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2016年07月27日23:37

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オールスター・バレエ・ガラ Bプロ

2016/7/27水 18:30- 東京文化会館

ジャパンアーツさんのバレエ・ガラ、東京公演最終日のBプロに行って参りました。私にとってAプロは「ザハ様!」だったんですが、Bプロは「フェリ様!」な公演でした。かなり泣きました。

指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

◆ラプソディ
振付:F.アシュトン
アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ
ピアノ:中野翔太

そもそもラフマニノフのこの曲(パガニーニの主題による狂詩曲)が大好き。以前にガラ公演で都さんとスティーヴンが踊ったときもいたく感動したのですが、今日はそれとは違う部分の抜粋。エルマンの小粋なソロに続いて二人のリフトの中心のパドドゥ。そこで音楽も一気に雄大になり、それと一体化したような二人の動き・・・。なんかストーリーもないのに感動で涙が止まらなくなりました。フェリって音楽の捉え方がとっても上手いんですね。オケの演奏もよくて、広大な大地を感じさせる音楽そのものが目から心に伝わってくるようでした。
あ、アシュトンらしさい小気味よさやシャレオツな感じは先輩と都さんの方が上ですよ。でも、このペアはストーリーを感じさせるところがある。どちらも違う意味で素晴らしい!

◆「白鳥の湖」より第2幕アダージォ
振付:M.プティパ
ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス

ニーナ、Aプロのジゼルよりはまだよかったかな。でも白鳥はロパ様が最高峰ですもの・・・。ゴメスは演技も本当に美しくて王子が似合うんだな。もっと踊ってるところ観たかったよう(T T)

◆Fragments of one's Biography より
振付:V.ワシーリエフ
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ

スペインっぽい振付。エルマコフがなかなか素敵でした!白いフラメンコドレス(って呼び名あるのかしら)のロパ様はとても美しくて、スカートの裾から時々上げる足の長さと美しさに見惚れます。でも、作品としては今一つ平坦で面白くなくて残念。

◆ジゼル
振付:M.プティパ
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン

昨年の3月にボッレと組んで東京バレエ団に客演したジゼルが余りに素晴らしかったのでこれも期待しておりました。やっぱ凄いわー。全幕で観たときは結構演技に感動したんですが、こういうふうにガラで踊ると、あと、相手がロブーヒンだと、身体能力や純粋に踊りによる表現力に目が行きますね。
ロシアバレエのジゼルは、ロイヤルのそれと比べてウィリのときの精霊感が強いなと思います。生きていない、冷たい感じ。でも冷たさだけじゃなくて母性のような愛情も深いのがザハロワのジゼル。そういう物凄くストイックな演技しながら、体の使い方は限界ギリギリまでがっつり。足の高さ、体のしなり、など。この人の長い手足、舞台の半分くらいを支配しているような感じがします。そしてほんと、観るたびに身体能力はギエムにかなり近いよなと。
とはいえ、その身体能力の高さゆえに、ジゼルというよりはミルタなんじゃないかと思ってしまうところもありました^^;
多少チケ代が高かろうと、来年のボリショイ来日でのザハロワのジゼルと白鳥は必見だと思います。(既に確保済み)

◆リーズの結婚
振付:F.アシュトン
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

とにかく二人が幸せそうに楽しそうに踊っていて、観ているこっちまでその気分が伝染!アシュトンぽくはないかもしれないけど、そういうの関係なくすっごいよかったです。マチアス、今回はどの演目も彼の本来の魅力を十二分に出せるものでないのにかかわらず、とってもニコニコでした。しかもジリアンと目を交わすときに笑顔?!ひょっとしたら彼ら、とっても仲良しなのかなー。
しかしマチアスの踊りはノーブルで美しい。テクニック完璧だし、スタイルもいいし、背もあるし!どなたかが言っていたけど、本当に世界遺産ものだわ。来年のパリオペの来日公演、絶対彼の全幕は見逃せません。

