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2016年09月03日07:01

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8月の読書記録

先月は冊数はいったけど、ページ数が今ひとつだったな…
後、ナイス数が100を超えたのが嬉しい。
今月はケアマネの勉強のため読書は控えるようにしよう。

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:4765ページ
ナイス数:102ナイス
http://bookmeter.com/u/4147/matome?invite_id=4147

■問題群―哲学の贈りもの (岩波新書)
先に読んだ『術語集』に比べると、内容がやや高度ということで、些か理解が怪しいところもあるが、概ね興味深く読めた。目次にざっと目を通したたけでも、古代ギリシャ哲学から、現代思想、果ては空海の名前さえあり、著者の目配りの広さに脱帽。もちろん、単なる知識のひけらかしに終わらず、独自の考察を加えているのはさすが。個人的にはその空海にO.パスなども交えて論じたリズムについての考察がとりわけ興味深く読めた。考えてみれば、リズムというのは人間の本性と深く結びついているはずで、更なる考察が必要ではないか?という気がする。
読了日:8月28日 著者:中村雄二郎
http://bookmeter.com/cmt/58639218

■術語集―気になることば (岩波新書)
サブタイトルが示すように、著者が気になっている言葉についての考察をまとめたもので、一章が数頁に抑えられており、さくさく読み進めることができるが、かなり含蓄のある内容で読み応えもある。とりあえず一度さっと読了して、その後で気に入った箇所を時に触れ拾い読みをするというのがいいのかもしれない。それから、三十年以上前に出た本なのにもかかわらず、とりあげられたトピックは今でも今日性を感じさせるものばかりで、著者の鋭さが伺える。個人的には「遊び」における「遊び」と「真面目」との境目についての考察が興味深く読めた。
読了日:8月27日 著者:中村雄二郎
http://bookmeter.com/cmt/58610620

■キリスト教新講―イエスから現代神学へ (1975年) (中公新書)
昔の新書は高度だったんだな…と改めて痛感。二百頁にも満たない小さな本だが、そこにいわばキリスト教学のエッセンスがぎっしりと詰め込まれている。史的イエスや神学の問題など、学問的なトピックが多く、一般的なキリスト教信者ではなく、大学などでキリスト教学あるいは神学を勉強する人向けの入門書だと言える。また、ある程度キリスト教について専門的知識をつけた人がその知識を一通り整理するのにも有効。それから、著者はプロテスタントの牧師であるが、カトリックへの偏見は特に感じられず、バランスのとれた記述に好感を持った。
読了日:8月26日 著者:由木康
http://bookmeter.com/cmt/58581080

■ぼくのドイツ文学講義 (岩波新書)
とりあげられた作品の大半が未読のものだったのにも拘らず、著者の軽妙な語り口に引き込まれて一気に読了。もちろんこの一冊でドイツ文学が概観できるというわけではないが、ドイツ文学の魅力の一端を知ることはできる。とりあげられた作品の魅力はもちろんのこと、その作者の人物像というのもかなり興味深い。とりわけ痛快だったのは『制服の力』。しがない無職の男があっと驚くようなやり方で世間に一泡吹かせたというのは、本当に胸が空く。後、『ファウスト』の第二部は非常に難解で退屈だというのは初めて知った。これで読む気が失せたかな…
読了日:8月24日 著者:池内紀
http://bookmeter.com/cmt/58542298

■ドイツ古典哲学の本質 (岩波文庫 赤 418-5)
購入して二十年以上を経てようやく読了(笑)。これまで何度かトライしてきたが、ことごとく挫折。今回改めて手にとってみて、過去なぜ読了できなかったがようやく理解できた。要するにキリスト教や宗教改革についての知識があまりに足りなさすぎたのだ。読む人によっては鼻に付くこともあるようだが、亡命先のフランスで書かれたということで、フランス的な軽妙さをたたえた文章が心地よい。時代的な制約もあり、やや偏見がきつ箇所や、不正確な記述も見受けられるが、宗教改革からドイツ観念論への流れを手際よくわかりやすくまとめた良書。
読了日:8月24日 著者:ハイネ
http://bookmeter.com/cmt/58539958

■日本の難点 (幻冬舎新書)
本当にスゴイやつ、優秀なヤツは利他的…本書で繰り返し説かれるこの主張は昨今の日本への警鐘となるのではないだろうか?突っ込みどころや感心できないところも散見されるが、とりあえずこの主張を目にしただけでも読んだ価値があったと思う。「米国論」はやや理解しづらかったが、それでもアメリカの金融業界の実態が多少なりとも把握できたのが有益だったか。後、「日本論」で言及されている農協の酷さはちょっとびっくり。その現状を何とか打破して、日本の農業を守らねばと強く思わされた。後、一部保守への罵倒が個人的に痛快だったな(笑)。
読了日:8月22日 著者:宮台真司
http://bookmeter.com/cmt/58509920

