって、北海道を大農業地帯にすべく、
大掛かりな土地改良を行うこととなりました。
母方の一家は元々樺太（現サハリン）出身で、ソ連に拠る占領から難を逃れつつ
北海道へ引き揚げ、土地開墾と農地贈与を引き換え条件に入植。
以後長年営農を続けて来ましたが、実質的に農作業をしていた叔父兄弟二人のうち、
上の叔父が他界、続いて祖母も他界。上の叔父には子供がおらず、
弟方の叔父が一人でどうにか営農をしてましたが、その叔父も独身なために
後継者がおらず、高齢になって来たこともあって離農に至り、居住宅周辺以外の農地は
他者へ転売、今に至っています。
一帯が大沼地だった所をどうやって農地にしたかといいますと、
「客土」といって他所から大量の土を持って来て埋めるという膨大な作業を実施したのです。
当初は近隣の適当な土を持って来たりしてたようですが、後に量が足らなくて
隣の市にある山を削り、そこから馬車で延々と年がら年中運び続けたそうで、
後にトラックが登場し代用されるようになりましたが、台数も充分ではなく、
効率が悪いことから編み出されたのが、およそ20kmほどの距離の中、
スキー場のゴンドラ・リフトのようなスタイルで、バケット型のゴンドラを用いてガラガラと運ぶ・・
という方式に。途中北海道の主要幹線道路である国道の上を、そのゴンドラが行き交う・・
という光景が一時続きました。
農業地帯の一角に集められた土を、各々各所にトラックなどで持っていく・・
という方式を取ったわけですが、その一大作業が概ね完了するまではおよそ20年ぐらいは
掛かったように思います。ボクが生まれて物心ついた時は、
その改良作業の終盤ぐらいで、ゴンドラの稼働は観た記憶がありますが、
その記憶から2年程度で終了したように思います。
しかし、ある程度ぎっしり土で埋めても、時間と共に水が上がってくるのが
泥炭地の厄介な所で、その影響で稲が根腐れしたり、ぬかるんで作業がしづらいなどの
弊害がついて回りました。そこで新たな方策として「暗渠対策」を用いるように。
ご存じの方もおられると思いますが、暗渠とは地中に穴の開いた土管を繋いで
流入した水を近くの排水路に流し、土の水気を抜くことを目的とした工法。
大量の土管を要するので、故郷の郊外には大きな土管製造会社があったほどです。
そうこうしても完全には抜けきらず、定期的に客土や暗渠の改良をしないと
中々稲を栽培するのは難しく、いつもどこかそこかで客土や暗渠を行っているというのが
日常的な光景でした。
ボクが生まれた当時はもう沼地であった面影、名残り等はなく、
何処までも続く平野部、広がる農地は当たり前の光景でした。
ただ、そんな土地だったことが、この地域一帯「マズいコメの産地」という悪評価にも
繋がっていました。水はけが悪い泥炭地でのコメは品質も味も悪くなりがち。
それが今では、この土でよくこんな凄いコメが・・というほど品種改良が進み、
道産米の中でトップ級のコメがこの地で開発されました。その名も「おぼろづき」。
粘りとコシは、ササニシキ・コシヒカリを完全凌駕したとも言われる代物です。
そんなこんなで、この家と土地はどこか第二の家、故郷のような感覚があり、
そのような苦難や推移は、ボクの記憶の中で地域の変貌としての一ページとして、
光景はずっとボクの基礎にもなっていると言っても過言ではありません。
離農する年まで一人で農作業をする叔父を、長女である母が事ある毎に手伝っていて、
ボクが札幌へ出た後数年までは、時々帰省して農繁期には散発的に手伝ったりも。
今ではその農地、他の農家によって栽培が続いていますが、
売却したすぐ後に再び大規模な土地改良事業が成されました。
国策に拠る「大規模・効率農業政策」の一環で、そこには転作政策も絡み、
小麦や畑作への転換を視野に入れた、大きな圃場にする計画。
かつて水田用に田んぼが細かく分かれて、各々畦道で囲まれていましたが、
それを撤廃し一枚、ないしは少ない枚数で一枚の面積を大きくし、大型機械化の中で
定植や収穫を効率的にしやすくする・・という目的です。
このことで、かつて細かく分かれていた田んぼは、畦道の多くを潰して
大きな田んぼ、畑へと変貌。間を通る道は少なくなった代わりに、大型機械が通れるほどの
広い道が築かれていきました。
それがこれ。
「広い」といっても、一般道路のそれと比べると広くないんですが、
かつてあった畦道の間と比べると断然広く、ダンプが入っていけるほどの幅と
整地がされていて、昔あった光景とはだいぶ違いますし、このようにカーブを描く曲線はなく、
直線直角でデコボコでした。
また、当時は何処を見渡しても水田だけで、畑は家の周りにある自家用の小さなものぐらい、
一部近隣農家でイチゴ栽培を始めた、アスパラを栽培し始めた、なんて先進的な農家が
