交遊抄4

会社に来た時に、Aさんと度々雑談していた頃のことでした。
健康のためにしていることを話をした時に、私が会社の裏通り（団地内の裏通りなので交通量ゼロの通り）を、約70m、毎日何回か全力疾走していると話したんです。健康法を、なんとなく、彼にも勧める積りで言いました。
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学生時代、Aさんが走るのがもの凄く早かったんです。
「あんた　走るのが早かったよね。」と私が言うと「いや、もう走る姿勢も忘れた。」と言って、真似をする気はないようでした。
そして、彼がしている健康法が弥彦山登山だと何時も言っていたんですが、これは出来なくなれば、それでお仕舞いになったんです。

それと、Aさんは兎に角真面目な人でした。
真面目過ぎて、先行きを考え過ぎるところがあったようです。
彼がよく言ったのが「男の平均寿命は80才だけど、もうその歳まで2年しかないよ。」でした。

私は、元々ボケタイプなので、その点で心配したことは、ほとんどないのですが、それに対しては何時も、こう答えていました。
「平均寿命と言うのは1才で死んだ人も含んだ平均でしょう。70才後半まで生きた人の平均寿命を出したら、大分先になるはづですよ。」

若い時、彼の家に遊びに行くと、お父さんと彼が囲炉裏を挟んで向かい合っており、私が、その脇に座っていたこと、その姿と話していた感じを、今でもよく思い出します。

残念ですが、今、彼のために出来ることは何もありません。ただ、健康を祈るばかりです。