■人生の極意 (扶桑社新書)
佐藤氏の回答はともかくとして、相談者の知的レベルが全体的に低いのが気になる。それも若い人ならともかく、ある程度年齢がいった人でも、知的枠組みが脆弱な人が多いという印象を受ける。だがその一方で、前書きで佐藤氏が述べているように、その相談内容から混迷を極めつつある日本の状況が克明に浮かび上がってくるのも事実。特に所謂底辺層と呼ばれる人達の現状には暗澹たる気持ちにならざるを得ない。また、底辺とまでは言わなくても、未来に希望を持てない人が多いことにも驚かされる。ただタイトルに大風呂敷を広げた感があるけど。
読了日:8月21日 著者:佐藤優
http://bookmeter.com/cmt/58478800

■死にいたる病 現代の批判 (白水uブックス)
内容の理解は甚だ怪しいものの、詩人といわれるに相応しい独特の端正な文体に惹きつけられてほぼ一気に読了した。『死に〜』は「絶望」をテーマにしているのにも拘らず、なぜか絶望的な気持ちにならないのが不思議。恐らく著者は例の事件を通して、一般的な意味での絶望とは違う何かを見出したのではないか?という気がする。また『現代〜』で繰り返し言及されている「水平化」という概念は今ひとつ意味が掴みきれないが、まさにこの現代を読み解くのに大いに示唆的ではないか。後、池澤夏樹による解説も魅力的。繰り返し読み返すべき一冊である。
読了日:8月17日 著者:キルケゴール
http://bookmeter.com/cmt/58396904

■哲学入門―生き方の確実な基礎 (中公新書 (140))
本書が出てから早半世紀近くの年月を経ているということに、何とも言えない感慨を覚える。冒頭で著者が述べている戦後時の社会と価値観の変容から更に年を経た現在、更なる変容…というか逆戻りの様相を呈している昨今を思うと、いかに人の心が移ろいやすく、易きに流れがちかということを思い知らされる気がする。そうした中にあって、地に足のついた思考を身につける重要性を本書は説いているのだと思う。また、本書で著者が繰り返し、科学やマスメディアの功罪について言及しているが、ますますその傾向が顕著な現代を著者はどう見ているのか?
読了日:8月15日 著者:中村雄二郎
http://bookmeter.com/cmt/58350365

■歎異抄 (光文社古典新訳文庫)
町田康を連想させる軽妙な関西弁に惹きつけられてほぼ一気に読了した。吉本経由でかねてから親鸞に興味を抱いていたのだけれど、確かに文庫本にして数十頁程でしかない本書を紐解くだけでも、その魅力の一端は十分に窺える気がした。とにかく難しいことは何もいらない、ただ「南無阿弥陀仏」を唱えることの重要性を繰り返しとく、その熱意には他の追随を許さないものがある。また、原文と付録の和讃も独特の魅力を感じさせるもので、繰り返し読み返したくなる。ただ、後に弟子たちは親鸞の思いと正反対の方向へと向かうという事実が皮肉だけれど。
読了日:8月15日 著者:唯円,親鸞
http://bookmeter.com/cmt/58330254

■クルアーンを読む (atプラス叢書13)
対談形式ということで、さくさく読めたのだけれど、理解の程はあやふや。イスラム関係の本を読む度に、理解が深まるというより、余計に混乱してしまうというのは僕だけだろうか?また、イスラム特有のややこしさとキリスト教との類似と埋め尽くすことのできない隔たりが強い印象として残るというのもいつも通り。ただ、本書で際立っているのは、終盤でカリフ制について、かなり具体的に語っていること。中田氏が理想とするカリフ制の実現は正直かなり難しいだろうけれど、昨今のグローバリズムに一石を投じる可能性があるのでは?という気がした。
読了日:8月14日 著者:中田考,橋爪大三郎
http://bookmeter.com/cmt/58316349

■介護―現場からの検証 (岩波新書)
本書で度々言及されている「改正」からいみじくも十年経過した現在、更に高齢化が進み、介護の現場の過酷さが増していることを思うと、本書の現場告発が一層重い意味を持つ。インタビューの対象があまりに多く、幾分内容が細切れになっている感は否めないが、新書という制約の中で、比較的よくまとめていると思う。そして、その中で浮かび上がってくるのは、介護の現場と制度及び官僚側との乖離。「自立支援」を謳った「改正」がいかに現場に即していないかが、リアルに感じられる。そうした中から、草の根的に声をあげていくしか始まらないか?
読了日:8月12日 著者:結城康博
http://bookmeter.com/cmt/58262398