出て来たのは相当後になって、僅かあったかなかったかぐらい、でした。
しかし今は、上の写真にあるように、右側は大きな大豆畑、左側が水田・・
というような複数の構成に。これがいわゆる「減反政策」の姿です。
大豆畑を含め、向こう側にある赤い屋根の家の手前まで、
反対の左側は正面に見える青い屋根の家の手前までの幅で、
手前砂利道の所までの四角一帯が祖母の家の圃場でした。
こうしてみるとわかるように、水田畑がほぼ一枚のようになっていて、畦道が間にありません。
厳密には間に僅かの区切りはあるものの、畦ではなくあくまでも人が一人通れるほどの、
作業用の「隙間」といった感じ。面積管理を大きくし、大型の機械で効率的に作業出来るよう・・。
こんな機械でダイナミックに、手早く作業するために。
ここまでの大型となると、チマチマした畦道がかえって邪魔で
非効率になってしまうからですね（笑）
こうしてみると、広大で何処までも続く平野の田園・・北海道のスケール感とか、
農業地帯の豊かさみたいなものを改めて感じるわけですが、
畦道があって、そこに日雇いのお手伝いさんや農家さんが腰を掛けて一休みする、
3時の休憩で畦道に敷物敷いてお茶を飲み、軽食を取る・・なんて光景は逆に
あまり観なくなりました。
いや、休憩やおやつの時間は取ってるんです。
その場所がどこか特定のエリアで、何処でもその場で・・というのが観られなくなった。
何より、多くのお手伝いがおらず、農家のご主人と奥さん二人ぐらいでやれているので、
そこに農繁期特有の賑々しさってのがないんですね。
ボクがまだ小さくて、ろくに農作業も手伝えない時は、祖母が用意したお茶菓子や
飲み物等を田んぼまで運び準備したもので、休憩の時はおばちゃん達に混ざってお菓子を頂き、
世間話や笑い話で田園が賑わったものです。
また、畦道は登下校の際、時に近道として他所の田んぼの畦を通ったりもしました。
そこで蛙やあめんぼ等の小動物を見つけては遊び、自然に生えている草花で遊びながら・・
他所の田んぼであっても、農家さんは大抵何処の子か遠くからでもわかるので
いちいち怒ったりもしません。
畦道にはそんな長閑さ、優雅さみたいなのがあった・・と。
国策によって景観は微妙に変わり、効率化や広大さは観られるようになったものの、
逆に失ったものは多々あるなあと、かつて自分が走り回り、
どろんこになりながら時に手伝って来た、この土地を今目の前にして強く思います。
同時に、この土地で、この土で自分が育てられて来たんだなあとも。
ここで鍛えられ、ここで色んな免疫をつけられて来たんだなあと。
機械化はまだ途中段階で、手間暇が随分掛かって大変だったけれど、
その分収穫が終わり冬支度に入る頃になると、一年がようやく終わり過ぎていく・・
そんな体内充足・・みたいなのも感じ、それが人間の素朴な営みの基軸でもあった、と。
それと・・
周辺の部落の圃場を見渡すと、随分と蕎麦を蒔いている畑が多かったです。
聞いてみると、その圃場を持つ農家は後継ぎがいない等で、安くても売却したいものの
買い手がおらず、そのまま放置すると荒れ地となりもっと売れなくなってしまうので、
低コスト&低労力の蕎麦を、他の農家に代金を支払って蒔いてもらってるという。
一応、農地維持・荒地対策としての補助費が幾らか出るので、それで賄っているとか。
とかく農家は土地を高く売りたいがため手放さないとか、補助目的で国費を食い潰すしている・・
等との適当な内容で農家を悪者にするかのような言説が都会に蔓延ってますが、
実情は全然そうじゃない、売れるもんならとっとと売って整理したいんです。
それはともかく・・
変わっていないのは、写真の左側に立ち並ぶ防風林の出で立ちと、
そこに生息する野鳥達のさえずり、生命の宿り・・そして吹き渡る、
草木をかすめた心地よい夏の風。そして、遠く彼方に見える山「ピンネシリ」。
祖母が生前いつも言ってたのは、
「秋、あの山が薄っすらと白んだら霜に気ぃつけんば・・」って。
霜が降りたら稲がダメになっちゃうので。
で、あの山には恵みの神様がいる。山の表情でその年の出来がわかる・・ってなことも。
そういやあ、田んぼの周囲にあった用水路や下水には、かつてドジョウもいましたっけ。
朝に叔父が籠を仕掛けておくと、夕方のご飯前にはびっちりドジョウがピチピチ・・
掬いあげて泥を吐かせて、どじょう汁によくしたものです。今じゃもうあり得ないですけど・・
田んぼはもう他所のものとなってしまったけれど、周辺には変わってしまった部分と、
ン十年も経て今も変わらないもの・・そのコントラストに、色々な感慨を深くしました・・。
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