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2016年08月13日11:21

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私と靴屋の店員さんの切ないやり取り。

私は多分、そこそこ美人だ。

今まで男性に「好きです」
と言われたことは数十回。

服装も服が好きなのでこだわっている。

そんな、イケてるガールの私。

こないだ靴屋でスニーカーの
試し履きをさせて貰った。

男性店員さんは

「お似合いですよ」

と笑顔で接してくれた。

私も気に入り、

購入しようとしたら
店員さんがスニーカーのつま先を

指でぐっと押した。


「あ、インチも合ってますね。
念のため、もう一個大きいのお持ちしましょうか?」

そういうと店員さんは

私からスッとスマートに靴を脱がし、
靴底のインチの確認をした。

その刹那、



「臭っ!

臭い!なんだこのニオイ!

すみません!」


店員さんは私に履かせたスニーカーが
臭いと気付いたらしい。


「さっき、変な小汚いお客様が
来てたんですよー。
そのひとが履いたんですね」

店員さんはとても丁寧に謝ってくれた。

でも、

それ、私の足の臭いだ。


私は多分、そこそこ美人だ。


でも足は
とんでもなく臭い。

私は顔から火が出るほど
恥ずかしかった。

でも私の匂いです、とも言えず

「ごめんね、店員さん」

そう心底で謝った。

その刹那、


「これ嗅いでみろよ!
めっちゃクセーから!」

店員さんは私が履いたスニーカーを
顔をしかめながら

もうひとりの男性店員さんの
鼻に近づけた。

「うわっ!これもう暴力じゃん」

スニーカーを嗅がされた店員さんは
嘔吐するようなポーズを取った。

「え?なんですか?」

ふたりのやり取りを見た新人らしき
男性店員さんが興味深そうに
私の履いたスニーカーを覗き込んだ。

「おえええええ!」
新人店員さんはほんとに
嘔吐しそうになっていた。

「これ捨てましょうよ!」
新人店員さんはシャウトした。




もう、やめて


私の心の声は
喉元から出ることも出来ず、

それはまるで
スニーカーのように

胸が紐に縛られていた。
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