2004年春。イラク戦争捕虜虐待の事実をスッパ抜き、報道界を独走した番組があった。名アンカーマン、ダン・ラザーが出演する「60ミニッツ」である。ブッシュ再選を前に、番組プロデューサー、メアリー・メイプスは、70年代のブッシュの軍歴に詐称があるという疑惑の裏取りを急いでいた。当時ブッシュは、ベトナム徴兵忌避のため、親のコネでテキサス州副知事に頼んで州空軍に入隊したらしい…これは当時の副知事本人が飲みの席でペラペラと自慢しているから証言を取るのは可能だ。問題は、州空軍在籍中のブッシュの行動だ。何と一年の間、彼がタイムカードを押した記録が消えているのだ。州空軍施設から無許可で離脱していたのなら、これは犯罪である。メアリーは自ら調査チームを率いて、当時の州空軍関係者にあたりまくり、ブッシュが離脱していたという言質を取ろうと試みるが、誰1人口を開こうとはしなかった。ブッシュの直属上司だったキリアン中佐も既に亡くなっており、証言を取ることは絶望的と思われた。そんな中、退役軍人バーケットが決定的な証拠を持っていることが明らかになる。それはキリアンが上司ホッジス将軍に宛ててタイプした手紙のコピーで、ブッシュの訓練査定報告書が書けないことを謝る内容だった。ブッシュの査定が出来ないのは、本人が軍施設におらず訓練を受けていないためと明言していたのである。メアリーはホッジス将軍に電話インタビューをして、手紙を読んだことがあるかどうかを確認したところ、将軍はあると認めた。筆跡鑑定でも手紙にあるサインがキリアンのものと確認され、メアリーは手紙を〈本物〉と確信。ブッシュが州空軍を勝手に離脱していたというスクープを、ついに「60ミニッツ」で放送することにする。番組は大反響を及ぼし、大統領選への影響も必至と思われたが、あるネットの書き込みから、事態が急変してしまう。それは、番組で紹介したキリアンの手紙についてのもので、70年代のタイプライターではありえない寄せ字があり、Wordのデフォルトで使えるフォントと字間隔だという指摘だった。つまりこの手紙は、現代で捏造されたものだというのだ…
「ニュースの真相」。実際にあった60ミニッツ誤報事件を映画化した骨太なドラマです。
いやぁ、面白かった!前半、60ミニッツ放送までの調査シークエンスは「スポットライト」のようなスピードとチーム一体感で引っ張り、手紙捏造疑惑からの不穏な後半は、メアリーの孤独な戦いと苦悩でじっくり見せてくれます。ダンとメアリーの疑似親子ぶりがたまらなく良かったですね。ダンが60ミニッツの最後に口にする決めセリフ…これには泣きそうになりました。
ニュースって、99パーセント真実でも、1パーセントでも間違いがあると「誤報」になってしまうし、ニュースの本質すらも忘れさられてしまうんですね。報道について改めて考えさせられる良作と言っておきましょう。オススメです!
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