土曜日、ファミレスで遊戯王カードデュエルをして22時頃に区役所の前を通ったら人が3,40人集まっていた。こんな時間に選挙演説でもしているのかと思ったら全員トレーナーでポケモンを探していた。その光景は衝撃だった。
明けて日曜、渋谷新宿をぶらついているとそれとおぼしき連中が路上にかかしのように立っていた。町はかかしだらけだ。遠目にもあれ絶対やってるなと思う人のスマホ画面をすれ違いざまに見るとまず確実にポケマップが広がっていた。
家に帰ると山田君から「GOしてる人を見に行こう」とメールが届いたので夜、近所に見に行った。我が母校の小学校の前を通ると、警官数人を相手に中年女性がえらい剣幕で怒鳴り散らしている場面に遭遇した。僕は山田君に「ここにポケモンいるか調べてみて」と言った。怒鳴る中年女性のそばにオコリザルの一匹でもいたら面白かったのだが、残念ながらそこにポケモンはいなかった。
さらに歩いていると、自転車に乗った中年女性とすれ違い、ふとスマホを見たらやはりポケマップが広がっていて、怖かった。主要都市ならいざ知れず、こんな町のモブの市民までポケモンを探して夜な夜な町を滑走していることが、90年代の世にも奇妙な物語的な怖さがあった。世にも奇妙な物語ならきっと町中の人間がポケモンを探し、それから逃げ回って最後はトレーナーに自分がゲットされてオチるだろう。ストーリーテラーのタモさんが「あなたは本当に捕まえる側なのでしょうか、おや、あなたの後ろにもトレーナーがやって来たようですよ」とか言って締めるだろう。
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