■マチネの終わりに
時々、ネットで感想を目にすることはあったが、ここまで濃密で心惹かれる内容だとは、正直ちょっと驚き。また主人公蒔野が自分と同じ年というのも、親近感がわいたし。また、他の人も述べているとおり、ただのラブストーリーというのに止まらず、社会的情勢を巧みに取り入れているところはさすが。後、洋子との別離後、音楽家として長いスランプ期に入った蒔野が再生する過程には何とも言えない高揚感を覚えた。ただ、その顛末にはあまりに痛ましいものだったけれど。そして、その後が気になるが、あえて続編はいらないと思わせるラストが見事。
読了日:8月10日 著者:平野啓一郎
http://bookmeter.com/cmt/58228285

■容疑者の夜行列車
何とも言えず感想が述べにくい一冊。恐らく同じ主人公であるダンサーが海外の夜行列車で旅をする体験が主なストーリーになっているのだが、著者お得意のカフカ的不条理な世界観が濃厚。時折、非現実的な世界を覗かせるところも著者の真骨頂といえる。ただ、著者特有の言葉遊び的要素は希薄なのが残念だったか。海外旅行の体験が極端に少ない者としては、言葉も文化も違う地域を一人で旅することに伴う不安や、そこで被るリスクへの想像が掻き立てられたが。また、読者を更なるラビリンスへと誘う最終章が印象的で、何とも言えない余韻を残す。
読了日:8月9日 著者:多和田葉子
http://bookmeter.com/cmt/58200647

■コルトレーン――ジャズの殉教者 (岩波新書)
比較的冷静で客観的な筆致からも著者のコルトレーンへの深い愛が伝わって来る一冊。コルトレーンの生涯の概要はある程度知っていたが、本書で初めて知ったことも少なからずあり、興味深く読めた。とりわけ驚きだったのが、「アフリカ・セッション」で録音された「アンダーグラウンド〜」に込められた意味。また、60年代における黒人差別の非人道性についてはある程度知っていたつもりだが、思っていていた以上に酷いものであったことを改めて認識。また、コルトレーンの求道心、愛と平和への熱い思いには少なからず心打たれるものがあった。
読了日:8月7日 著者:藤岡靖洋
http://bookmeter.com/cmt/58166191

■ルポ 認知症ケア最前線 (岩波新書)
介護に携わる者として何かと考えさせられるところが多い一冊だった。他の人も述べているとおり、既存の仕組みやあり方に満足せず、より良い介護を目指してゼロから取り組み、様々な実績をあげていった人達の熱意には本当に頭がさがる。制度がダメ、お役所は頭が固くてお話にならないと言って、投げ出してしまう前に、何かできることはないか?という発想を実行に移していくそのバイタリティは、とうてい真似できない気がする。何かと先行きが見えない高齢者介護の世界だが、本書は今後の広い意味でのケアを考えていくうえで大いにヒントになる。
読了日:8月6日 著者:佐藤幹夫
http://bookmeter.com/cmt/58134651

■哲学のヒント (岩波新書)
タイトルが示唆するように哲学入門というより、哲学的に考えることはどういうことか?を具体的に解き明かした本といえるか。また、序章で述べている通り、取り上げられる思想家の大半が日本人というのがユニーク。そういう意味で日本語で哲学することの意味を問うた本とも言える。ただ、「もの」と「こと」という概念についてかなりの紙幅を割いているのにもかかわらず、参考文献にはその著書が挙がっているものの、肝心の廣松渉についての言及がないのが、個人的に気になる。また、「型」と「形」との違いについてのくだりが興味深く読めた。
読了日:8月5日 著者:藤田正勝
http://bookmeter.com/cmt/58114789

■経済原論 (岩波文庫)
佐藤優推薦ということで、かねてから読みたいと思っていたけれど、いざ手に取ってみたら、かなりの難物。『資本論』の内容をコンパクトにわかりやすくまとめたという謳い文句に偽りはないとは思うのだけれど、あまりにコンパクトすぎて、逆にまとめた箇所をわかりやすく解きほぐして欲しい…という気持ちが拭えない。後、経済学の門外漢のために、もっと用語解説を施して欲しかった。巻末の解説によると、本書には単なる『資本論』解説書に止まらない魅力を秘めているとのことだが、その魅力を解説するためのさらなる解説書が必要なのではないか?
読了日:8月4日 著者:宇野弘蔵
http://bookmeter.com/cmt/58097668

■ケアその思想と実践 6 ケアを実践するしかけ
タイトルが示唆するように、制度的な話題が多く、同シリーズ中の中でもやや内容が硬めだったが、概ね興味深く読めた。個人的にとりわけ興味深かったのは、介護事業におけるNPOの存在と可能性。「自分達で何とかしなければならない」という思いが大きな成果と変革を生むというプロセスは何とも言えず胸がすく。また逆に秋田県鷹巣市における「日本一の福祉」が崩壊していくプロセスには憤りとやるせなさを感じざるを得ない。本書が出て、後、介護における人材不足の問題で、介護職のマイナスイメージばかりが強調されるのが気になった。
読了日:8月1日 著者:
http://bookmeter.com/cmt/58048346


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