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2016年08月07日15:08

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レンタル日記:最愛の子

2009年、中国・深圳。商店街の寂れたネットカフェで店長を務める中年男ティエンは、ポンポンという愛くるしい3歳の息子を育てていた。離婚した妻ジュアンは親権を手放しセレブと再婚していたが、ポンポンを溺愛しており、週1の面会を欠かしたことがない。しかし、7月のある夕方、ティエンが目を離した隙にポンポンが何者かにさらわれてしまった。中国で社会問題化している人身売買の餌食になったのだろうか。懸命に息子を探すティエンとジュアン。だが何の手がかりがないまま3年の月日が流れてしまう。二人は、同じように子供の行方を探す親たちの会に参加し情報を集めるが、ある日、北部の農村で見かけたという報せがはいり、ティエンらはその農家に踏みこんでいく。そこには、鶏に餌をやり普通に暮らす6歳児の姿があった。紛れもなく、あのポンポンだ。息子を抱き締め号泣するティエンとジュアン。しかしポンポンはすでに3歳の頃の記憶を失っており、農家に住む女ホンチンをママと呼んでティエンの腕から逃れようと泣き叫ぶのだった。

農民のホンチンは、出稼ぎで深圳で働く夫ヤンを支えて生きてきた女だった。3年前、ヤンは深圳から男児と女の赤ちゃんを連れて帰ってきた。夫が深圳で「愛人に生ませた」とか「拾った」とか言う二人の子を、不妊症のホンチンは実子のように慈しみ大切に育ててきた。しかし先頃ヤンが病死。それからホンチンはたった一人で、6歳の男の子ジーガンと3歳の女の子ジーファンを食べさせていたのだ。そんなある日、突然見知らぬ男女と警察がやってきて、「ジーガンはポンポンと言う深圳の子だから実の親に引き渡す。ジーファンは孤児だから施設に入れる」と通告されてしまう。死んだ夫が誘拐犯だったこともつらいが、子供たちと引き離されるのはもっとつらい。彼女は、ジーガンとジーファンに一目会うため、深圳にやってくるのだが…

フォト



「最愛の子」。中国映画ですが、構図・演出・オチにいたるまで洗練されていて、まるでハリウッド映画のようでした。子を失った二組の親…ティエン&ジュアンとホンチンを等分に描き、彼らの絶望と苦悩をリアルに描きます。子を攫われた親には、合法的に次の子を産むことも許されないという中国政策の「歪み」も織り込んで、社会派ドラマとしての完成度を上げておりました。子を持つ親としてのヒイキメを抜いても、非常に良くできた映画として評価したい一本。オススメです。今年のレンタル暫定1位!


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