◆プレリュード
振付:N.カサトキナ
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ

とても美しいPDDだけど短すぎです!エルマコフの衣装は椿姫のアルマンみたいでした。ロパ様、今回のガラは演目が今一つではないですか。ダイヤモンドとか病める薔薇とか観たかったです・・・。
しかしロパートキナってなんか宝塚っぽい感じがします。あまり女女しくなくて、常に凛としてるからかな。バレエフェスのガラでやってくれた演目は本当に痺れたなあ・・・。

◆「フー・ケアーズ?」より
振付:G.バランシン
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

ジリアンは、これが一番似合っててよかったです。彼女はいい意味でアメリカンですね、ガーシュインの明るさがぴったり!が、これもまた短かすぎ。マチアスのソロとかをもっと観たかった(T T)

◆ディスタント・クライズ
振付: E.リャン
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン

先日のザハロワ&レーピン公演でも観たディスタント・クライズ。ザハロワのコンテはとても好き。彼女の強さがコンテの世界では更によく活きると思います。しかーし、私はロブーヒンは好きじゃない。背中が丸くて上半身が詰まって見えるのがどうにも受け入れられなくて。これ確か、バレエフェスのときにメルクリエフと踊ってますよね。彼を連れてきてほしかった!
それにしても、ザハロワって身体能力もテクニックも演技もルックスもすべてズバ抜けていて、今や現役ダンサーの中ではかなり飛びぬけた存在ですね。昨年ジゼルを観たときは結構好きだなあって思ったんですが、もはやそういう身近な表現もできないような高みにいる存在に見えてきました。畏怖さえ感じます。そういう意味でもギエムに近いな、私の中では。

◆レクリ
振付:V.チャブキアーニ〜ジョージアの民族舞踊に基づく
ニーナ・アナニアシヴィリ

ニーナは今回哀しかった。年齢はフェリとほぼ同じなのになあ。コンテを踊れないダンサーは年齢が上になると辛いのかも、とも思いました。これ以上はあまり書きますまい。
でも、あの人懐こい笑顔は好き!

◆ル・パルク
振付:A.プレルジョカージュ
アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ
ピアノ:中野翔太

またまたフェリで泣いてしまいました。ル・パルクは、引退後のルグリとオレリーのでもうどうしようもないほど号泣したのですが、それ以来の涙。
踊りによる物語、モノを語る、っていうのはこういうことなのかと。フェリはそれを教えてくれたような気がします。その正体が何なのか、帰りの電車の中でもずっと考えていました。
単純に身体よる表現力、ではなく、観客の感情をシンクロさせる力なのかな、というのが私の中でのとりあえずの結論。フェリが演じるキャラクターを見てると、そのキャラクターを通した世界が見える。だからフェリその人は派手な演技を何もしてないのに、見ているこちらの感情が揺さぶられるんじゃないかしら。
私は彼女が現役時代に全幕を一度も観てない。今更ながら後悔しています。
もちろん、そういう彼女の世界にぴったり寄り添ったエルマンも凄い。あと、中野さんのピアノとオケも素晴らしかったです。

◆眠りの森の美女
振付:M.プティパ/A.ラトマンスキー
カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス

ラトマンスキー版の眠りのパドドゥ。まあこれはこれで初演に近づけたとかいろいろ価値があるのかもしれませんが、ぶっちゃけガラで観るなら古典版の方が楽しいですね!だって踊りが地味なんだもん。ちゃんと難しいことやってるとは思いますけど。
とはいえ、ゴメスがちゃんと踊るのを観られた貴重な作品。彼は本当にノーブルで気持ちがいい。もっともっと踊るところを観たかった!そして、トレナリー、私は結構いいと思いました。テクニックはちゃんとしてるし、可愛くて眠りのオーロラっぽかった。これからもっと成長して、素敵なダンサーになってくれますように。


カーテンコールは、たくさんの紙ふぶき。ダンサー達も東京公演が終わってほっとしているのではないでしょうか。一番うれしそうだったのはフェリだったような気がしました。復帰してくれてありがとう。あなたからたくさんのものをもらいました。
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