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2016年08月27日20:52

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土曜ギリギリ日記214:「ティエリー・トグルドーの憂鬱」




本日は、当直前に一本映画。今月最後の劇場鑑賞です。


観たのは「ティエリー・トグルドーの憂鬱」。

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…これねぇ、観客が憂鬱になること必至の暗ーい映画です。ドキュメンタリーみたいな作りなんで、ヴァンサン・ランドンを知らないとノンフィクションだと思っちゃうような感じ。タイトル前に、いきなりトグルドーさんと職安スタッフのトゲトゲしいやりとりから始まります。トグルドーさんは、見た目は50代のくたびれたオッサン。会話から察するに、最近勤めていた工場が倒産して無職になったらしい。で、職安で機械操作の講習勧められて何週か受講したはいいけど、実は操作経験者しか就職できないと分かって怒り心頭のご様子。未経験者が就職できないなら、最初から講習なんか勧めるな!というわけですね。ごもっとも。対する職安スタッフは、「いや、勧めたのは別のスタッフなんで…」と困ってます。まさに会話は堂々巡り。
ということで、結局トグルドーさん、幾つか就職面接を受けることになりますが、全滅。そこで面接模擬テストを受けてみるんですが、結果は講師からダメ出しの嵐。やれ背筋が丸い、話し方が暗い、顔が怖い、質問に対する返答が早すぎる…もうさ、熟年に差し掛かってるいい大人が、子供みたいに延々「ダメ」って言われ続けるの見せられるわけです。こんな居心地悪い映画、無いですよ。

観客がガックリきていると、中盤、突然トグルドーさんがパリッとスーツを着るんですね。どうやら、就職が決まったようです。職場は、大手スーパー。仕事はどうやら、店内巡回員。万引きを見つける監視員ですね。怖い顔も役に立つもんです(笑)。しかし後半、実は仕事が、客の監視だけではないことが判るんですね。客同様、レジの従業員の不正も見つけなくてはいけないのです。


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……サラリーマンのオッサン方必見の、悲哀に満ちた一本。仕事って何だろう?誇りって何だろう?そんなことを考えさせる映画でございました。拷問だけど、観てよかったです。今の社会が出す軋みの音が、しっかり描かれていますよ。

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